推理将棋第99回解答(1)
[2016年3月28日最終更新]
推理将棋第99回出題の99-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第99回出題 推理将棋第99回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第99回解説 担当 NAO
「9手詰の難解作品」特集。
短手数でも多様な難易度の作品ができることを再認識できましたが、99-2では説明不足と余詰があり、担当にとっても難解な特集でした。
99-1 初級 渡辺秀行 作 45まで 9手
「昨日9手目に45へ着手して詰めたんだってね」
「うん、『1段目へ成る着手に歩で応じた手は面白い』って先生が言っていたよ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 9手目の45地点の着手で詰んだ
- 1段目に成る手に歩で応じた
出題のことば(担当 NAO)
45に着手する駒種を推理しよう。
追加ヒント
31地点に角を成り、45地点に角を打つ。
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推理将棋99-1 解答 ▲7六歩 △3四歩 ▲2二角不成 △6二玉 (条件) |
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本作は、合い効かずの筋違い角で詰むの形の一つです。離し角で詰む72玉の予備知識があると簡単。12、23、33等1~3筋方面の玉型を目指すと失敗します。
止めの一手が45の着手で詰む形は限られております。作意のように72玉形に53に角か馬を置いて45に角を打つ形。もう一つは33玉形に35角を置いて45に桂を打つ形です。45に金を進出する形は9手では詰みに至りません。
- 45角を打つ形は・・・
53角/馬を置くまでの角の経路は22~31~53と22~44~53の二系統あり。53不成を含め角の成るタイミングをずらすと8通り。後手は34歩の後、62~72の玉移動と64歩が必要だが64歩のタイミングが3通り。双方組み合わせ手順は24通り。
本出題の"一段目に成る手"から、▲22角不成~31角成~53馬が確定。初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角不成 △62玉 ▲31角成」と進み、成る手に"歩で応じた"ことから、5手目▲31角成の後の6手目は△64歩に決定。6手目以降「△64歩 ▲53馬 △72玉 ▲45角」まで。
- 45桂を打つ形は・・・
1段目に成る手順からは45桂で詰む手順はなく本作品では成立しない。参考までに22に角が成って桂を取る手順を示す。「▲76歩 △34歩 ▲22角成 △42玉 ▲21馬 △33玉 ▲35角 △42銀 ▲45桂」
予備知識がないと角以外の攻めも少し考えさせる簡素2条件、ちょっとだけ難しめの初級9手詰でした。
それでは皆さんの短評をどうぞ。
渡辺秀行(作者) 「この詰形を知っているかどうか」
■45着手で詰む形は72玉-45角型と33玉-45桂型の二通り。知っていれば簡単ですが、これを知っている解答者は少なかったと思います。
NNN 「45角から浮かぶ詰みパターンは裏切られてなかったので何とか解けました」
加賀孝志 「スッキリわかりやすいヒント条件」
隅の老人B 「3手目の角生が好手。これで6手目に歩が動かせます」
小木敏弘 「45着手は大ヒント、銀打ちの場所ではなく、角筋を通す歩つきがいい味でした」
■筋違い角が見えれば、自然と解けますね。
小山邦明 「45の着手を金では手数がかかるのに気付いて解けました」
■桂は考えませんでしたか?
RINTARO 「最終手45桂や45金をしっかり考えた後、45角に辿り着き、暫く解けた」
孔明 「追加ヒントで▲4五角で詰みだと明らかになっても7手目▲5三馬が見えず悩みました。上部に出てきて銀を打つことばかり考えてました」
山下誠 「角成から5三馬の筋が見えず、結構手こずりました。巧みな条件です」
斧間徳子 「解けてみれば簡単だが、53馬がなぜか見えなくて72玉型を捨てていたため、大苦戦」
■45角の筋を通すための事前準備。53馬と64歩が見えずらいのは、5筋と6筋の双方に手を掛けるためでしょう。
変寝夢 「追加条件4手目玉、5手目31角成で520万局面5分。54玉あたりで詰むと思っていたので意外」
■54玉に離し角の36角で詰む筋はありましたね。
Pontamon 「9手目36なら角で確定でしょうが、45地点の条件が紛れ最大になる好条件ですよね。『桂かな?』『角かな?』『玉は4筋のどっち側?』『54の書き間違いじゃないのかな?』とかもあったりして…」
DD++ 「離し角の合駒なしは確かに普段なら初級出題は避けるところですね。しかしそれにしても、離し角を知らない人でも自力で気づけそうな、だけど露骨でない、絶妙なラインをついたうまい条件」
はなさかしろう 「2枚角の威力ですね。9手目の着手点に45が選ばれているのが興味深いです」
■45を54に替えると香打ちの筋、63に替えると金打ちの筋がありますね。見え見えの36ではなく、ちょっとだけ桂打ちの筋を考えさせる45の選択でしょう。
S.Kimura 「寝ながら考えて,解けたつもりになっていたのですが,ヒントを見たら,角を成った場所が違っている。よく考えてみると,考えた手順の最終手は45ではなく54でした。なるほど。条件が54でないのはこの余詰を防いでいたのですね」
■追われた手順は11角成で香を取る筋ですね。
波多野賢太郎 「4五の着手は角だと思ったので、考えやすかったです。シンプルな条件で手順が限定されているのがうまいなあと思いました」
飯山修 「45で詰むと言われてピンときたのが85-4の27角迄の作。試してみるとピタリ」
占魚亭 「45角迄と決め打ちしたので、すぐに解けました」
たくぼん 「9手で45で詰めようとしたら角しか思いつかないです」
■第一感通り。変に桂や他の駒に手を出さないのが、近道です。
攻めダルマン 「23玉での詰みあがりを予想してましたが違いました」
諏訪冬葉 「玉が上がってくるのは手数が足りなそうなので角と予想。あとはどこが詰めやすいか」
桝彰介 「玉を右側に移動させて3一角成が王手になり、困っていたので、7二で詰まされるのは意外でした。▲5三馬が6二の逃げ道を防ぎ、△5四歩の無駄合も防いでぴったりなんですね」
■右側の1~3筋方面では、手数が足りませんね。9手詰の予備知識として、「1筋か2筋の玉が詰む9手詰はない」ことは覚えておいていいかもしれません。
正解:23名
飯山修さん S.Kimuraさん NNNさん 斧間徳子さん 加賀孝志さん
孔明さん 小木敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん
攻めダルマンさん 占魚亭さん たくぼんさん DD++さん テイエムガンバさん
波多野賢太郎さん はなさかしろうさん 変寝夢さん Pontamonさん
桝彰介さん 山下誠さん RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
>形を打つ形です。
「桂」を打つ形ですね。
投稿: 渡辺 | 2016.04.02 18:18
渡辺さん、ご指摘ありがとうございます。修正しました。
投稿: TETSU | 2016.04.02 20:11