大道棋よもやま話 第30回 誘い手の多い類型
[2016年10月26日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2015年6月号掲載
大道棋よもやま話 第30回 誘い手の多い類型 加藤 徹
前回紹介した大道棋インデックスと大道棋類型辞典完全版を入手したいとのお便りをいろいろな方からいただきました。
著者としてはうれしいことですが、大道棋インデックスは詰研の森田さんに作成、販売していただいたもので、私のところには在庫がありません。
また、類型辞典は賞品用に作成した1冊ずつの手作り本で、こちらもそれ以外の残部がありません。将来的には内容もブラッシュアップして販売用の類型辞典を作成するかもしれませんのでそれをお待ちください。
さて、今回も一つ珍しい類型を紹介します。大道棋が紹介されている本を古本屋で見つけたと、坂東仁市さんから「新しい詰将棋撰集」(益田正勝著)という本を送付いただきました。ありがとうございます。
この本では大道詰将棋虎の巻と題して香歩問題や金問題、双玉問題など8題を解説しています。ほとんどは有名な問題ですが、1題だけ珍しい問題が掲載されています。
双玉なし6の類型で森昭生氏の作品(双玉集第60番)。形は今一つですがいろいろなレベルの誘い手があり、パラ出題時には多くの誤解者がでました。
誘い手の数、類型辞典でもっとも多い誘い手を解説しているのは双玉なし1類型の8種類。もっと多い類型ができないかと考えて、よもやま話第1回でも紹介した、なし4類型の双玉版を改良してみました。
客寄せ級の手数ですが、誘い手たくさん。詰工房や解答選手権の打ち上げで出題したら解答強豪が続々奉納(正解はおもちゃ箱参照)。チャンピオン戦でも1題ぐらい大道棋を混ぜるとおもしろいかもしれませんね。
◇大道棋29 加藤徹 正解
A84銀、94玉、B83銀不成、93玉、C75馬、同飛、94歩、同馬、82銀不成迄9手。
A94歩、同玉、76馬、85飛合で逃れ。
B76馬、85歩合で逃れ。
C92銀成、94玉、76馬、85歩合、93飛、84玉、85香、74玉、94飛成、73玉、
83香成、62玉で逃れ。
Aの飛合の逃れ順がおもしろい。あの奥薗幸雄氏も、興味を持ったか、この類型の問題を創作している。
本作はシンプルな打歩詰打開問題。そう思えば簡単だが、先にCの紛れに踏み込んだりすると苦戦する。
誘い手が多くない類型では、正解手順は誘い手以外のところで作るべきで、類型元祖の阿部一二作もそこは押えている(初手23香成以下)。
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答37名、全員正解 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋30 加藤徹
なし4改良型の10手台の客寄せ問題。86馬という手も加わって誘い手満載。さて、正解は?
解答は6月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で1名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)詰棋めいと第27号掲載の大道棋類型辞典は下記で見ることができます。
注2)大道棋類型辞典 完全版は、2016年10月現在、大道棋よもやま話の賞品としてだけでなく、おもちゃ箱の展示室や推理将棋の賞品としても選択できます(在庫がなくなったら終了)。
注3)大道棋類型辞典や大道棋インデックスでの類型名は 香歩① のようにマル付き数字を使用していますが、端末によっては表示できないので、ここでは 香歩1 のようにマルなしの数字にしています。
注4)「新しい詰将棋撰集」(益田正勝著)の本当の著者は野口益雄さん。
注5)上記のドキドキ展示室No.44の解説はこちら。
注6)上記の大道棋29の解説および全短評はこちら。
注7)上記の大道棋30の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
| 固定リンク
コメント