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推理将棋第99回解答(3)

[2016年4月4日最終更新]
推理将棋第99回出題の99-3の解答、第99回出題の当選者(RINTAROさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第99回出題  推理将棋第99回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


99-3 上級  DD++ 作  鞍上人なく鞍下馬なし 9手

「や、これは、たった9手で詰められてしまった」
「馬をかなり活用できたからね」
「というと、やはり7手目かい」
「そうだね、金頭に馬がいるのに違和感があって、1筋方向へ移動させたら随分よくなった」
「こっちは着手が2つの段に分かれたのがよくなかったかね」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 7手目は馬を金頭から1筋方向へ動かした
  • 後手は2つの段に着手した

出題のことば(担当 NAO)

 金頭の馬が右に動く形を推理しよう。

追加ヒント

 43馬が3筋に動いて飛を取る。


推理将棋99-3 解答  担当 NAO

▲7六歩  △3飛  ▲3三角成 △4
▲4三馬  △3飛  ▲同 馬  △7
▲6一飛 まで9手

(条件)
・7手目は馬を金頭から1筋方向へ動かした(4手目より△42金 ▲43馬 △34飛~7手目▲34同馬)
・後手は2つの段に着手した(二段目と四段目:△32飛~△42金~△34飛~△72金)

Suiri993

本作は、守りの金から離れる手が入る9手詰。止めの玉腹への飛車打が先例の少ない形でした。

7手目に金頭の馬を1筋方向に動かす直前、6手目を指した時点で金頭に馬が居る形とは、どんな形があるでしょうか?角が成る可能性があるのは22,33地点以外に33(97)~42、44(97)~53、55~73の経路もあることを考慮すると、3筋の金では、31金+32馬、32金+33馬、33金+34馬、4筋の金では、41金+42馬、42金+43馬、42金+44馬、5~7筋の金では、52金+53馬、61金+62馬、72金+73馬が考えられます。が、7手目に金頭の馬を1筋方向に動かすと詰まない形が多く、9手で詰む手順は限られます。

  • 金頭の馬を1筋方向に動かして詰ますには、手駒の入手が必須。駒種は銀かと飛が有力。
  • 31銀を入手する手順:一例として「▲76歩 △62玉 ▲33角成 △72飛 ▲42馬 △54歩 ▲31馬 △51金左 ▲53銀」この手順は後手着手が1、2、4段目の3つの段なので失敗。
  • 次に後手に32飛と指させて32飛を入手する手順:一例として「▲76歩 △32飛 ▲33角成 △42金 ▲43馬 △62銀 ▲32馬 △52金寄 ▲41飛」この手順は後手着手が2段目のみの1つの段だけなので失敗。
  • 一見手段が尽きたようだが、32飛を4段目の34に移動する手順がある。作意は初手から「▲76歩 △32飛 ▲33角成 △42金 ▲43馬」。その後は△34飛の1手で後手が2、4段目の"2つの段に着手"をクリア。6手目から「△34飛 ▲同馬 △72金 ▲61飛」まで。は馬の効きのある後手玉の右脇、61地点の飛打ちが止めの1手。

詰みに有効な駒が後手陣の外にわざわざ2手掛けて移動した飛であるのが意外な一局、玉腹に馬の効きを残すのがポイントでした。

それでは皆さんの短評をどうぞ。

DD++(作者) 「最初『右へ動いた』としてあったんですが、これは非推奨表現だと気づいて投稿直前に『1筋方向』と変更したものの、これも際どい表現で『1筋側』とすべき でした。真横への移動限定で考えてしまった方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。9手としてはけっこう難問になっていると思いますが、どうでしょう?」

■先例の少ない詰形がなかなか浮かびづらく、難問でした。

諏訪冬葉 「98-3が頭に残っていて、『1筋方向へ動かす』→『右に寄る』と思い込んでいました」

■金頭から寄る手では金が強力で詰形を築けません。

渡辺 「3手目角が成って5手目7手目に馬移動と決め打ちしましたが、それでも詰めようとすると金に33に躱されて金頭でなくなる。そこで飛に身代わりを御願いしました。他のパターンを読んでいません」

はなさかしろう 「△3四飛が力強い一手。条件の組み合わせ方が面白く、楽しく解けました」

小山邦明 「先手の馬がじっと寄る手と、後手の飛がじっと浮く手の2つの手が大変巧妙だと思いました」

■駆け引きするような絶妙な間合いでした。

占魚亭 「5手目までは一本道。6手目がポイントでした」

斧間徳子 「34飛は気づきにくい妙手だが、今月は上級の本問が最初に解けた」

変寝夢 「追加条件3手目33、5手目43馬の着手で5手目着手後43馬
6手目着手後42金がいる、で700万局面5分3解出力。その中から2段の着手のものを選びました。3つめの条件は、3段以上の着手を除外するためかと思っていたのでビックリ。34飛が条件を満たすための好手でしたね」

S.Kimura 「2手目32飛で,馬でこの飛車を取る手は真っ先に考えたのですが,『2つの段に着手』の条件を満たせず,切り捨てていました.しかし,34飛とは良い手があったものです」

加賀孝志 「34飛は絶妙手、短い条件の方が良い」

たくぼん 「1筋方向が引く手となるのは上手い。34飛が好手」

■△34飛は、9手詰難問特集の中でも最も印象に残る一手でした。

山下誠 「最後の条件で3四飛に限定したのは素晴らしい。想定しにくい詰上りでした」

隅の老人B 「二つの段に着手、一段だけなら簡単だのになぁ」

RINTARO 「後手の手が2段の条件が秀逸である」

小木敏弘 「いろいろな詰み筋があるのですが、後手二段がとても効いて限定しています。34飛がとてもいい味です」

■解図のヒントにもなりにくく、難問特集にぴったりの"2つの段"条件。仮に、1つの段や3つの段と条件付けすると手順前後が残りますし。

波多野賢太郎 「これも難しかったです。後手の手順前後が許されないことを考えると、最初に飛車を振るのかなと思いながら解き始めました。4三馬から6二金、3二馬、5二金左、4一飛でうまくいったと思ったら、後手の条件を満たしてないことに気づいて、また一から考え直してしまったりしました。3四飛がちょっと盲点でした」

