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推理将棋第99回解答(2)

[2016年3月31日最終更新]
推理将棋第99回出題の99-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第99回出題  推理将棋第99回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


99-2 中級  Pontamon 作      九九が3組   9手

「九九をテーマにした作品を作ったんだって?」
「そうだよ、ゾロ目ついでに9手詰だよ」
「どんな問題なの?」
「2種類の駒の5手で、九九の着手が3組あるんだ」
「ちょっと待った、3組なら6手だろ」
「九九なんだから、同じ答えの九九だってあるだろ」
「なるほど、それも考えないといけないんだな。他の条件は?」
「他の条件は無いよ」

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 2種の駒5手で九九の着手が3組あり、そのうち2組は九九の答えが同じ※

※九九の着手とは、着手した地点の数字が掛け算の"問題"と"答え"となるような九九の式を満たす2手1組の着手とする。

  • 九九の"問題"は着手地点の筋と段の一桁数字同士の掛け算とする。
  • 九九の"答え"は二桁数字で表した着手地点とする。
  • 九九の着手の組数は九九の式の種類で数え、九九の"問題"と"答え"を組み合わせて一つの式で1組とする。同一の九九の式が2回以上現れても1組に数える。このとき九九の着手には、使用駒種が多い着手(二種使っていれば二種使用の2手)のみを選ぶ。
  • ある1手の着手点が九九の"問題"と"答え"の双方に使えるときは2組以上の九九の式に使ってもよい。
  • 着手点を九九の"答え"に使うときは2組以上の九九の式に使ってもよい。
  • 先後の着手、着手の出現順は不問とする。

例1:36歩と92香と18香の着手があれば、3×6=18と9×2=18の2組に数える。
例2:36歩と66歩と18香の着手があれば、6×6=36と3×6=18の2組に数える。
例3:92飛と29飛と18香の着手があれば、Cの2組に数える。
例4:9手中に「92飛、92香、18香、26歩、62歩、12歩」の着手があったとき、九九の式"9x2=18"を満たす着手は二種駒の着手組「92飛、18香」を選び、一種駒の着手組「92香、18香」は選ばない。残り、2x6=12の「26歩、12歩」と6×2=12の「62歩、12歩」と合わせ、「92飛、18香、26歩、62歩、12歩」の三種の駒5手で九九の式が3組と判断する。

本問では、全手順の9手中に九九の着手がちょうど3組あり、3組の着手は2種の駒5手で構成されます。そして、5手のうち"1手"が2組の九九の双方の"答え"を満たしています。


出題のことば(担当 NAO)

 どの九九を使うのか、答えの着手地点を推理しよう。

追加ヒント

 飛歩の2種駒で『12, 34, 42, 62, 76』の5地点に着手する。

修正

 『2種の駒5手で九九の着手が3組』→『2種の駒5手で九九の着手が3組あり、そのうち2組は九九の答えが同じ』に修正


推理将棋99-2 解答  担当 NAO

7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △4二飛
▲2三馬 △1二飛 ▲1四角  △6二飛
▲4一馬 まで9手

(条件)
・9手で詰んだ
・2種の駒5手で九九の着手が3組あり、そのうち2組は九九の答えが同じ
(飛と歩の2種で5手:▲76歩、△34歩、△42飛、△12飛、△62飛。九九の式は 7×6=42, 3×4=12, 6×2=12の3組。3×4=12と6×2=12は九九の答えが同じ)

Suiri992

本作は、Pontamonさんの九九シリーズの難解作品です。前作までは92-1(7×5=35)、95-1(7×8=56)のように、九九の式で着手地点が明示されていましたが、本出題では"九九"にどの式を使うのか、示されておらず、九九の式を満たす着手地点の推理が加わります。盤面以外で頭を使わないと解けない点、通常の作品と難しさが異なります。解図は九九の式を満たす着手の組み合わせ探索から入ります。

九九の着手は・・・
九九の式の答えになる着手地点は全23箇所(12,14,15,16,18,21,24,25,27,28,32,35,36,42,45,48,49,54,56,63,64,72,81)そのうち、複数の九九の答になる着手地点は(25,49,64,81を除く)19箇所。単純に絞り込むのは容易ではない。

  • 九九の着手の少なくとも一つは角道を開ける手、7x6=42(▲76歩~△42X)、9x6=54(▲96歩~△54歩)、3x4=12(△34歩~△12X)などが有力。
  • 複数の"九九"の答えになる地点は、12(2x6, 3x4, 4x3, 6x2)、15(3x5, 5x3)、16(2x8, 4x4, 8x2)、24(4x6, 6x4)、32(4x8, 8x4)、42(6x7, 7x6)、54(6x9, 9x6)等。ほとんどの地点は、詰みと関係がない無駄手が入りそう。
  • 九九の式に用いる2種駒は、角道を開ける歩と大駒の組み合わせの"歩+角"か"歩+飛"が有力な候補になるが、後手陣内2段目で移動可能な飛が使いやすい。
  • ▲76歩+△42飛(7x6=42), △34歩+△12飛(3x4=12)と使うとすると、残りは12地点を二つ目の九九の式の答えとして、△62飛+△12飛(6x2=12)。先手の▲76歩と後手の△34歩,△12飛,△42飛,△62飛を組合せた手順を推理すれば解に到達できる。
  • 詰形を飛で壁を作る"51玉+62飛"型と決め打ちすると、後手の指す4手は△34歩~△42飛~△12飛~△62飛。
  • 先手は後手が△12飛と指せるよう角を取って協力する。
    初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角成 △42飛」
  • "51玉+62飛"型では、玉腹の41に角馬の2枚を効かせればよい。
    5手目から「▲23馬 △12飛 ▲14角 △62飛 ▲41馬」まで。
    ▲23馬~▲14角の手順が△12飛~△62飛と上手く噛み合う。5手目▲31馬~▲32角のように7手目32か52に角を打つ手順では8手目△62飛が指せず失敗。

