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推理将棋第113回解答(3)

[2017年8月16日最終更新]
推理将棋第113回出題の113-3の解答、第113回出題の当選者(竹野龍騎さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第113回出題  推理将棋第113回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


113-3 上級 上谷直希 作  全部馬!         13手

「13手目に馬の手で詰みか」
「途中、成駒を含む4枚の駒を取ったのも先手の馬だったよね」

(条件)

  • 成駒を含む4枚の駒を先手の馬が取った後、13手目の馬の手で詰んだ

出題のことば(担当 NAO)

 取る成駒は何か?玉はどこで詰むのか?推理しよう。

追加ヒント

 最終手は駒を取らない手。両王手の詰みを狙う。

修正

会話文: 「・・・馬だったよね」
   →「・・・先手の馬だったよね」
条件: 成駒を含む4枚の駒を馬で取った後、13手目の馬の手で詰んだ
   →成駒を含む4枚の駒を先手の馬が取った後、13手目の馬の手で詰んだ


推理将棋113-3 解答  担当 NAO

▲7六歩  △3四歩  ▲2二角成 △4二玉
1三馬  △3三玉  ▲3一馬  △1七香成
5三馬  △2二玉  ▲1七馬  △1一玉
4四馬 まで13手

(条件)
・成駒を含む4枚の駒(歩、銀、歩、成香)を先手の馬が取った(13~31~53~17)後、13手目の馬の手(▲44馬)で詰んだ

Suiri1133

本作は、馬が大転回する豪快な手順で、最後は両王手で決める華麗な作品です。詰上がり両王手が狙いですが、条件には狙いが現れないため最終形を思い描かないとなかなか難しいでしょう。取る成駒が馬でも龍でもなく成香であるのも意表を突いています。

  • 3手目に角が成り、先手の残りはタイトル通り"全部馬"の手。13手中先手が指す7手のうち後半5手は4回の駒取りと最終手が馬の手であることが確定していることが解図の手掛かりとなる。以下に推理のポイントを示す。
  1. 馬の手だけで詰む形。取った駒を打つ手はないので、両王手、馬単騎、75馬で仕留める筋などが考えられる。
  2. 馬の経路。4連続駒取りのため、最終手以外は後手駒のあるところしか動けないことに注意。
  3. 馬が取る成駒。後手の大駒が成って馬や龍をつくる手順は比較的組み立てやすいが、手数が掛かる上に持駒を打てないので詰みが難しい。飛角以外で1手で敵陣に届くのは香なので、馬、龍以外は成香の可能性がある。

以上の3点から手順を組み立てる。

  • 後手が17地点で香を成って先手馬に取らせ、トドメは馬香の両王手を狙う手順が正解である。初手から「▲76歩 △34歩 ▲22角成 △42玉」と進め、後手玉は1筋に近づく。13歩が消えれば11香が1手で17地点に成ることができ、更に17の成香は53地点経由の馬経路に入る。22馬は13→31→53→17の経路でちょうど成香を含む4枚の駒を取ることができる。5手目から「▲13馬 △33玉 ▲31馬 △17香成 ▲53馬 △22玉」そして17馬が斜めに動けば19香の効きが後手陣に直通する。11手目から「▲17馬 △11玉 ▲44馬」まで鮮やかな両王手の詰み。結局、後手は、角道を開ける34歩と17香成の他、残り4手を11迄の玉移動に費やすことができた。
  • 75馬の詰みを狙う手順、たとえば「▲76歩 △62玉 ▲33角成 △54歩 ▲43馬 △99角成 ▲21馬  △53玉  ▲11馬  △66馬  ▲同馬  △64玉 ▲75馬」は55玉で逃れ。1手不足しており、仮に先後逆の14手詰なら受方55香打の1手が入って詰む。
  • 馬単騎の筋は、後手玉廻りに手数を要するので後手成駒づくりと両立させることが困難だ。更に、1段玉(たとえばΔ41玉型に▲23馬)や2段玉(たとえばΔ12玉型に▲34馬)には玉脇の角を残さないと成立せず、後手の馬が作れない。
    また、Δ33玉型に▲11馬の筋は既成手順にあるが、Δ33玉の詰形をつくる右辺の後手駒(23歩, 34歩, 43歩, 32銀等)を何枚か馬で取る必要があって成立しない。

