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推理将棋第106回解答(3)

[2016年11月5日最終更新]
推理将棋第106回出題の106-3の解答、第106回出題の当選者(布哇斎さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第106回出題  推理将棋第106回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


106-3 上級 チャンプ 作 美野樫9兄妹の一局(その14)  13手

健一「さすがに四郎は無駄がないな」
四郎「詰み形の分析をしてたら偶然思い付いただけだよ」
七海「・・・その謙虚なところが四郎さんらしいですわ」

源三「いよいよ決勝やな、ここまで来たら優勝するで」
隆二「でもまぁ最後は兄貴に任せるぜ」
健一「ん?お前たちはいいのか?」
八重「各々方、御館様のご出陣よ」
九美「みんなで応援してるからねぇー」
七海「陰ながらお祈りしてます」
六実「健ちゃんファイト~!」
圭五「兄貴、みんなで優勝カップ掲げようぜー」
健一「粋なこと言ってくれるじゃねぇか・・・よし、俺に任せろ!」

七海「そろそろ始まる模様です」
六実「最後ぐらいみんなで見に行こ~」

健一「俺の先手だな、さあ行くぜー」

・・・対局開始・・・

四郎「見てるだけとはいえ緊張するね」
源三「相手さん3筋の着手が多いんとちゃうか?」
七海「・・・察するに今の着手で4回目かと」
八重「あと不成の手がないわね」
隆二「小細工は不要ってとこだろな」
圭五「それにしても互いに一度走り終えた駒は動かねーな」
九美「でもなーんか健にぃのペースって感じだよぉー?」
六実「あ、健ちゃんが13手で勝ったわ~!」
一同「(歓喜)」

健一「お前たちの応援のおかげだな、ありがとよ」
健一「さあ、表彰式が始まるみたいだぜ」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 13手で詰んだ
  • 先手は1筋の着手のみ
  • 3筋への着手が4回あった
  • 不成の手は無かった
  • お互い一度動きを止めた駒は二度と動かすことが無かった

出題のことば(担当 NAO)

 1筋の着手だけで詰む形を推理しよう。

追加ヒント

 後手玉は25地点で詰まされる。


推理将棋106-3 解答  担当 NAO

六歩 △四歩 ▲五歩  △五歩
四歩 △4二玉 ▲三歩三玉
八飛 △四玉 ▲四飛  △2五玉
七桂 まで13手.

(条件)
・先手は1筋の着手のみ(16歩~15歩~14歩~13歩成~18飛~14飛~17桂)
・3筋への着手が4回あった(△34歩~△35歩、△33玉~△34玉)
・不成の手は無かった(7手目▲13歩成)
・お互い一度動きを止めた駒は二度と動かすことが無かった(先手:16歩~15歩~14歩~13歩成、18飛~14飛。後手:34歩~35歩、42玉~33玉~34玉~25玉。)

Suiri1063

本作は、美野樫兄妹の長兄、健一が一人だけで1筋端攻めして勝つ作品。一つの筋で攻める作品は美野樫兄妹シリーズ中に、八重(89-3)、圭吾(92-2)、九美(95-3)、四郎(105-2)とそれぞれ一人で勝ち抜いてきましたが、大会の決勝戦では健一兄貴が戦います。指し手の限定が厳しく、やや易しめの上級問題です。

