« 詰将棋メモ(2016年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2016年11月29日) »

推理将棋第107回解答(1)

[2016年11月28日最終更新]
推理将棋第107回出題の107-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第107回出題  推理将棋第107回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第107回解説  担当 NAO

久々7手詰基本手順からの出題が功を奏し、多数の皆様23名から解答いただきました。


107-1 初級 はなさかしろう 作  7322      7手(2解)

「7322? 暗証番号にしては扱いが不用心だね。あぁ、Eテレの夜中の番組か」
「それは2355だろ。7322はさっきパズル同好会の二人が指した将棋のメモさ」
「あぁ、遊びに来てたね。一勝一敗とか言って、あっという間に帰ったけど」
「どちらも7手で詰んだからね。それから、32への着手があったのも共通している」
「ということは、最後の2は手順が二通りの2か。ところでこれってパズルなの?」
「さぁねぇ。二人に聞いたら逆に、どう思う?って聞き返されたよ。なんでも、パズルというのは結局のところ、面白いかどうかが大事なんだって」

さて、どんな将棋だったのでしょう? 手順を二通り答えてください。

(条件) 以下を満たす手順が二通り

  • 7手で詰んだ
  • 32への着手があった

出題のことば(担当 NAO)

 7手の基本詰手順を思い出して推理しよう。

追加ヒント

 32地点の着手はいずれも後手。
 「4手目△32玉」と「6手目△32銀」


推理将棋107-1 解答

解1:

▲2六歩 △4二玉 ▲2五歩 △3二
▲2四歩 △4二飛 ▲2三歩成 まで7手.

解2:

▲7六歩  △5二玉 ▲3三角不成 △5一金左
▲同角不成 △3二銀 ▲4二金 まで7手.

(条件)
・32への着手があった(解1:4手目△32玉、解2:6手目△32銀)

Suiri1071a
Suiri1071b

本作は、同一条件で"複数解"を求める作品。短手数かつ簡素な1条件で条件を示しており、入門用に最適な出題です。

7手詰は全29手順。基本手順をお復習いすれば解にたどり着きます。

  • 32に着手といえば、"32玉に23歩成"の7手詰の基本手順が1解め。初手から「▲26歩 △42玉 ▲25歩 △32玉」で32着手。以下「▲24歩 △42飛 ▲23歩成」まで。
  • もう1解の32着手駒は何か?もしこれが9手詰なら、32地点着手は後手の飛金銀や先手の角馬などいろいろあるところ。ここでは7手詰の基本型をお復習いすると、7手詰の止めの一手は、"23歩成"に加えて、"31角成(馬)"、"53への銀打ち"、"42,52,62への金打ち"、これで全て。32地点に着手するもう一つの解は51で金を入手する手順。初手から「▲76歩 △52玉 ▲33角不成 △51金左 ▲同角不成」以下、32地点着手で銀の効きを外して"42金"が止めの一手「△32銀 ▲42金」まで。

すぐ浮かぶ▲23歩成の筋と、少考してわかる△51金左~▲51同角不成~▲42金の筋。基本手順、簡素条件の好作品は二度楽しめました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう(作者) 「『いずれの解も、他の解手順を除けば、与えられた条件で必要かつ十分に規定されている』という状態を"完全複数解"と定義してみました。ところが、実際にはなかなか達成できず、原点の7手に戻ってようやく見出したのが本問です。いわば完全2解の原理問題、簡素が取り柄です」

■安易な複数解では余詰のイメージがありますが、本作品は明確な狙いがあります。簡素1条件で、"他の解を除けば、もう一解を得る"原理問題。他方と全く異なる手順の対比を楽しめます。

ほっと 「せっかく入門用のシンプルな条件なのだから会話ももっとシンプルにすべき」

■ごもっともです。1条件ですからシンプルな会話がマッチしていました。

Pontamon 「久々に7手詰め29手順の復習。頭の中では9手詰め手順と混ざっていて、もっとありそうな気がしましたが、7手だとこれら2手順だけなんですね」

DD++ 「秒殺できずに7手の全29解書き出すハメになりました。1番目と29番目で2解でした」

■先手からの32馬や後手の32金がありそうでなかった。

渡辺 「最初(解1)の方はすぐなので後者(解2)は対の手順が72の着手になる成生限定モノを考える。7手は対手順が多いから「2解」から32に指す対手順を探そうとする裏をかいた、というのが作意でしょうか?32→72だと72金であふれかえります」