(修正前の余詰、ご指摘は小木敏弘さん、のくせにさん)

修正前の条件では、後手の馬が駒を取る手順が成立する。先手馬の駒取りが3回だけなら角金銀のいずれかの駒打ちが可能。

  • 余詰1(後手馬が97の歩を取る。先手馬が後手馬を取る)
    ▲76歩 △42飛 ▲33角成 △14歩 ▲43馬 Δ88角成 ▲53馬 Δ97馬
    ▲同馬 Δ52玉 ▲62角 Δ15歩 ▲53馬まで(14歩~15歩は遊び手)。
    ▲76歩 Δ42金 ▲33角成 Δ62銀 ▲43馬 Δ88角成 ▲53馬 Δ97馬
    ▲同馬 Δ22銀 ▲31角 Δ33金 ▲42馬まで。
  • 余詰2(後手馬が99の香を取る。先手馬が後手馬を取る)
    ▲76歩 Δ42銀 ▲33角成 Δ62玉 ▲42馬 Δ88角成 ▲43馬 Δ99馬
    ▲42銀 Δ44馬 ▲同馬 Δ52玉 ▲53馬まで。
    ▲76歩 △32銀 ▲33角成 △42金 ▲43馬(23馬) △88角成 ▲32馬 △99馬
    ▲31銀 △33馬 ▲同馬 △62銀 ▲42馬まで。
    ▲76歩 △32金 ▲33角成 △42銀 ▲43馬 △88角成 ▲32馬 △99馬
    ▲43金 △33馬 ▲同馬 △62銀 ▲42馬まで。

それではみなさんの短評をどうぞ。

上谷直希(作者) 「詰め上がりから手順を考えた作品です。先手、後手で必要な手順がうまくあわないので、先手に何か1手遊び手が必要になります。さてどうしようかと思ったときに思いついたのが4枚駒取りの条件でした。条件もさっぱりしたし良かったです。
会話文の解釈で混乱があったようでご迷惑をおかけしました。簡潔に言えそうで言えない条件で、会話文作成時は困っていたことを覚えています。何か妙案があれば是非ご教示ください」

チャンプ 「久々に素晴らしい作品を見せていただきました。あまりに感動したので解答を送らせて頂きます。これは年間最優秀作の予感がします」

ほっと 「これは歴史に残る名作!久々に感動した!」

RINTARO 「見事な手順」

のくせに(双方解) 「最後は馬単騎にこだわりすぎて苦労しました。生角でも成立するダイナミックな動きが見事です。タイトルが『全部馬』なら、普通後手馬が出てくる順は考えないですよね」

斧間徳子 「スケールの大きいダイナミックな手順がすばらしい。馬に関する1条件だけですべてが割り切れているのに驚愕。当初条件で余詰発生が残念ですが、修正後の条件でも記憶に残る秀作」

まさ 「龍や馬を取る筋もしっかり考えさせられた。きれいな条件に雄大な手順の秀作」

■『感動した』が2票、『見事』が2票、『秀作』が2票。好評でした。

たくぼん 「簡素な条件で、馬の移動を限定させるのは凄いと思う」

小木敏弘(双方解) 「両王手の威力絶大」

小山邦明 「条件設定が大変すばらしく、巧みな手順の両王手収束で楽しめました」

竹野龍騎 「17香成は見えても、詰み形が浮かばなかった。そうか11玉か、と膝を打った」

原岡望 「ヒントにおんぶ。雪隠に気付いて解決」

キリギリス 「ヒントの『両王手』で解けました」

■11玉で詰むとはなかなか気づかない。

諏訪冬葉 「3手目に角を成って5-11手目で駒を取る。詰め方は 1)馬単騎 2)△74玉▲75馬 3)自陣の飛車との連携 を経て両王手にたどり着きました」

Pontamon(双方解) 「最終手は馬単騎、両王手、75馬が浮かんだが何れにしても厳しそうなので、後手の馬でも駒を取ると決めつけて検討していたら、余詰修正が出ていることに気付く。先手の馬だけで深堀してみると、75馬では後手の55香が間に合わず15手、馬単騎もないが本当に両王手?飛ではなく香との両王手は意外でした。余詰が無かったら、ずっと後手馬でも駒を取る順を考えていたでしょう。でも、余詰むのか…。2日考えても余詰手順はまだ見つけていません」