13手を先手の7手と後手の6手に振り分けると、3筋の着手4手は全て後手の着手。これを手掛かりに詰み形を推理します。

  • 後手玉が1筋に近づくには、3筋以外の後手の残りの2手を玉に使うしかない:△42玉~(△3X玉)~△2X玉と進めたい。玉が1筋方面に向かうとき、角や桂が邪魔なのでどかす手がいる。たとえば、以下の二つの手順が第一感。
    A.△34歩~△33角~△42玉~△32玉~△22玉~△32金(飛)
    B.△34歩~△33桂~△42玉~△32玉~△21玉~△32金(飛)
    いずれも、3筋の着手4回なので条件通りで本筋を思わせる。
  • 一方、2筋の玉を捕らえる先手の攻めは、たとえば
    (P)▲16歩~▲15歩~▲14歩~▲13歩成~▲12と~▲11と~▲12と(香成)
    が一例。一見、先手(P)と後手Aを組み合わせればよさそうだが、
    「▲16歩 △34歩 ▲15歩 △33角 ▲14歩 △42玉 ▲13歩成 △32玉 ▲12と」の後、と金の効きで△22玉が反則になる。"不成の手なし"の条件のため、と金に近い2筋に移動できない。
  • それでは"と金"の効きのない中段玉はどうか。以下の手順で後手玉が24か25地点へ進む。
    C.△34歩~△42玉~△33玉~△24玉(+3筋の手2回)
    D.△34歩~△35歩~△42玉~△33玉~△34玉~△25玉
  • 中段玉には、歩成の後に飛を捌く攻め。
    (Q)▲16歩~▲15歩~▲14歩~▲13歩成~▲18飛~▲14飛(+1手)
    これをCと組み合わせると、24玉に対し14飛の王手は掛かるものの詰みには至らない。そして、先手(Q)と後手Dの組み合わせが唯一詰みに至る手順となる。
    先手は端歩を突き進めて成り、後手は3筋の歩を続けて付いた後、3筋に玉を移動する。初手から「▲16歩 △34歩 ▲15歩 △35歩 ▲14歩 △42玉 ▲13歩成 △33玉」次いで先手は飛車を活用し、後手は中段に玉を移動する。9手目から「▲18飛 △34玉 ▲14飛 △25玉 ▲17桂」まで。止めは桂跳ねがぴったり。

桂跳ねは飛への香の効きを遮りますが、飛には"と金"の紐がついている仕掛けです。注目の決勝戦は、お見事健一兄貴が一人で勝利を収めました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

チャンプ(作者) 「このシリーズ創作の当初より決勝戦は健一に任せる構成を思い描いていました。決勝に会心作を用意していたわけではありませんので悪しからず(笑)飛と桂で挟む詰め上がりは八重の回(89-3)に続いて2回目になりますが、8筋と1筋では少し印象が違うかと思っています。
さて、9兄妹の戦いは見事優勝という形で幕を閉じました。最終回は全員参加の余興となります。最後までお楽しみ頂けたら幸いです」

ほっと 「22玉や21玉を詰ます筋に嵌まりまくる。作者の狙いどおりか。それにしても予選3連勝の後、11連勝してやっと優勝とは、どれほどの規模の大会なのだろうか(笑)」

■たしか"町の将棋大会"でしたね。どれほど大きな"町"なのでしょう(笑)

加賀孝志 「詰め上がり気に入りました」

はなさかしろう 「優勝おめでとうございます。1三のと金が利いていて、好い詰形ですね」

■桂跳ねで香の効きがなくなる分、と金の紐付けとは洒落てます。

RINTARO 「最初に解けました。1筋だけの攻めは考えやすいです」

小木敏弘 「面白いヒントが多く解きやすかったです。3筋の歩の二回突きと桂で仕留めるのが妙味でした」

原岡望 「ヒントでぐっと易しくなる。なぜか3から先に解けた」

■指し手の選択肢が少なく、上級としては易問でした。

Pontamon 「3筋への着手4回の条件が厳しくて、1~2段玉での詰み形がいくつかあっても3筋着手は3回止まり。手順前後が出来ない3筋の手順を裏読みして解きました」

