大道棋よもやま話 第31回 金問題の新展開
[2017年1月26日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2015年8月号掲載
大道棋よもやま話 第31回 金問題の新展開 加藤 徹
前回紹介した「新しい詰将棋撰集」(益田正勝著)について、本当の著者は野口益雄さんだということを森美憲さんにご教示いただきました。ありがとうございます。野口益雄「詰将棋ざつだん」に書かれているとのこと。
内容がマニアックで、実は名のある人の著書かもと思いましたが、野口益雄さんとあれば納得です。
また、歩6類型元祖問題作者として紹介した阿部一二さんについて、鈴木彊さんより「昭和30年頃仙台市にお住いで私共の東北青棋会員」との貴重な情報が。八巻広丞さん、稲葉元孝さんも会員だったそうです。おもちゃ箱の大道棋30全短評の中で全文を掲載させていただきます。
さて、おもちゃ箱の5月の展示室は「大道詰将棋 金問題特集」でした。出題された5題を見ると、伝統的な金問題の形でもまだまだ新しい展開が可能なことがわかります。この中から54銀型の3題を紹介しましょう。
◇ドキ展45 54銀型シンプル金問題
10手台だが常識を外れる手も。
次のドキ展48と49は55の駒が違うだけの同手数の双子問題(49は駒余り)。16手までは定跡だがその先は両題とも未知の世界に。従来感覚では難解かも。
◇ドキ展48 とどめは馬 30手台
◇ドキ展49 限定打が決め手 30手台
◇大道棋30 加藤徹 正解
72金、同玉、73歩成、イ61玉、62歩、71玉、82と、62玉、53馬、73玉、
83歩成(83と)、74玉、52馬、同飛、66桂迄15手。
イ71玉は72歩、61玉、53馬で簡単。
初手および5手目から53桂生と馬の空王手で誘い手がいっぱい。それに惑わされずに5手目62歩と打てれば、あとは一本道。
客寄せ問題は、すぐ解かれてはだめだが、ある程度稼いだ後は詰むことを見せるために破ってほしいので、正解は難しくない方がいい。
鈴木彊「53桂不成の筋は危険ですね。逆王手の64桂打がありました。」
新井要太郎「誘い手が多く大変だったが、初手72金を発見してからはスイスイと詰め上りました。」
前田知弘「返し技の多い類型ですが、経験済なので、違うところに注目して・・・」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答27名、正解26名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋31 加藤徹
ドキ展48と本題は、元は一つの問題でした。同手数変化を別な問題として分離したものなので、同じ手数です。
解答は8月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈(解答者が多いので増量しました)。
注1)大道棋類型辞典や大道棋インデックスでの類型名は 歩⑥ のようにマル付き数字を使用していますが、端末によっては表示できないので、ここでは 歩6 のようにマルなしの数字にしています。
注2)上記のドキドキ展示室No.45、48、49の解説はこちら。
注3)上記の大道棋30の解説および全短評はこちら。
注4)上記の大道棋31の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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