大道棋よもやま話 第35回 金問題の新展開 その4
[2017年3月24日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2016年4月号掲載
大道棋よもやま話 第35回 金問題の新展開 その4 加藤 徹
大道棋類型辞典完全版について購入できないか問い合わせがありました。本書は賞品用にごく少部数作成した非買品で、申し訳ありませんが販売はできません。
なお本書は、残部があるうちは、おもちゃ箱出題の、展示室・推理将棋の賞品としても選択できます。
また本書の元となった詰棋めいと27号掲載の大道棋類型辞典を、おもちゃ箱のドキドキストリートで公開していますので、代表的な40類型についてはそこで見ることができます。
いずれ、本連載の内容なども含めてブラッシュアップし、販売用の大道棋本を作成しようと考えていますので、購入したい方はそれをお待ちください。
さて、このところ新型の金問題をいろいろ紹介していますが、既存の筋でもまだまだ改作の余地があります。その一例として、今回は、おもちゃ箱2月の展示室(大道棋特集)から小山さんの金問題を紹介します。
金問題の16手定跡手順のあと86馬から62角といく古典的な筋。そのあとが良く捌ける名改作です。
19手目から62角、73香合、同銀不成、同桂、85香、93玉、83香成、同玉、
73角成、同玉、53飛成、63金合、62銀不成、72玉、63龍、同玉、53馬、72玉、
73金、81玉、63馬、91玉、92歩、同玉、74馬、81玉、82歩、91玉、
83桂、92玉、71桂成、93玉、83金迄51手。
51銀1枚でこの手順が成立しているのがすばらしい。不動駒はわずか2枚。
山下誠「7三香合からが長かったが、分りやすい爽やかな収束でした。」
鳥本敦史「この美形というだけで十分価値ありでしょう。」
占魚亭「とてもきれいな手順。傑作。」
◇大道棋34 加藤徹 正解
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、A88香、87香合、
B同香、76玉、86飛、77玉、79香、78角合、同香、同玉、76飛、イ77桂合、
同飛、同玉、99角、88香合、同馬、76玉、77馬、75玉、86馬、84玉、
85馬(香)迄31手駒余り
普通の金問題の形をしているので、A86飛として16手まで定跡で進めて「さてどう行くのかな」と考えたら、すでにアウト。これがワナとは。
88(89)香が58玉があるので成立する新手で、これに対して、86飛から87馬を防いで87香の中合が妙防。
ここでもB86飛から56飛と定跡に戻れば香1枚余分に入手できるから簡単、と思ったら、これもワナ。56飛に86角の捨合があって、手は続くものの「惜しかったね」で奉納。
同香から86(96)飛と入玉させてしまうのが強手。79香に78香合があると詰まないが、香は品切れだ。
イで77香合とした29手解がお二人。最長31手なので残念ながら不正解。
飛香角桂香と合駒のオンパレード。更に紛れ筋にも。58玉1枚でこれだけ合駒が発生するのはおもしろい。
鳥本敦史「香打ちは最後まで考えませんでした。結構奉納しちゃったかな。」
谷口翔太「再度の89香打からが、僕には未知の世界。ここからでも合駒は3度、大道棋は難しい。」
竹中健一「58玉型で今後の類作創作を期待しております!」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答21名、正解19名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋35 加藤徹
58玉型金問題第2弾。左4筋基本形のきれいな形ですが、案外大変かも。最後駒が余ります。
解答は4月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記のドキドキ展示室No.55の解説はこちらから。
注2)上記の大道棋34の解説および全短評はこちら。
注3)上記の大道棋35の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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