隅の老人B 「同じ駒は二度と動かさない、この条件は上手いな」

山下誠 「玉の径路を確保する3五歩を発見するまでが一苦労でした」

■手順前後と複数の経路のある玉移動の手順を巧く一手順に限定されてますね。

波多野賢太郎 「こちらも悩みました。ヒントを見たらすぐわかりました。2五で詰むとは意表を突かれました。優勝おめでとうございます」

飯山修 「またしてもやられました。まさか玉が25迄上がってくるとは。中段玉は桂に弱いということか」

S.Kimura 「玉を22で詰ませることしか考えていなかったので、25に出てくるのは予想外でした」

斧間徳子 「手が限定されるので易しかったですが、最終手が桂とは意外でした」

たくぼん 「桂が最後に出動してフィニッシュ。手の流れが楽しめる1局」

■詰まされる場所、詰ます駒、いずれも想定外でした。

占魚亭 「飛車を成って竜で詰ますと思っていたため、桂跳ねは盲点でした」

■飛車が成るには手数が掛かりすぎますね。

諏訪冬葉 「最終手は14龍か15龍だと思ってました。香車の利き遮って大丈夫だったんですね」

小山邦明 「一番大事そうな先手の香がなくても詰むとは最初思いませんでした」

■端攻めで最も大事な駒、香車が要らないとは全く意表の展開でした。

DD++ 「この条件で2筋玉にするだけでも大変なのに不成なしのせいで輪をかけて攻めにくく、最終形が限られるので13手としては与し易いですね。不成なしを外しても詰むのは11歩成12と(香成でも)の形くらいだろうと思いますが、これをもっと巧妙に隠す条件だったらお手上げ続出だったでしょうか」

布哇斎 「後手の3筋4回が大ヒントで、かなり手が狭かったです。1筋なのにどちらの香も無関係というのが面白いところで。不成を認めると余詰があるのでしょうか?」

■不成を許容すると13歩不成~12歩不成とする筋があります。「▲16歩  △34歩  ▲15歩  △42玉  ▲14歩  △32玉 ▲13歩不成 △33角 ▲12歩不成 △22玉 ▲11歩成 △32飛(32金)▲12と(12香成)」 まで。

正解:19名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん
  布哇斎さん  ほっとさん  Pontamonさん  山下誠さん  RINTAROさん


総評

諏訪冬葉 「気づいたら12時回っていた。でも解答します」

■20日の25時?まではOKです。

飯山修 「手数が奇数ばかりだと何となくホッとします」

■偶数手数だと詰まされて負けるイメージがありますので・・・

布哇斎 「今回は,初級からヒント待ちとなってしまいました。106-1A、106-2と、詰め方の指し手に悩んだら取り敢えず角を使うという決めつけがまずかったようです。今回で美野樫9兄妹最終回という予想は外れましたので、この後優勝者のエキシビション、全員1手ずつ指して17手というのが最終回になると予想を修正します」

■"エキシビジョン"、"全員1手ずつ指す"途中の17手目までは正解。出題では4手追加の21手。美野樫9兄妹最終回は107-3に出題中です。

S.Kimura 「今回は4問中3問をヒントに頼ってしまいました。106-3は別として,歩を延ばしていく筋が盲点だったかもしれません」

小山邦明 「今月は、歩を3段目まで一気に成る手順で大活躍する特集で楽しめました」

Pontamon 「終わってみれば、歩を突き進める序の特集だったようですが、上級以外の解図ではどうしても角の出陣から考えて しまいます。(手順を忘れていた自作も含め)(^^;」

■行き詰まったときは"歩突きの攻め"。推理将棋の解図定跡の一つでしょう。

RINTARO 「今回は考えやすかったです」

ほっと 「今月はヒント無しで全題解けました」

小木敏弘 「消費時間が、初級・中級・上級の順にたくさんかかりました。(睡眠・食事・入浴時間含む)」

占魚亭 「前回は酷い誤答をしてしまいましたが、今回は大丈夫……なはず」

隅の老人B 「今月は1-Aで大苦戦。解ければ、「ナァ-ンダ」は何時ものこと。解けて大喜び、『単純な爺さん、ここにあり』です」

波多野賢太郎「今回は中級に大半の時間を使いました。ヒントを見ても?だったので、これは白旗かと思いました」

■初級Aと中級が意外に難しかったかもしれません。易問と感じられた方と難問と感じられた方、今月は二分されました。

たくぼん 「お手ごろな難易度で楽しめる内容でした」

■たくぼんさんが企画されているWFP100記念号の一人一作展にも推理将棋が出題されています。みなさま是非挑戦をお願いします。

はなさかしろう 「書店には来年のカレンダーと手帳。年賀推理将棋が気になる季節です」

■年賀推理将棋、作品募集中です。


推理将棋第106回出題全解答者: 19名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  加賀孝志さん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  DD++さん  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん
  布哇斎さん  ほっとさん  Pontamonさん  山下誠さん  RINTAROさん

当選: 布哇斎さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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