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推理将棋第103回解答(3)

[2016年8月2日最終更新]
推理将棋第103回出題の103-3の解答、第103回出題の当選者(小山邦明さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第103回出題  推理将棋第103回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


103-3 上級 チャンプ 作 美野樫9兄妹の一局(その11) 14手

健一「隆二に負けず劣らず七海もやるじぇねぇーか」
七海「わたくしは何も・・・隆二さんのおかげです・・・」
四郎「その謙虚なところが七海らしいね」

健一「さぁみんな、このまま突き進もうぜ」
隆二「ああ、最初から優勝しか考えてないからな」
八重「九美、決戦に備えて少し稽古をしましょうか」
九美「かしこまりぃー!じゃあ次はウチ達お休みねぇー」
健一「ん・・・?なんだか浮かない表情だな源三」
源三「いやいや、みんな気合入っとるなー思うてな」
六実「源ちゃん、次は私と一緒にやってみよ~よ~」
圭五「おー?また新たなゴールデンコンビの結成かー?」
源三「わしなんかとでホンマにエエんか?」
六実「ちょうど指したくてウズウズしてたところよ~」
隆二「じゃ、二人に任せたぜ」

六実「私たちの後手よ~」
源三「(わしだけいつまでもこんなんやアカンな)」
源三「おっしゃ行くで六実」
六実「任せて~」

・・・対局開始・・・

健一「おー、豪快に仕留めたみたいだぜ」

源三「スマンスマン、勝つのに14手も掛かってもうわ」
源三「成る手あれへんかったんが原因やろか」
六実「それでも二人交互に指しての大勝利よ~」
源三「今思えば、わしと六実1回ずつ同じ段へ駒打ったんやな」
源三「そや、11手目の▲28銀は問題やったんとちゃうか?」
六実「私たちの迫力に圧されたって感じ~?」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 14手で詰んだ
  • 後手は3筋と6筋の手を交互に指した(初手は3筋か6筋のいずれか)
  • 成る手はなかった
  • 後手は3、6筋に1回ずつ同じ段に駒を打った
  • 11手目は▲28銀

※美野樫家の将棋ルール
名前につく漢数字=着手筋の担当
・本作品の場合、源三が3筋を、六実が6筋を各々担当


出題のことば(担当 NAO)

 3筋と6筋、二つの筋の効率のよい駒の活用方法を推理しよう。

追加ヒント

 後手は2手目6筋から指し始める。3筋には角を打ち、6筋には飛を打つ。

おまけヒント

 初手▲76歩、2手目△62飛。

修正

 『同じ段へ2回駒を打った』→『後手は3、6筋に1回ずつ同じ段に駒を打った』に修正


推理将棋103-3 解答  担当 NAO

▲7六歩   △二飛  ▲3三角不成 角
▲6六歩   △ 角  ▲6八飛  △三角
▲6三飛不成 飛  ▲2八銀   △3九角
▲5八金左  △6九飛打 まで14手.

(条件)
・後手は3筋と6筋の手を交互に指した(62飛 33同角 66同角 33角 63同飛 39角 69飛打)
・成る手はなかった(3手目▲33角不成 9手目▲63飛不成)
・後手は3、6筋に1回ずつ同じ段に駒を打った(12手目△39角 14手目△69飛打)
・11手目▲28銀

Suiri1033

本作は、美野樫兄妹シリーズの第11問。源三と六実の兄妹のコンビで戦います。その10と同様の二人指しで離れた筋を交互に指していきますが、詰みの形が見えにくい難問でした。

同じ段の3筋と6筋に駒を打ったことを手掛かりに手を進めます。

  • 14手のうち後手の着手は7回。着手筋は3-6-3-6-3-6-3か、6-3-6-3-6-3-6の順のいずれかで、最終14手目の着手筋は後手最初の着手2手目と同じ。最終手が3筋で詰む形は想定しづらく、後手は2手目6筋から指し始め14手目6筋の着手"69飛打"で詰む形を目指す。
  • 3筋と6筋に1回ずつ駒を打つので前半に少なくとも2回の駒取りがある。うち1回は33に角を活用。また、2手目は後の飛活用の準備のため△62飛。初手から「▲76歩 △62飛 ▲33角不成 △同角」
  • 11手目▲28銀のために先手は飛を動かす。この飛を後手に取らせるには先手の歩も取らせる必要があり、5手目から「▲66歩 △同角 ▲68飛 △33角」と進める。飛を取らせる位置は63,64,66の3地点が可能だが、後手飛車を効かすよう63地点に決定。9手目から「▲63飛不成 △同飛 ▲28銀」
  • 以下は9段目に角、飛を打って詰み。12手目から「△39角 ▲58金左 △69飛打」まで。

