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推理将棋第102回解答(3)

[2016年6月30日最終更新]
推理将棋第102回出題の102-3の解答、第102回出題の当選者(S.Kimuraさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第102回出題  推理将棋第102回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


102-3 上級  金少桂 作    不当な関係   10手

「隣の10手で詰んだ将棋、歩頭への着手がやたらと目立っていたね」
「数えてみたら、"先手の歩頭"への着手が3回、"後手の歩頭"への着手も3回あったよ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 10手で詰んだ
  • 『先手の歩頭』への着手が3回
  • 『後手の歩頭』への着手が3回

出題のことば(担当 NAO)

 各々の歩頭とはどの地点か、推理しよう。

追加ヒント

 『先手の歩頭』への着手は5、6、8手目。『後手の歩頭』への着手は3、5、10手目。5手目が『先手の歩頭』と『後手の歩頭』を兼ねる。


推理将棋102-3 解答  担当 NAO

▲7六歩  △6四歩  ▲4四角  △6五歩
6六角  △同 歩  ▲6八玉  △5六角
▲5九金右 △6七角成 まで10手.

(条件)
・『先手の歩頭』3回(5手目▲66角、6手目△66同歩、8手目△56角)
・『後手の歩頭』3回(3手目▲44角、5手目▲66角、10手目△67角成)

Suiri1023

本作は、"先手の歩頭"、"後手の歩頭"への着手がいずれも3回となるよう手順を構成する作品。単に歩頭の着手を合計6回重ねても詰みがありませんが、一工夫して"先手の歩頭"と"後手の歩頭"の双方を1回づつカウントする1手、すなわち一間離れた"先手の歩"と"後手の歩"の間に飛び込む1手を織り込んで、合計5回の"歩頭"着手で詰形を築いていきます。

解図のポイントは以下の2点です。

(1) "歩頭"の回数を稼ぐ形=一間離れた歩の配置を目指す。
(2) 最終手が歩頭の着手で詰む形=8段目の先手玉に対し6段目の後手歩~歩頭の7段目着手で詰む形を目指す。

  • 後手が指す5手
    後手の着手5手のうち、歩突きは少なくとも3手必要で4~6段目に着手。後手の6段目の着手は"先手の歩頭"になる。後手の残りの2手は"歩頭"への駒打ちととどめの1手"後手の歩頭"7段目着手に振り当てる。
  • 歩と歩の間への着手
    先手方が、"7段目の先手歩"と"5段目の後手歩"の間に着手できれば、"先手の歩頭"と"後手の歩頭"双方を満たす。このとき、6段目の歩と歩の間にすぐ移動できる駒は角しかなく、着手は▲66角に決定。後手は△64歩~△65歩と6筋を攻める間、1手余裕がある先手は▲76歩~▲44角~▲66角と進め、44角で"後手の歩頭"1回を稼ぐ。初手から「▲76歩 △64歩 ▲44角 △65歩 ▲66角」ここまで、"先手の歩頭"が1回、"後手の歩頭"が2回。
  • とどめは歩頭
    ▲66角の後、△66同歩が"先手の歩頭"の着手で角を入手。66歩の頭、67着手の一手での詰みを狙い、"歩頭"の角打ち~"歩頭"の角成りの詰形を目指せばよい。68玉型が67角成で詰む形。6手目から「△66同歩 ▲68玉 △56角 ▲59金右 △67角成」まで。8手目△56角が"先手の歩頭"の3回目、とどめの角成が"後手の歩頭"3回目でぴったり。

1手で2回の"歩頭"着手を稼ぐことに気づいた後も、直ぐには6筋攻めが見えづらく、謎解き要素の詰まった好作でした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(作者) 「今回拙作が初採用。先手の歩頭への着手3回と後手の歩頭への着手3回、歩頭への着手が合計6回と思ってもらえればしめたものです。どんな反応が返ってくるか楽しみにしています」

斧間徳子 「歩頭でない手が5手あるとはずるい、という声があがりそうだが、このきれいな条件はすばらしい」

変寝夢 「3+3=6手ではなかったのか。うまいとみるかそんなのありーとみるか。44角から66角が好手順」

渡辺 「こういうまとめ方があったとは…。このアイデアは買い。これは書きようによっては一条件とも出来る簡潔さ。その昔9手で『先手の歩頭への着手が3回/後手の歩頭への着手が2回 』とその逆をmixiで出題していたのですが、すっきりしなかったのを思い出しました」

