« 詰将棋メモ(2017年2月24日) | トップページ | 詰将棋メモ(2017年2月25日) »

大道棋よもやま話 第33回 金問題の新展開 その2

[2017年2月25日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。

関連情報: 大道詰将棋よもやま話  ドキドキストリート (おもちゃ箱


詰将棋パラダイス 2015年12月号掲載
大道棋よもやま話  第33回 金問題の新展開 その2  加藤 徹

 最初に前回の訂正を。大道棋31の正解者に永島勝利さんが抜けていました。お詫びして追加すると共に、解答21名、正解20名と訂正します。

 第31回で金問題の新展開として54銀型の金問題を紹介しましたが、小山邦明さんから54金型はどうかと投稿がありました。

 詰方54金配置の金問題はこれまでなく、内容もおもしろいので、今回の懸賞詰将棋として出題します。手数が長くてちょっと大変ですが、手順は比較的オーソドックスで考えやすいと思います。

 54金型だと64に行けないので、普通の配置では16手の定跡手順のあと86飛、75玉、64角まで。そこで65歩を配置せず逃げ道を作りますが、それでも53角から64角成、または64角(66角)から55金で簡単なのでこれを防ぐ必要があります。

 小山作は52歩で53角を防ぎ、63桂で55金を防いでいるわけですね。

 次の図は64香配置で防いでみた図。16手定跡の後11手と短いので、まずはこちらでトレーニングを。

Y033a

 54金型だと65歩だけでなく74歩も省いても飛合は成立します。いろいろと可能性がありそうですね。

 さて、大道棋32の解説の前に、前回のトレーニング問題で双玉角3類型の誘い手をおさらいしておきましょう。

Y032b

A 83角、81玉、72飛成
B 72飛成、82合、83角
C 84玉、97角成、83角(72飛成)以下
D 85玉、97角成、81角以下

 先に72飛成としてから84玉や85玉もあり。どの誘い手にも逆王手で応じます。正解は、85玉、93桂合、同香成、同玉、94飛、82玉、71角、83玉、84飛、73玉、74飛、63玉、55桂迄13手。

◇大道棋32 鈴川優希 正解

Y032

 85玉、93桂合、同香成、同玉、71角、82桂合、94飛、83玉、84飛、73玉、
 65桂、同桂、62銀不成、同銀、82飛成、64玉、62龍、63角合、同龍、同玉、
 74角、72玉、84桂、71玉、72銀、62玉、63銀成、61玉、72桂成、51玉、52成銀
 迄31手。

逆王手の82香合は同角成で簡単。
逆王手しない他の合は73銀まで。

 この類型、誘い手は多いものの、85玉以外はすぐ切れるので、創作する立場からすると展開しにくい。

 本作も85玉以下普通の出だしだが、63角合の逆王手が入り手が伸びる。駒余りも余詰もなくきれいにまとめるところは流石鈴川さん。

門田和雄「大道棋はスリル満点です。簡単そうでむずかしい。収束がよめない所が面白いです。」

長谷繁蔵「角合が出て来て筋に入ったと思った。」

竹中健一「きれいに手が続きますね!大道棋初とは思えないくらい!」

★全短評をおもちゃ箱で掲載。

【正解者】 解答23名、正解19名 (省略)
【当選者】 (省略)

◇懸賞詰将棋 大道棋33 小山邦明

Y033

 初の54金型金問題。

 解答は12月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。(1月5日までに届けば、年賀状での解答も可)

 抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。


注1)大道棋類型辞典や大道棋インデックスでの類型名は 双玉角③ のようにマル付き数字を使用していますが、端末によっては表示できないので、ここでは 双玉角3 のようにマルなしの数字にしています。

注2)上記の「おもちゃ箱」 No.22の解説はこちらから。

注3)上記の大道棋32の解説および全短評はこちら。

注4)上記の大道棋33の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。

|

« 詰将棋メモ(2017年2月24日) | トップページ | 詰将棋メモ(2017年2月25日) »

大道詰将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大道棋よもやま話 第33回 金問題の新展開 その2:

« 詰将棋メモ(2017年2月24日) | トップページ | 詰将棋メモ(2017年2月25日) »