桝彰介 「4一飛までを考え続けさせられ、6一飛で詰ます意外性を発見した時の解後感が、この作品の全て。条件から、後手の二段目以外のもう一つの段の着手が一間飛びの四段目とは気づきにくい」

Pontamon 「9手目41飛だと着手段が2段目だけで、62地点を埋める手が非限定。逆サイドへの61飛を実現するために34へ飛が浮く協力手が盲点でした」

■41飛の惜しい筋が比較的見えやすいだけ、作意が見えづらくなってます。

NNN(誤解) 「これも難しかったですね。ヒントなしではダメでした。7手目に馬が右に動くなんていくらでもありそうな感じでしたがないものですねえ」

攻めダルマン(誤解) 「ヒントがなかったら解けなかったかも」

■残念ながら、ご両名の解答は9手目41飛とする手順。1筋方向に引っ張られて別の条件が抜けてしまいました。NNNさんは"金頭"と"2つの段"の条件外れ、攻めダルマンさんは"2つの段"の条件外れ。

孔明(無解) 「99-2よりは取っつきやすかったですが解けませんでした。ヒントで詰み形が見えかけたんですが、後手の2つ目の段への着手が見えず断念しました」

■2つ目の段が4段目だったとは盲点に入りましたね。

飯山修 「居玉でこの詰み形がほとんど発表されてなかったのが不思議です」

■居玉に馬+61飛型。ありそうで無かった形。一つの発見でした。


正解:20名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  テイエムガンバさん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん
  変寝夢さん  Pontamonさん  桝彰介さん  山下誠さん  RINTAROさん
  渡辺さん


総評

Pontamon 「『9手≠初級問題』を再認識した特集だったと思います。今年の目標(ヒント前全問正解)の第二ハードルと思っていた『9手詰の難解作品』特集を無事クリアできてホッとしています」

NNN 「いつも楽しく考えています。今回は難しかったですね」

小山邦明 「『9手詰の難解作品』特集のすばらしい作品を、ヒントが出る前に解答する事ができて大満足です」

小木敏弘 「中級、上級どちらも、おもしろい条件ヒントでした。解くのには想像できにくく苦戦しました」

■9手詰は推理将棋の基本。短手数でも難易織り交ぜることも、難問だけを揃えることもできるのが素晴らしい。

波多野賢太郎 「今回の難解9手詰特集はやっぱり相当難しくてたくさん悩みました。その分、面白かったです。2番の九九がらみの条件はとても面白いと思います。せっかく面白い条件なので、初めての人でも理解しやすいような、できるだけ簡潔な説明文ができるといいなと思います。(結局は例をいくつか挙げて説明するのが一番わかりやすいのかもしれませんが)」

RINTARO 「99-2のような新条件作品には、詳細な説明が必要ですね」

斧間徳子 「推理が難しくて悩む問題は解けたときの快感が楽しみですが、意味がわかりにくくて悩む問題は御免です」

■将棋の手以外の新条件は、詳しく説明しないと解らないし、説明が長すぎても解く気がしなくなり、出題するのも"難解"で大苦戦しました。

隅の老人B 「3月20日、おもちゃ箱の推理将棋の解答締切日。名古屋地方の染井吉野の開花宣言は今日、明日らしい。いよいよ本格的な春、お花見の季節が到来。閑話休題、99-2の問題文が理解出来ない。これでは、問題を考える前に国語の勉強が必要。B爺は今年で八十歳、これが本当の『八十の手習い』ですね」

■傘寿おめでとうございます。問題文がわかりにくかったとの声は多数あり、国語の勉強が必要なのは担当の方でした。

変寝夢 「今月は詰め上がりの予想が全部外れでした。アルファ碁を見ていましたが、是非グーグルさんには推理将棋の検討をお願いしたいものだと感じました(*^▽^*)」

■同感です。担当出題も最近余詰を連発しておりますので。

桝彰介 「今回もギリギリでした。さすが難問だけあって、直前ヒントをもらっても考えさせられました。今回は上級→中級→初級の順にひらめいて解けました」

DD++ 「20日という日付を見て何か忘れていると思ったら、答えを送信していませんでした。危ない」

渡辺 「解答の時間がなく本日慌てて解きました。一問自作なのが助かりました」

■解答者数が停滞して心配しましたが、〆切日に急増しホッとました。

はなさかしろう 「難問9手特集、面白かったです。では、9手の最難問は? というと、例えば4-3『恐怖の9手』など、私がリアルタイムで知らない時期に既に発表されている問題や、解けずに正解を見てしまった問題、解けないまま忘れてしまっている問題だったりするのかも知れません。次回いよいよ第100回ということで、楽しみにしています」

S.Kimura 「前回の総評で言われた通り,全問ヒント待ちでようやく解けました.
さすがに難問揃いで,全く歯が立ちませんでした。次回,100回記念『10手詰難度ゼロ』に期待しています」

たくぼん 「いよいよ100回ですね。期待しています」

■第100回は、難度ゼロまで易しいかわかりませんが10手の易問2問と100回記念の中編1問、お楽しみくださいませ。


推理将棋第99回出題全解答者: 23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  孔明さん  小木敏弘さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  変寝夢さん  Pontamonさん
  桝彰介さん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

当選: RINTAROさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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