■渡辺さん作の9手詰は『"先手の歩頭"への着手が3回/"後手の歩頭"への着手が2回
』と『"先手の歩頭"への着手が2回/"後手の歩頭"への着手が3回』のツインで、本作
と狙いは同じでした。金少桂さん作は、+1手を"後手の歩頭"への玉方の手に振り当て
る10手で実に美しくまとまりました。

RINTARO 「いやぁ、難しかったです。双方の角を使う手ばかり読んでいました。
64歩65歩の牛歩戦術が間に合うんですね。恐れ入りました」

占魚亭 「76歩34歩44角同角や76歩34歩66角同角の筋を考えていたので、64歩は全く浮かびませんでした。ヒントに助けられました」

Pontamon 「初手と3手目で手順前後がない81手順のうち、歩頭への着手数を稼げそうな「76歩、34歩、66(44)角、同角」と「46歩、34歩、45歩、44角」に絞って考えたのが失敗。先手4筋の替わりに後手6筋の歩を突く順を考えるとすんなり解けましたが、この盤面反転までに時間がかかりました。不動の後手角なのに、先手の角を取って、打って、成ってが間に合い、しかもその3手全てが歩頭の着手だったとは」

はなさかしろう 「これは、凄い。まず、ものすごく難しかった。裏推理を使いましたが、▲76歩△34歩▲44(or66角△同角と、▲46歩△34歩▲45歩△44角の紛れからなかなか抜け出せず、詰め方も二枚角や中段玉からなかなか離れられませんでした。本手順はせっかく作った一間を△同歩でつぶしてしまうのに抵抗がありましたが、この歩が最後に利くんですね。最短9手の詰みに更に1手加えて条件を整える、素晴らしい離れ業です」

DD++ 「危うくおもちゃ箱で初めてヒント待ち戦術を取るところでした。▲76歩▲66角△74歩▲75角△同歩と5手で延べ4回を達成できてしかも攻方が3手も残る形を先に見つけてしまったばっかりに…」

■4筋の歩や74歩など、いろいろな誘い手もありましたね。

山下誠 「後手2・4手目の素朴な歩の突出しに考えが全く及ばない。直前ヒントがなければお手上げでした」

小山邦明 「詰形が見えず苦労しました。角だけではなく、歩で歩頭の手があるのが、大変面白くて難しい手順になっていると思いました」

加賀孝志 「歩頭の意味が分かりづらかった」

波多野賢太郎 「これは難しくて、締め切り前ヒントでようやくでした。この条件では詰上がりがさっぱり浮かばず、生角二枚では詰まず、困ってしまいました。最後の角成が後手の歩頭になるのが盲点でした」

飯山修 「昔「ヒントでピンと」という番組がありましたが、今回の直前ヒントはこの言葉がピッタリ。後手の歩頭といえば、どうしても四段目ばかりのイメージにとらわれ、直前ヒントが出るまではまるで判りませんでした」

小木敏弘 「締め切り前ヒントで解きました。6筋が抜けていました。完敗」

隅の老人B 「ヒントに従って、指し手の歩頭への指し順表を作成。これで解決」

諏訪冬葉 「ヒントを見て『5手目に双方の歩が1マス開けて向かい合う』を目指しました」

S.Kimura 「てっきり中段玉で詰ますと思っていたので,ヒントを見てもしばらく答えが分かりませんでした.最終手も確かに歩頭なのですが,通常の将棋の感覚からすると盲点になりますね」

たくぼん 「ヒント無ければ解けなかったでしょう。56角~67角成が見え難い」

布哇斎 「これは、回答を出した今でも、ノーヒントではどう解くか全くイメージできません。『"先手の歩頭"への着手が3回、"後手の歩頭"への着手も3回』という条件だけで、正解がこの形一つに限定されているのですね。そう考えるととても凄いです。
ただ、こちらも解き始めたときにはヒントが出ていたため、見てしまったらやはり数分でした。ヒントだけで6手目までが2通り(後手が2筋を突くか6筋を突くか)に自動的に絞れてしまう上、2筋は詰みそうに見えないので、残り4手、しかも攻めに使えそうなのが手持ちの角と盤上の歩1枚ずつとなると、詰ませる方法はとてもシンプルです。そういう意味では、ちょっとヒントが多かったかなと感じました」