■72地点着手が銀なら1通りですが、72金の手順が12通りもありますね。

原岡望 「(解2)こちらは分からずカンニングしました」

小山邦明 「(解2)手順の金を渡す手順はうまいですね」

たくぼん 「7手の順ってすっかり忘れてますね。(解2)51角生の順を思い出すのに時間が掛かりました」

まさ 「42金までの形を思い出すのに少し手間取った」

■42金と言われると51で取って打つことが連想できますが、32着手ではなかなかわかりません。

隅の老人B 「(解1)初手は素直に26歩、これでOK。さて、2解目は?(解2)攻手は巧妙、応手も巧妙。敵味方、仲良く協力、これが肝心」

小木敏弘 「(解1)これは無難に解けました。(解2)結構悩みました。51で駒を取るのが楽しい」

S.Kimura 「(解1)32への着手という条件から真っ先にこれを思い浮かべました.
(解2)51角不成の筋が思い出せず,こちらの解がなかなか出てきませんでした」

RINTARO 「(解1)32玉の7手といえばこれしかない。(解2)32銀の7手がこれしかないのはちょっとした驚き」

諏訪冬葉 「前者(解1)は好きなパターンなので簡単でしたが後者(解2)が気づきませんでした」

布哇斎 「(解1)歩突きからの歩成はさすがに簡単。もう一つ(解2)は、金取りをあまり考えていなかったので少々時間がかかりました。見た形だとは思うのですが、出題のされ方で印象が変わるものです」

斧間徳子 「32玉の方(解1)は瞬殺でしたが、32銀の方(解2)は32の金か飛を取ることを考え、少考してしまいました。たまにはこのような入門向けの出題も入れると良いと思います」

山下誠 「(解1)基本的な詰み形をすっかり忘れていました。(解2)3二銀のタイミングが大事ですね」

■手順の対比と難度の対比、両方を味わっていただきました。

波多野賢太郎 「これはすぐにわかりました。入門用にぴったりですね。ちなみに私は角不成の筋の方(解2)が先に浮かびました。少数派ですかね?」

■解2が先に解けたのは少数派に間違いありません。

占魚亭 「基本の2手順ですね」

くるぼん 「基本問題だが、基礎知識がないとてこずる?」

加賀孝志 「(解1)古典に入る」

飯山修 「7手の作品がまだ問題になるんですね。」

■推理将棋は「条件変われば別作品」扱いです。既出の手順でも条件の示し方次第では新作になります。7~9手の基本手順や"古典"を再利用した作品の投稿も歓迎します。


正解:23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  くるぼんさん
  小木敏弘さん  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん
  たくぼんさん  DD++さん  テイエムガンバさん  波多野賢太郎さん
  はなさかしろうさん  原岡望さん  布哇斎さん  ほっとさん  Pontamonさん
  まささん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

|

« 詰将棋メモ(2016年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2016年11月29日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

はなさかさんの「完全複数解」の定義の意味がいまひとつ分っていません。
ある条件を満す手順が、丁度n通りになった場合、その条件は「完全n解」と言えますか?

たとえば、下記の作品は「完全2解」なのでしょうか?
http://toybox.tea-nifty.com/memo/2016/01/post-572a.html

投稿: 渡辺 | 2016.12.02 23:17

例は97-1ですね。これは「完全2解」ではないと考えています。

A解(21角生まで)は、もしB解が存在しなければ、「11手/積が2016/玉寄りに対して唯一の成で応じた」・・・(a)が必要十分条件。
B解(31飛成まで)は、もしA解が存在しなければ、「11手/積が2016/玉寄りがあった/成1回」・・・(b)が必要十分条件。

(a)≡(b)の場合を「完全2解」と定義してみました。97-1の場合、(a)⊂(b)なので、B解に対して過剰な条件が付いています。

論理的な必要十分と言語的な最簡潔とは違いますし、
どこまで違っていれば「バラエティがある」と見なせるのかも曖昧なので、
定義は厳密なものではありませんが、目指すところとしては、「どの解に対しても贅肉のない共通条件」です。

投稿: はなさかしろう | 2016.12.03 02:41

なるほど、Aの方だけ手順前後が発生している訳ですね。

これも「感覚的な」話になりますが、2つ(n個)の手順の間に「成生」「手順」などの「細かい非限定」を限定させる条件に差がない場合、と言えそうですね。

投稿: 渡辺 | 2016.12.03 07:22

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22735/64555119

この記事へのトラックバック一覧です: 推理将棋第107回解答(1):

« 詰将棋メモ(2016年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2016年11月29日) »