大道棋よもやま話 第34回 金問題の新展開 その3
[2017年2月27日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2016年2月号掲載
大道棋よもやま話 第34回 金問題の新展開 その3 加藤 徹
金問題の新展開、その3では双玉の金問題を考えてみます。
92玉型の金問題では、95玉や96玉を配置した問題がよくあります。持駒は金ではなく銀のことが多く、これは83銀、72銀不成から83馬という誘い手を作るためです。
逆王手(83桂合など)のために双玉にすることが多いですが、玉の利きを利用して詰める問題もあります。
95玉型の金問題では双玉は珍しく、調べたところ10題しかありませんでした。詰方の玉位置は35、47、52、53、68、69、78、82と様々です。
形が広がったり不自然になったりで、好形の良問題を作るのは難しいようです。なるべく自然な配置で、手順もおもしろく発展性のある問題が作れないでしょうか。
昨年ドキドキ展示室の金問題特集で出題した問題(29手)。58銀が動いて詰むのですが、58玉にすればその手はなくなります。実際に58玉を置いてあれこれ試してみたら、いろいろとおもしろい手順が成立するようです。今月出題しましたので、ぜひ挑戦を。
◇大道棋33 小山邦明 正解
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、86飛、75玉、
A36飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、86飛、75玉、42角、53香合、
同角成、同歩、36飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、B86馬、84玉、
62角、73香合、同銀不成、同桂、同角成、同玉、64馬、イ84玉、87香、ロ85桂合、
同香、93玉、83香成、同玉、84歩、ハ同玉、96桂、83玉、86飛、72玉、
C82飛成、61玉、73桂、51玉、52龍、同玉、53金、51玉、52歩、41玉、
42金迄61手。
イ72玉は63金、81玉、93桂、92玉、32飛成以下。
ロすぐに93玉は85桂、84玉、73桂成、95玉、96飛、同玉、86馬迄。
ハ72玉は63金、61玉、31飛成以下。
86馬から73でばらす従来の筋なので解きやすく、61手の長手数に20名を超える解答が。
52歩43歩が飛成を邪魔しているため、
- 42角として52歩を53に上げる
- 飛を3筋(より右)に振る
という工夫が必要。もっとも46飛としても86飛から振り直せば大丈夫。
64馬以降も85桂捨合、龍捨てと見応えのある手順が続く。最後は駒も余らずぴったり詰み、好評だった。
ワナも随所にあり、奉納も続出。
A96飛。86香の捨合で逃れ。
B96馬、84玉、62角。73金合で逃れ。
その他変別や逃げ間違えも。
43歩はCで63馬(63金)以下の余詰防ぎ。実戦では省いてよいかも。
山下誠「4度の角香交換から飛車を成りこむ意表の展開。これが作意ならば駒も余らず素晴らしい新作です。」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答23名、正解19名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋34 加藤徹
初の58玉型金問題。30手前後、駒余り。大道棋屋さん84を指さして「この辺で詰むよ」
解答は2月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記のドキドキNo.95の解説はこちらから。
注2)上記のドキドキ展示室No.47の解説はこちらから。
注3)上記の大道棋33の解説および全短評はこちら。
注4)上記の大道棋34の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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