ジェシー(無解) 「時間切れです。詰み型のイメージが浮かびません・・・」

■今回の上級は解図の道標が少なく難問でした。ヒント待ちの方も多かった。


正解:22名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  金少桂さん  小木敏弘さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  テイエムガンバさん  DD++さん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  布哇斎さん  変寝夢さん
  Pontamonさん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん


総評

渡辺 「今回は待ち手特集になりましたね。私がmixiの推理将棋のコミュニティに入り出したころには待ち手はあまり市民権がなかったのですが、私が好んで待ち手を含む問題を出していました。待ち手は推理将棋がフェアリ詰将棋の協力詰の延長ではないことの証拠でもあります。
待ち手は巧く使うと条件を綺麗にできますし(3番)、変った条件を満させたりできます(1番:同歩成、2番:最遠着手)。手順がコミカルになったりもします。
個人的な事情もあり今回は3番→2番→1番の順に解けました」

■10手詰+2条件に加え、意図せずに"待ち手"特集となりました。非限定の多い基本型も1~3手の待ち手を加えるだけで、手順を限定、すっきりした条件でできることが多いのはご指摘のとおり。渡辺さんを始めとするベテラン作者抜きで3問揃ったのが一番の収穫です。

金少桂 「今回のシリーズは手数と条件数がほど良く、手をつけやすかったです」

RINTARO 「102-3のような作品を解くとまだまだだなぁと実感します」

Pontamon 「上級の解答を、△34角~△67角成で解答するところでした。危ない、危ない。来月は10手3条件特集?さすがにそれは無いか」

斧間徳子 「今月は、3作ともすばらしく、大いに楽しめました」

はなさかしろう 「第100回からの10手の3連打にすっかり魅了されました。条件数が少ない場合は裏推理が利くはずなのですが、裏推理を解禁しても容易に解けない問題が続々登場、推理将棋の華が10手にも及んで来たか、と思いました」

DD++ 「10手は玉方の5回目の着手が可能になるので、見たことない詰形がいくらでも眠っていそうですね」

■10手詰手順は4000万通り以上。未だ未だ奥が深そうです。

波多野賢太郎 「今回は初中級の二問が調子よく解けたのですが、上級で困ってしまいました。この一問ばかり考えていました。私にとっては、ヒントなしでは不倒な問題でした」

NNN 「いつも楽しく解いております。最近はヒントが出てからしか解けてないですね。難しくなったわけではないとは思うのですが」

小木敏弘 「もう一歩深く、検討する姿勢が必要でした」

隅の老人B 「庭の紫陽花に雨。それを横目に推理将棋を解いている。1問、1問また1問。3題が解けても、まだ雨降り止まず。さて、今度は何をしようかな?爺さん、閑居して暇を持て余しています」

変寝夢 「今月はスマートな作品ばかりでしたね。PCでも10手だと全問は厳しいのですが。どの作品も条件設定が絶妙なのですが、締め切り前ヒントはもっと絶妙だったと思います」

■追加ヒントの匙加減は、常連の皆さんが無理なく解けるくらいが適度と思ってます。

布哇斎 「先日、先崎先生のエッセイ『今宵、あの頃のバーで』を読んでいて推理将棋を知り、検索してTETSU様のBlogを見つけました。推理将棋入門がとても面白かったため、今回の出題にチャレンジしてみました。
個別のコメントでも書きましたが、2問目の先手の成駒が先手玉の詰みに活きる流れがとても見事で気持ちいい問題でした。次回もチャレンジしてみたいと思います」

■初解答ありがとうございます。103回以降も挑戦ください。

S.Kimura 「今回は締め切り35分前の解答でした.最後から2番目ぐらいですかね?」

■最後から4番目!でした。締切1時間以内はゴールデンタイムですね。


推理将棋第102回出題全解答者: 23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  NNNさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん
  金少桂さん  小木敏弘さん  小山邦明さん  ジェシーさん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  テイエムガンバさん  DD++さん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  布哇斎さん  変寝夢さん
  Pontamonさん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

当選: S.Kimuraさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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