波多野賢太郎 「これは予想通り難しかったです。先手は7六歩から角が成って馬が動き続けるしかないのはわかるんですが、詰み形が浮かばなかったです。もちろん7五馬までの形はすぐ考えましたが、成駒が取れませんからね。この解答はあれこれ考えてるうちに偶然閃いたものです」

■最初は両王手には手が行かないはず。

飯山修 「33玉がこの手順を成立させるうまい手。直前ヒント前に解答できたのは久しぶり」

はなさかしろう 「『成駒を含む』の成駒は後手馬ではないのが上手くてなかなか詰まず、中段玉を捨てたところで一気に視界が開けました。先手馬はすべて角の動きですが、後手玉の動きを一意に決めるためにあえて成るというのが意表を衝いていて面白かったです」

■『成駒を含む5枚の駒を先手の角が不成で取った後、13手目も角が移動して詰んだ』では同一手順が成立しても6手目△32玉の余地があり非限定になりますね。

占魚亭 「以前、上谷さんに見せていただいたので知っていました。17香成が素晴らしい一手」

平井康雄 「最終ヒントを見てもしばらくは5筋のことばかり考えていましたが、香のやりとりをする余裕がないことが判明。1筋とすると、後手は玉移動に4手と香成に1手で余裕があるのは1手だけと判明。先手も76歩と角成と最終手以外は4手しかないので、全部馬で駒を取ることが判明。13と17以外で残り2枚取るのは31と53しかないと判明したので、やっと方針が立ちました。33玉がなかなか渋いですね。・・・どんな余詰だったんでしょうね」

山下誠 「先手が取る成駒を馬に決め打って延々と悩みました。最終ヒントを見るまで成香は1秒も考えませんでした」

S.Kimura 「成駒は龍か馬だとばかり思っていたので,成香はヒントを見るまで考えもしませんでした」

隅の老人B 「解けない。ヒント、成駒は香、今度は3分、ヤレヤレ」

■17地点は急所。ダイレクトに成って、ダイレクトに取れる場所。


正解:23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  竹野龍騎さん  チャンプさん  テイエムガンバさん  のくせにさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん  平井康雄さん
  ほっとさん  Pontamonさん  まささん  山下誠さん  RINTAROさん


総評

小木敏弘 「馬の活躍が見事でした」

はなさかしろう 「馬率9/32。馬大活躍の回でしたね」

斧間徳子 「今月は馬特集。ハイレベルな3作で大いに楽しめました」

竹野龍騎 「全て1条件の好作づくし」

まさ 「考えやすい条件で解図意欲をそそられる作品揃いでした。今後もぜひこの路線でお願いしたいです」

■好作を揃えることができるのも作品在庫次第。簡素条件の作品投稿は大歓迎です。

諏訪冬葉 「2回連続でヒント前に解けました」

たくぼん 「今回は難問もなく楽しく解かせて頂きました」

RINTARO 「3問とも気持ちよく解けました」

平井康雄 「久しぶりに解いてみる気になりました。最終ヒントがなければ、絶対解けなかったはずですけど・・・」

■ヒント前の力試しもよし、ヒント待ちもよし。

波多野賢太郎 「今月も悩みましたが、なんとかノーヒントで解答できました。条件がシンプルで好作揃いだったと思います。楽しかったです。解答、解説が何回分かたまっているようですが、大丈夫でしょうか?毎回、丁寧で論理的な解説には頭が下がります。無理されないようにしてくださいね」

S.Kimura 「第112回の解答は出してもらえないのでしょうか.ヒントが予告した日に出たのは歓迎しますが,とにかく,解説と正解者の発表をしてもらいたいです.短評は紹介するだけでよく,全てに返事を書く必要はないと思います.
送ってから半年も放置されるのでは,新たな短評を書く気力が失せそうです」

■結果稿の遅れ、誠に申し訳ありません。今後、通常の出題~結果発表のペースに戻るよう、変則的になりますが作品解説を順次進めていきますのでよろしくお願いします。


推理将棋第113回出題全解答者: 23名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  竹野龍騎さん  チャンプさん  テイエムガンバさん  のくせにさん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん  平井康雄さん
  ほっとさん  Pontamonさん  まささん  山下誠さん  RINTAROさん

当選: 竹野龍騎さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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