出題時の修正前「同じ段へ2回の駒打ち」では、34角~67角や36角~69角の筋違い角を活用する余詰め筋が生じていました。

(修正前の余詰1、ご指摘は渡辺さん。Pontamonさんの余詰解も同様の筋)
▲76歩 △62玉 ▲33角生 △同角 ▲38飛 △64歩 ▲48玉 △34角
▲59金右 △67角生 ▲28銀 △34歩 ▲56歩 △66角 まで。
※4段目34への駒打が2回。2手目,6手目等、非限定多数。

(修正前の余詰2、ご指摘は渡辺さん)
▲76歩 △62玉 ▲33角生 △同角 ▲48飛 △66角 ▲46歩 △36角
▲66歩 △69角生 ▲28銀 △36角生 ▲16角 △69金 まで。
※6段目の駒打が先後各1回。2手目,13手目等、非限定多数。
また、13手目▲39角とすると9段目の駒打が先後各1回。

(修正前の余詰3、はなさかしろうさんの余詰解)
▲76歩 △64歩 ▲33角生 △同角 ▲36歩 △63角 ▲46歩 △36角
▲39歩 △69角生 ▲28銀 △36角生 ▲39歩 △69金 まで。
※9段目の駒打が先後各1回。

それではみなさんの短評をどうぞ。

チャンプ(作者) 「いやはや余詰むものですね(苦笑)その10と11を見直してみると、条件が緩く、指し手の自由度が高すぎたため余詰みが生じてしまったと反省しております。さて、このシリーズもいよいよ後半戦突入です。最後まで気長にお付き合い頂けたら幸いです」

渡辺 「飛角共ぶつかりに行って取られる感じがコミカル」

DD++ 「39飛までは無理そう、ならば最終手は6筋だろうと2手目62飛を指す、ここが一番難しい。すると66角は邪魔駒になるが39角と銀を取るわけにもいかないので33角と戻って放置する決断ができればそこからは詰みまでまっすぐ」

Pontamon「駒打ちは先手と後手で1回ずつかと思っていて、後手が駒打ちを2回するなら、手に入り易い角と歩だと思い、余詰み手順を見つけたところ、その日に条件が修正されていて、私にとってはかえってハードルが高くなりました。2枚取って2枚打つだけで4手。角は取るとしてもう一枚は飛金桂のどれなのか…。必要手として34歩もありそうだから残りは2手で、角移動か?
予想は外れ、後手は大駒着手だけで3枚も駒を取るとは驚きの手順でした。前回は飛車の往復で今回は角の往復の趣向が面白く、詰み上がりの飛角の配置が綺麗な作品ですね」

小山邦明「収束形が見えないと非常に解きづらい問題ですね。いろいろな手順を考える事のできる良問だと思いました」

■2手目△62飛がわかるまでが難解。69飛打で詰む形を予想して飛車を後手に渡す手順が浮かぶかどうかが解図の鍵です。

隅の老人B 「"同じ段に駒を打つ"、この段を何故か3段目と思い込んで大苦戦。
成人学校で国語の勉強をする必要あり、ですね。今更かな?」

たくぼん 「同じ段と言われると中段を予想してしまいますね。9段目とは恐れ入りました」

S.Kimura 「駒打ちは4段目を予想していただけに,おまけヒントの2手目62飛の意味を理解するのに,かなりの時間を要しました」

■余詰め筋にあったように4段目、6段目の駒打ちも際どい形がありました。

山下誠 「後手6二飛を有効にする先手の手は6三飛、先手2八銀を有効にする後手の手は3九角か3八角、とあたりをつけました。最後の3三角は無駄手に見えて発見に苦労しました」

波多野賢太郎 「難解で、一回目の締切前ヒントでどうにか解けました。詰上がりが全く浮かばず、とりあえずやってみようで考え始めて弱りました。後手2手目が3筋でも6筋でも先手角を4手目に取れるので、序盤から手順が絞れなかったのも大変でした。また、後手は角を打って駒取をするんだと思ってました。2手目の6二飛はなるほどなぁという手でした」

飯山修 「6筋から始まる順はひっかけと思い確かめると39角を先手が指す順を発見。なるほどこれが余詰順と納得したが肝心の3筋から始まる作意が全く判らない。よって直前ヒント待ち。6筋が先と知り愕然」