"九九"を用いた"難解"な"9手詰"は、第99回のテーマにぴったり。作意手順もきっちり割り切れた短編の好作品です。しかしながら、担当の説明が拙く、出題時には説明不足、後で追加した補足説明は難解特集とは言え実に重く、解答者に難解というよりは"解く気がしない"印象を与えたこと、申し訳ありませんでした。

  • 紛れがなく明解な条件の示し方について、渡辺さんから助言いただきましたので紹介します。
    (渡辺さんのコメントより)
    --------------------------------------------------------------------
    ・3組の「異なる九九の式」を表わすペア着手があり、それは以下を満たす
    a. 九九の式を表わすペアとは2つの着手であり、着手された地点(棋譜表記は同でも良い)の数字で一方を乗算、他方を二桁の数と見做し、九九の等式が出来るものである
    b. 同じ九九の式を表わすペアが複数考えられるときは指された駒種の最も多いものを選択する
    c. 3組のペアに登場するのは合計5着手である。すなわち、ある着手は複数の九九の式を表わすペアに組込まれることとなる
    d. 3組のペアに登場する駒種は丁度2種である
    すなわち『3組の「異なる九九の式」』が主となるように書くのです。
    --------------------------------------------------------------------
  • 修正前『2種の駒5手で九九の着手が3組』条件の余詰手順
    ▲76歩 △62玉 ▲33角不成 △64歩 ▲42角成 △88角成 ▲41馬 △24歩 ▲63金まで。7x6=42, 8x8=64, 6x4=24のように64地点を掛け算と答えの双方に使う手順が成立。はなさかしろうさんからご指摘いただきました。修正では"2組の九九の答えが同じ" を追加。

それでは皆さんの短評をどうぞ。

Pontamon(作者) 「稚拙な条件文ならびに検討不足による余詰みをお詫び申し上げます。3つの九九の式をストレートに条件文に入れると文が長くなり、12飛、42飛、62飛の着手を明かすと簡単過ぎるので、万人が知る"九九"という言葉を条件文に入れ、この軽いジャブによって条件文を短くしつつ少し解きにくくするのが狙いでした。9手詰で有力な着手である76歩と34歩から、もう一つの駒種と着手地点は容易に浮かんで来るばすで、解答者にとっては簡単な条件でも出題担当者には余詰み検討が苦行になったことと思います。(盤上の九九の答え地点は23ヶ所で九九は48個)解答者もこっち側(48個の中から3個の九九の組み合わせ)から解こうとするとドツボにはまります。と言う私も97-1では条件に合う着手可能な全地点の割り出しから始めたのでしたが(笑)」

RINTARO 「条件が意味不明でスルーしていたが、その後説明が追加され、、飛と歩の2種類に絞り考え、76歩34歩62飛42飛12飛にあたりを付けると、あっさり解けた」「改めて、出題ページを見ていましたら、下の方で長いコメントのやり取りを拝見しました。私を始めとした回答者の意見を代弁していただいた渡辺さんには感謝の意に堪えません。ありがとうございました。おかげさまで解けました」

渡辺(双方解) 「あっさりした手順。担当者が複雑な条件に固執した理由が分かりませんでした。「2種駒からなる5手を巧く選べば3つの異なる九九の式が作れる」という私の最初の解釈でもこの余詰と作意しかないようです。また4つの異なる九九の式は(5手に限らなくても)無理そうですね。
・9手で詰み
・5つの(同一の式も可)九九のペアがあった
・直後の手の九九の答になる手があった
 (例:16の着手の直後に44の着手;16=4x4)
感の良い人なら手なりで解けるでしょうか」

たくぼん 「条件がややこしいのがちょっと残念」

斧間徳子 「確かにヒントなしでは解けない難問だったが、条件が非常にわかりにくく、解けないというより解く気がしない。締め切り前ヒントの"飛歩の2種駒で『12, 34, 42, 62, 76』の5地点に着手する"というのをそのまま条件にした方が好作と思う」

