大道棋よもやま話 第32回 一題二役
[2017年1月28日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2015年10月号掲載
大道棋よもやま話 第32回 一題二役 加藤 徹
ドキ展48と大道棋31は、元は一つの問題でしたと書きましたが、それがこの問題です。
16手目までは金問題の定跡手順。
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、86飛、75玉、
56飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、
ここで96馬と攻めて、75玉だとドキ展48の35手、84玉だと大道棋31の35手になります。
変同は普通の詰将棋では評価上損なことも多いのですが、大道棋では大道棋屋さんの選択肢を増やすことになるので、実戦価値を増加させます。
客が正解を読んでいるなと思ったら変化に応じるのは大道棋屋さんの常套手段。手数ではなくお客を見て応手を決めるわけですね。
まずはドキ展48の手順から。
◇ドキ展48 とどめは馬 30手台
17手目から
96馬、75玉、57角、66歩合、同角、76玉、93角成、77玉、66馬、68玉、
57馬、77玉、78歩、88玉、86飛、99玉、66馬、98玉、88馬迄35手。
こちらは53が空いているので、96馬に84玉は86飛、75玉、53角で簡単。
入玉されてはダメかと思いきや、飛馬3枚でぴったり捕まる。
◇大道棋31 加藤徹 正解
17手目から
96馬、イ84玉、57角、66歩合、同角、75歩、同角、同玉、76歩、84玉、
85歩、74玉、75歩、64玉、63桂成、75玉、86馬、74玉、64成桂(76飛)迄35手。
イ75玉は66角、76玉、93角成、77玉、66馬、68玉、86馬、69玉、
59飛、78玉、77馬左、79玉、88馬迄31手。
79と配置で96馬に75玉の順を早く詰むようにしたもの。
57角に86飛回りを防ぐ66歩中合から75歩移動合が大道棋らしい妙防。75香合や桂合は同角で簡単。
前田知弘「実戦なら、変同は気にはならないですが」
小山邦明「途中の57角に対する66歩中合の手順は以前検討した事があるのですが、少ない駒数できれいに収束できている点がすばらしいと思いました。「79と」は、ドキ展48の手順の18手目75玉の詰手順の防止だと思いますが、面白い2つのきれいな手順を含んだ原型に驚かされます。」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答20名、正解19名 (省略)
【当選者】 (省略)
今回はちょっと珍しい双玉角3類型の問題。まずトレーニング問題(13手)で誘い手と受け手を研究してください。
◇懸賞詰将棋 大道棋32 鈴川優希
東京に移ってますます活躍の鈴川さん。大道棋の創作にも挑戦しました。逆王手にご注意ください。
解答は10月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)大道棋類型辞典や大道棋インデックスでの類型名は 双玉角③ のようにマル付き数字を使用していますが、端末によっては表示できないので、ここでは 双玉角3 のようにマルなしの数字にしています。
注2)上記のドキドキ展示室No.48の解説はこちら。
注3)上記の大道棋31の解説および全短評はこちら。
注4)上記の「おもちゃ箱」 No.22の解説はこちらから。
注5)上記の大道棋32の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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