斧間徳子 「後手の飛が働く順は思いつきにくい」

占魚亭 「飛車の取り方と詰み形の予想がたたず苦戦。66歩~33角とは上手い手順があったものですね」

諏訪冬葉 「後手に飛車角を取らせるまでで10手消費。残る2手で飛車角を打ったら詰んだ」

■最終型が想定できて初めて指せる2手目△62飛。6筋から指し始める"限定手だから△62飛"との裏読みはなかなかできません。

はなさかしろう 「△69金or飛が圧倒的に詰ましやすいのですが、最初に△64歩からの筋が見えてしまったせいか、無理な3筋からの展開を読みに行ってしまい、▲63飛不成の筋はヒントを見るまで一瞬も考えませんでした」

小木敏弘 「おまけヒントでやっと解けました。飛車を63で取る筋が見えませんでした」

金少桂 「追加ヒント、おまけヒントのおかげでなんとか解けました!11手目28銀の意味が最後の最後にようやくわかってスッキリ。初めて見る詰め上がりも面白い」

■追加ヒント投入後も解答数が伸びないときは、おまけヒントを出していきたいと思います。

布哇斎 「最終ヒントまで、そもそも詰み形が見えませんでした。2手目△6二飛から、6筋の2枚飛車で詰ませる(=玉は5筋)、手順の非限定が発生するため△6四歩を突かない(=6三の歩は角ではなく飛車が取る)の二つを決め打ちで読んで漸く解けました。これは難しいです。
ちなみに、(初手は3筋か6筋のいずれか)から、先手の1手目は3筋か6筋なのかと思っていました……」

■条件から読み間違えることはないですが、後手の指し始め"2手目"を初手と表記したことは紛らわしかった。今後気をつけます。


正解:17名  双方解:はなさかしろうさん Pontamonさん 渡辺さん

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  金少桂さん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  布哇斎さん
  Pontamonさん  山下誠さん  渡辺さん


総評

Pontamon 「久々の通常出題の回でしたが、易しいものから難しいものまでバランスの取れた回だったと思います」

小木敏弘 「いろいろなレベルの問題があり、楽しめました」

布哇斎 「初級、中級、上級と、ランク通りに所要時間が増えていきました。
中級まではヒントが出る前に解けましたが、上級ノーヒントクリアへの道はまだまだ遠そうです」

■今回は、難度がはっきりと初級<中級<上級となるよう出題しました。10手詰以下の特集が続いた後なので、難解に感じられたかもしれません。

波多野賢太郎 「今月もかなり難しかったです。そんな中でのサラッと解ける初級問題は本当にありがたいですね。渡辺さんの作品は、条件がシンプルでわかりやすく、いつも凄いなぁと思いながら解いています」

斧間徳子 「103-1と103-2は、既成手順でも条件次第で新作となることを改めて示した好作でした」

DD++ 「12玉や98玉の馬単騎は昔はよく出題されていましたが、比較的新しい人には逆に新鮮なのかもしれませんね。同じように古典のバリエーションで冬眠したままの手順がいくつかありそう」

■既往の形でも、条件次第で再生可能。古典手順のご投稿も歓迎します。

はなさかしろう 「待ち手というのが正式名称なのでしょうか、遊びの手が入る問題は難しいです。103-2は最終手のみで限定できる緻密な手順がシンプルで美しく、個人的な不備を衝かれたのも面白かったです。103-3では、玉方が玉の左側の筋を飛車で突破する詰みは11手、という先入観があって、14手では試してみる気がしなかった、というところがあり、手数が伸びると格段に難しくなると思いました」

隅の老人B 「1と2は簡単に解けたが、3は苦戦でヒント待ち。ヒントを読んで、今日は猛暑日、額に汗の1時間。ようやく解けたぞ。ク-ラ-をONにすることを忘れていましたね」

加賀孝志 「暑い。お体大切に!」

S.Kimura 「今回の問題は難解で,初級しか解答できないと諦めていましたが,
おまけヒントで救われました.ヒント追加を要望して下さった方に感謝します」

諏訪冬葉 「今回は第2ヒント待ちでした。正直な話、追加ヒントがなかったら中級はあきらめていました」

占魚亭 「3が難しかったです。ギブアップ寸前でしたが、なんとか解けてひと安心」

攻めダルマン 「今回は1問だけですがよろしくお願いします」

■難易織り混ぜての出題ですが、ヒントを活用ください。もちろん1題だけの解答も歓迎します。

たくぼん 「推理将棋出題も100回を越え盛会ですが、WFPも今年10月で100号となります。100号記念として1人1作作品展等企画しておりますので、推理将棋作品でも受付ますので是非ご参加お願いします」

■WFP記念号への推理将棋作品の投稿もよろしく。


推理将棋第103回出題全解答者: 19名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  金少桂さん
  小木敏弘さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん
  攻めダルマンさん  占魚亭さん  たくぼんさん  DD++さん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  布哇斎さん  Pontamonさん
  山下誠さん  渡辺さん

当選: 小山邦明さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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