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推理将棋第104回解答(1)

[2016年8月28日最終更新]
推理将棋第104回出題の104-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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推理将棋第104回解説  担当 NAO

初解答の方を含め23名から解答いただきました。盛況に感謝です。


104-1 初級 Pontamon 作  87銀まで          10手

「この87銀で詰みだね」
「ありゃ、10手で負けちゃった」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 10手目の87銀で詰んだ

出題のことば(担当 NAO)

 87銀で詰む形を推理しよう。

追加ヒント

 68地点で取った銀を87地点に打つ。


推理将棋104-1 解答

▲6八玉 △3四歩  ▲7八玉 △7七角不成
▲6八銀 △同角不成 ▲8六歩 △同角成
▲7九角 △8七銀 まで10手

(条件)
・10手目の87銀で詰んだ

Suiri1041

本作は、最終手を明かす1条件だけで全手順が限定される貴重な短編です。
本作のように"最終手(棋譜表記)指定"のみの1条件で限定される10手詰手順はいくつあるのでしょうか?答えは手順解説の後で。

解図は、唯一の10手目指定"87銀"を鍵に、後手が銀を入手してから銀を打つまでを考えれば、自然に詰手順が導かれます。

  • 銀の入手。後手角の活用は当然だが、銀はどこで入手するか、79か68か。
  • 87の空間。先手が▲86歩と突くか後手が△87歩を取るか。
  • 87へ駒を利かす。87銀への紐が必要だが、当然、角が成った馬を使う。
  • 87銀で詰む最終玉位置は78が有力。玉と角が接近するため角不成で銀を取る。

以上の手掛かりから、手順を構成すると

  • 79で銀を入手する場合:△88角不成~△79角不成~△97角成が有力手順だが、「▲76歩 △34歩 ▲68玉 △88角不成 ▲78玉 △79角不成 ▲86歩 △97角成 ▲68飛 △87銀」では、77に退路があり失敗。
  • 68で銀を入手する場合:△77角不成~△68角不成~△86角成が正解手順。
    後手が攻める10手詰になると早い玉移動が可能。、初手から「▲68玉 △34歩 ▲78玉 △77角不成」

先手は68で銀を渡し、87地点を空けて協力。5手目から「▲68銀 △同角不成 ▲86歩 △同角成」
最後は玉退路を角引きで塞いで銀打ち。9手目から「▲79角 △87銀」まで。

簡素な最終手1条件ながら、先後とも手順前後を許さない緩みのない手が続いてぴたり10手で決まりました。

最終手の棋譜表記のみ指定で手順が限定されるのは非常に希であり、4000万通り以上ある10手詰手順の中で、本作を含めたったの2通りしかありません。もう一作は101-1 渡辺秀行 作「75飛まで」です。

また、102-1 Pontamon 作「2つのフナリ」の詰手順は『10手目の88同歩成で詰んだ』と最終手1条件で限定できます。(棋譜表記の"同歩成"では別解あり)これを含めても最終手指定の10手詰は僅か3通りだけです。

以上は、作者Pontamonさんからいただいた情報でした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

Pontamon(作者) 「101-1では68地点で飛を取って75飛まででしたが、金を取って75金までの詰みもあります。同じく68で取れる銀ではどうかを考えてできた作品です。第102~104回の拙作は、全て初手68玉で3手目78玉。役割は違いますが、本作には前二作にあった68銀からの79角引きや86歩突きが含まれていました。先手の指し手は似ていても終局図は違ってくるものですね」

■作者の10手詰は、いずれも切れ味が鋭い。ますます腕を上げましたね。

布哇斎 「難しい訳ではないけど、ちゃんと考えどころもあって気持ちよく解ける問題でした。3手目▲78玉で4手目△77角不成を回避する筋が見えるかというところでしょうか」

■3手目▲78玉は10手詰の特急券。

渡辺 「これは私にとっては懐しい形。2010年mixi年賀推理(発表作ではないのでお気になさぬ様)で20手と10手のペア(連立)を作った際、10手の方が本問の手順」

■渡辺さんのmixi連作は担当も作者も類作調査から抜けておりヒヤリとしました。

はなさかしろう 「痺れました。操られるように手が続き、一瞬で解けてしまいながら、詰め上がりは目の覚める美しさ。10手畏るべし、この条件でこんな素晴らしい詰みがあったんですね」

斧間徳子 「やさしい1条件の短編の好作。第1問に最適」

小峰耕希 「最少にして最大のヒント、87銀」

加賀孝志 「ヒントはスッキリと」

■簡素条件の易問は推理将棋のお手本です。唯一条件87銀に手掛かりが多く含まれていました。

占魚亭 「どこで銀を取るか分かれば。成生情報を入れないスマートな条件設定でいいですね」

ほっと 「"87銀"に成も不成も付いていないので、銀を打つ手。したがって、後手は銀を取っており、また87に空間を作る手が必要……と考えて解決。論理的に解けるのは好みです」

■87への成、不成を許容しても別解はありません。87に紐を付ける1手が不足しますので。

攻めダルマン 「条件も1つで手もかなり限られてるので考えやすくてよかった」

波多野賢太郎 「素直で易しかったです。この条件で手順が限定されるのがいいですね」

山下誠 「この手順に限定されることが不思議な程シンプルな条件ですね」

小山邦明 「1条件でこんな面白い手順が限定できるとはすばらしい」

■1条件作品は手掛かりが少ない点、難しくなる傾向がありますが、本作は唯一条件がほどよい手掛かりになり、解きやすい好作品です。

RINTARO 「最終手のみの条件の作品は貴重だと思います」

桝彰介 「最終手のみで全ての手順が限定される問題は美しいです」

■最終手のみ条件の作品は、10手詰に限らず希少価値が大。

DD++ 「97馬型かと思って少し考えましたが、77が塞がらないのでこっちですね」

たくぼん 「初めてみた詰上がりかも・・・」

■希な条件と希な詰形の組み合わせ。

隅の老人B 「簡単に解けると感想を書くのが難しい。さて、どの手を褒めようかな」

小木敏弘 「王様の周りを不成で動く角と、逃げ道封鎖と銀打ちを可能にする角引き、角の活躍が見事です」

飯山修 「86歩が絶妙。1条件作品の手本」

S.Kimura 「79角で玉の退路を防ぐのは基本手筋ですね」

■後手の68角不成~86同角成、先手の86歩~79角、いずれも無駄のない引き締まった手順です。

諏訪冬葉 「ヒントを見るまで銀は79で取ると思っていました」

原岡望 「ヒントで助かりました」

■初級の追加ヒントで解答者が増えるのは喜ばしいことです。


正解:23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  小木敏弘さん
  小峰耕希さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  原岡望さん  布哇斎さん  ほっとさん  Pontamonさん
  桝彰介さん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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