推理将棋第102回解答(1)
[2016年6月25日最終更新]
推理将棋第102回出題の102-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第102回解説 担当 NAO
第102回に因んだ10手詰2条件特集。23名の解答をいただきました。
102-1 初級 Pontamon 作 2つのフナリ 10手
「10手で詰んだ対局で歩成が2回あったと聞いたけど、本当?」
「歩成りが2回じゃなくて、不成と同歩成の着手があったんだよ」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 10手で詰んだ
- 不成の着手があった
- 同歩成の着手があった
出題のことば(担当 NAO)
同歩成とはどの地点でどの駒を取るのか、推理しよう。
追加ヒント
7段目に不成の歩を8段目で成る。
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推理将棋102-1 解答 ▲6八玉 △8四歩 ▲7八玉 △8五歩 (条件) |
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本作は、"歩不成"から"同歩成"で詰む10手詰です。最終手が"88同歩成"の8筋攻めと判れば一本道の手順ですが、先手の"不成"や7段目の"同歩成"の綾があり、これらを読まされると結構大変です。
解図は、"歩成"で詰む基本手順、『飛車先8筋攻め』と決め打ちで手順を構成していきましょう。
- 後手の手順は、△84歩~△85歩~△86歩~△87歩不成~△88同歩成と一気に8筋に歩を進めると、"不成"と"同歩成"の両方を含む手順が決定。
- 先手は最終手△88同歩成"に合わせ、玉を7筋に移動して9手目▲88Xを目指せばよい。玉を68~78に移動した後は、玉の退路封鎖と角の引き場所を作る▲68銀がぴったり。初手から「▲68玉 △84歩 ▲78玉 △85歩 ▲68銀 △86歩」
9手目▲88角とするため一旦角を引けば"同歩成"の詰みが実現する。7手目から「▲79角 △87歩不成 ▲88角 △同歩成」まで。
- 先手の"不成"の筋は?
先手の"不成"は"歩成"との組み合わせなら可能。ただし、同の付かない"歩成"に限られる。たとえば「▲76歩 △42飛 ▲33角不成 △44歩~△47歩成」の筋。この筋では歩成の直前に47の手が入らず、"同歩成"と先手"不成"は両立できない。また、他に後手が"歩以外の不成"を指す筋もあるが"同歩成"とは両立しない。
- 7段目の"同歩成"の筋は?
"同歩成"だけなら7段目に歩の成る筋がある。たとえば「▲46歩 △42飛 ▲58金左 △44歩~▲47金 △同歩成」の筋。ただし、この筋に"不成"の手は入らず、"不成"と7段目"同歩成"は両立できない。
着手筋が8筋であることを伏せて、"不成"と"同歩成"が同じ駒と思わせない条件が上手い10手詰でした。
それではみなさんの短評をどうぞ。
Pontamon(作者) 「『10手/8段目の同歩成で詰んだ』の1条件では味が無いので、2条件にして味付けしました。"不成"が無い7段目での同歩成(8,10手目)とか、余裕手等で"不成"ができるかを読んでもらえたら成功なのですが…」
■"10手目8段目の同歩成で詰み"であれば、簡素1条件の易しい10手詰です。本作は8筋も8段目も伏せた"同歩成"として、しゃれた推理問題に仕上がりました。
金少桂 「1枚の歩で不成と歩成両方やるとは!この筋の問題に悩まされると不思議と少し悔しさで苦笑い」
渡辺 「これは難しい。同で取られるためだけの角の往復…ところで、最初の条件はフナリじゃなくてナラズですよね。"不成"をフナリと読むのは株式売買用語です。ちなみに株式売買用語には"寄成"もありヨリナリと読みます。これも将棋とは違う読みですね」
■8筋の歩は87に成るのが常識。ところが87フナリでなく87にナラズ。
占魚亭 「手数から玉の詰み位置と後手の手は確定。角と銀のどちらを歩で取るかを考えるだけでした」
山下誠 「8八で取らせる駒を銀と決め打ちして苦しみました。角の往復とは軽い」
■88銀を目指すと動いた角の効きが残って失敗します。
ジェシー 「"同歩成"を実現させる条件って、意外にハードルが高いんですね」
たくぼん 「歩を取って打って・・・と考えているようだとダメですね。3題中最後まで残りました」
斧間徳子 「76歩、44歩、同角、42飛の筋かと思ったら、"同"歩成とできず。超基本形の変形だが、条件が面白い」
■4筋攻めでは以下「53角不成 47飛成~48歩~49歩成」と進む紛れ手順がありますが"同"の手が入りません。
加賀孝志 「ストレートだが角引きに味」
小山邦明 「後手の歩の動きに、先手は何をしているの?という手順」
隅の老人B 「手が滑って87歩生、『待った』は無しですね」
布哇斎 「角を引いて戻す手順が思い浮かばず、銀を上げて取らせる手順とか、駒を打って取って成る手順がないかまで考え始めてしまい、この問題で数日悩んでしまいました。考えてみれば、歩を突いて最短7手で詰む訳ですから、これくらいの無駄な手は当然あり得る訳ですね。気づいてしまえばなぜここで悩むという感じです。
不成と歩成をただ両方するための意味のない不成なのではなくて、成っていたら8手で詰んでいるというあたりが面白いところだと思いました」
■角の往復の2手は全くの無駄手。この2手で最終"同"歩成が実現しました。
S.Kimura 「飛車先の歩を成るのは想像できましたが,同歩成を実現するのが意外と難しかったです」
諏訪冬葉 「歩が成る手順といえばこの手順でしょう」
小木敏弘 「後手の歩が進み8段目で成るならば、この手順しかないと思うが、他に余詰がありそうな気もするが、"同"が効いていてなさそうでもある」
RINTARO 「基本手筋の応用」
はなさかしろう 「さわやかな一直線。手順はひと目ですが、解き終えて、他にはないのか!?となりました。攻めの条件付けですね」
波多野賢太郎 「これは8筋の歩を突いていくという第一感が当たりスンナリ解けました。もし不成の手が先手だったら、なんて考えてみたら、これはこれでいろいろ楽しめました」
飯山修 「不成と成の両方とも歩と考えるかどうか。両方なら8筋しかないので一気。不成を先手にさせようとすると泥沼」
変寝夢 「プラス条件として後手の着手は8筋のみ、全着手は4~9筋で135万局面1分でした。プラス条件なしでは意外と手が広く、PCより人間の方が
早く解けるタイプの問題です」
DD++ 「ひねって考えるとダメなやつだと直感できたので一発。案外これで限定されてるものなんですね」
■歩成=8筋と決め打てば簡単な一本道の手順でした。
正解:23名
飯山修さん S.Kimuraさん NNNさん 斧間徳子さん 加賀孝志さん
金少桂さん 小木敏弘さん 小山邦明さん ジェシーさん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん テイエムガンバさん DD++さん
波多野賢太郎さん はなさかしろうさん 布哇斎さん 変寝夢さん
Pontamonさん 山下誠さん RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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