■"難解作特集"のため、補足説明では敢えて九九の式を重く定義しましたが、裏目だったようです。

はなさかしろう(双方解) 「裏推理を使うと勿体ないので、使い勝手の良さそうな組み合わせを軸に試行錯誤していきまして、12香は広がりがないので飛車を使ってみよう、というところで解決。チャレンジングな条件で解き方を工夫するのも楽しかったです。
※ 出題条件ですと、対象の5手は解答者側が選びたくなるので、例4の『9手中に「92飛、92香、18香、26歩、62歩、12歩」の着手があったとき、九九の式"9x2=18"を満たす着手は二種駒の着手組「92飛、18香」を選び、一種駒の着手組「92香、18香」は選ばない』では、「92香、18香」を選ぶ方が自然な気がしました。そこで、これが選べたとしたら生じる余詰があるのかも考えてみましたが、今のところ見つけられていません。上記回答が作意ならば、「着手地点は9ヵ所」という条件があった方がわかりやすかったかな、などと思ったりもします」

DD++ 「条件は簡素である方が望ましいとはいえ、合致するかしないかがあやふやでは本末転倒。特に作意順に全く関係ないけれども紛れ順に出てくるようなパターンへのケアは不足しがちです。
今回の場合、『▲76歩▲33角△42何か▲同角』という形は紛れで絶対出てくるわけなので、これが何種何枚何組の扱いになるか抜けていたのは手痛いですね。『▲75歩▲35歩△35歩△15歩は1種3枚2組なのか1種4枚2組なのか?』みたいなのはおそらく紛れでも出てこないのでそこまでのケアは不要でしょうけれど、しかしそもそもそんな問題が生じない条件表記であるのが望ましいです。
余詰は△88角の順ですかね。あとPontamonさんの意図していたらしき『式が重複してもいいから3組』だと▲76歩▲16歩△44角▲同角▲42角みたいな筋も」

■そのほか「2種の駒5手で九九の着手が3組」の広い条件解釈なら「▲76歩 △34歩 ▲22角成 △62飛 ▲23馬 △12飛 ▲14角 △62飛 ▲41馬」のうち、2種の駒5手「▲76歩 △34歩 △62飛 △12飛 △62飛 」で九九の着手が3組「3x4=12, 6x2=12, 6x2=12」と見做すことも考えられ、収拾がつかなくなるので重い条件定義となりました。いずれにしても出題の前にすっきりした条件説明を詰めておくべきでした。

小山邦明 「新しい条件の定義設定は難しかったと思いますが、大変面白い作品で楽しめました」

NNN 「難しいですね。角と歩の2種かと思ってました」

山下誠 「1二飛が入ることで、先手馬の動きをうまく限定する。なかなか面白いパズルでした」

小木敏弘 「積が12、また、76~42は大本命なのですが、なかなか解けませんでした。飛車の動きに妙味があります」

■後手飛の動きをアシストする先手の馬と角が絶妙です。

隅の老人B 「問題文の意味が理解出来ないが、3x4=6x2、1x4=4x1、これでどうかな?」

■九九の答えは二桁で表すお約束です。が、手順は合っています。

桝彰介 「後手の駒渡しアシストが得られない居玉は固く、吊し桂を狙うと手数が足りず、なかなか攻略出来ませんでした」

諏訪冬葉 「ヒントから玉を動かす余裕がないことは分かったのですが、22角成の必然性から桂吊るしを中心に読んでいました」

■43や33の吊し桂で詰ます9手詰手順では、なかなか九九の式を増やせません。

波多野賢太郎 「これは条件の意味を読み取るのが難しかったです。補足説明を見て理解できました。とりあえず、7六に4二か、9六に5四かと考えながら解き始めました。 筋道立てて解くというよりは、あれこれ手を考えながら、飛車を使わないとダメだとかがわかって、解答にたどり着いた感じでした」

S.Kimura 「ヒントの着手地点を頼りに,ようやく解けました。このような条件をよく見つけたと感心しましたが,余詰を見つけた方は相当ですね」

占魚亭 「私は条件を見た瞬間心が折れたため締切り前ヒントが出るのを待ちしましたが、ヒントを見ずに解けた人は凄いと思う」

飯山修 「2種類の駒というのがネックで全然わからず直前ヒント待ち。後手2手の無駄手作品は結構あるんですね」

孔明(無解) 「とっかかりが掴めず解けませんでした。ヒントで着手地点と駒種がわかっても飛車の着手が難しく断念しました」

■難解作特集だけあって、直前ヒントが出てようやく通常の難度でした。

変寝夢(無解) 「条件を見て、ある程度までの手数のデータベースをどなたか公開しては頂けないかなと思いました(CSVで良いと思うのですが)。作られる方もそれを公開されると困るといったこともないでしょうしね。やはり問題がありますかね」

■個人的には、DBを公開することで、今後推理将棋を始められる方や初心の方を含め多数の解答者の興味を削がないかを懸念します。当面は、配布するとしても出題担当等の関係者限りでいいと思います。ただし、DBを活用して新しい作品を作りたいとか前向きの狙いがあれば、限定配布する手もあるかもしれません。手元にあるリストは9手詰までです。


正解:20名  双方解:はなさかしろうさん、渡辺さん

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  小木敏弘さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  Pontamonさん  桝彰介さん  山下誠さん  RINTAROさん
  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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