[2017年9月25日最終更新]
推理将棋第109回出題の109-5の解答、第109回出題の当選者(斧間徳子さん、キリギリスさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第109回出題 推理将棋第109回解答(1) (2) (3) (4) (5)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
109-5 上級 はなさかしろう 作 2017(平成29)年・丁酉の指し初め 20手
「あけましておめでとう! 指し初め中継見てきたよ」
「謹賀新年! そうか、見逃したなぁ…どうだった?」
「2017年にちなんで20手目が17回目の駒取りでね。そこで初王手がかかって詰んだよ」
「へぇ、景気の良い取り合いだね。酉年だからかな?」
「うん、そうみたい。それから、29と11への着手もあったな」
「ほぅ、流れはわかったけど、手順を知りたいな。例えば他の干支の駒とか…」
「干支の駒? ははぁ。そうだねぇ…後手が4連続で龍の手を指していたよ」
「なるほど。それにしても、酊の年らしいというか、あられもない将棋だねぇ」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 20手目に17回目の駒取りの初王手で詰んだ
- 29地点と11地点への着手があった
- 後手は4連続で龍の手を指した
出題のことば(担当 NAO)
双方の連続駒取りの経路を推理しよう。
追加ヒント
先手は角(馬)で1~5筋の9枚の駒を取る。33~43~53~31~13・・・のルート。後手は8手目47飛成~12手目67馬の後、龍を動かして計8枚の駒を取る。
推理将棋109-5 解答 担当 NAO
▲7六歩 △4二飛 ▲3三角成 △3二金 ▲4三馬 △9九角成 ▲5三馬 △4七飛成
▲3一馬 △8九馬 ▲1三馬 △6七馬
▲2三馬 △3七龍 ▲3二馬 △3九龍
▲2一馬 △2九龍 ▲1一馬 △4九龍
まで20手.
(条件) ・20手目に17回目の駒取り(先手9回:33角成~43馬~53馬~31馬~13馬~23馬~32馬~21馬~11馬、後手8回:99角成~47飛成~89馬~67馬~37龍~39龍~29龍~49龍)の初王手(△49龍)で詰んだ ・29地点と11地点の着手(18手目△29龍、19手目▲11馬)があった ・後手は4連続で龍の手(14手目以降37龍~39龍~29龍~49龍)を指した
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年賀推理の5局目は手数20手。17回の駒トリのため、双方大駒で連続して相手の駒を取り続けますが、その軌跡を求める問題です。29と11を着手点に定めており、新年に因んだ"2017"、"29"、"11"が現れます。
- 20手の手順中に17回駒を取る。初手・2手目・4手目の3手は駒を取ることができないので、残りの着手は全部駒取りとなる。先後各々の着手条件を整理すると、
先手:3手目以降、11地点を含め9連続駒取り。3手目▲33角成が必然手。
後手:6手目以降、29地点を含め8連続駒取り。4連続で龍の手。20手目に初王手でトドメ。
- 3手目▲33角成が王手にならないよう2手目△42飛が必然手であり、後の47飛成から龍の活用を見る。初手から「▲76歩 △42飛 ▲33角成」
- 先手馬の経路は途中11地点経由なら33→43→21→11や33→43→53→31→21→11が考えられるが、いずれも11の後に取る駒が無く失敗する。したがって、11地点が先手馬の最終着手点となるよう、33→43→53→31→13→23→"32"→21→11の9連続駒取りを目指し、4手目後手の応手が△32金に決まる。4手目から「△32金 ▲43馬 △99角成 ▲53馬 △47飛成 ▲31馬」31馬の直前、△47飛成が必然手。
- 後手は馬と龍での詰形を目指す。"△67馬+△49龍"がその定番であり、馬の経路は(99→)89→67に決定。また、"29"着手と4連続"龍"の条件から、龍の経路は14手目以降の(47→)37→39→29→49に決定する。10手目から「△89馬 ▲13馬 △67馬 ▲23馬 △37龍 ▲32馬 △39龍 ▲21馬 △29龍 ▲11馬 △49龍」まで。
年賀条件が単なる付け足しでなく、"11"と"29"着手のため双方大駒軌跡が限定されるのが素晴らしく、4手目△32金が連続駒取りの鍵となりました。年賀推理将棋のトリに相応しく馬と龍が豪快に捌ける傑作でした。
(短評)
はなさかしろう(作者) 「2017を20と17に分割すると差が3だったので、安直に双方連続駒取りのバリエーションで臨みました。手数は長いですが双方の絡みが少なく、我が道を行く手順になってしまいましたが、年賀ということでお許しください」
斧間徳子 「32金と53馬の発見がカギ。2017や29や11という年賀詰向けの数字がわざとらしくないところがいい。年賀詰でなくても秀作だが、年賀詰として見ると大傑作」
DD++ 「後手の順は4手目を除きこれしかないとして、先手の順と4手目が11着手と連続取り条件だけで限定されているのがすごい」
小山邦明 「収束の形を予想して、先手の馬が一番駒取りできる後手の形と馬の経路を考えたら、うまく解けました」
ほっと 「先手の駒取り順が巧妙。長手数を少ない条件でうまく限定している」
占魚亭 「先手は角(馬)を使うのは確定なので、駒取りのルートが分かれば後手の手も見えてくる」
Pontamon 「先手も後手も駒を取り続け、予想の詰み形もひとつなので、手数の長さは気に ならず簡単に解けるだろうと思ったのですが、何も考えずに駒を動かしたら26手。その後、4手目の32金はすぐに見つけたのに9地点の一筆書きに手間取ってしまいました」
小木敏弘 「32金のおかげで先手の馬が使命を果たせました」
S.Kimura 「条件が限られており,最初に解けたのがこの問題でした。32金に気づかず,11になかなかたどり着けませんでした」
山下誠 「双方の龍と馬が縦横無尽に暴れまわる痛快な将棋。これだけ動いて王手が最終の1手のみというのも凄いです。3二金がうまい」
波多野賢太郎 「これは凄い駒取りの連続だと思うと同時に、この条件の少なさで20手が限定できるのかと思いました。詰上がりと後手の駒取り手順の方が先に浮かびました。3二金が最後にわかり、なるほど、うまくできてるなあと思いました。好作」
桝彰介 「お互い我が道を行き、詰め上がり図は駒が捌けて(?)スッキリしました」
RINTARO 「ヒント頼りでほぼ全手順が分かりました」
諏訪冬葉 「ヒントで馬と龍の軌跡がわかって楽勝・・・と油断していたら28飛を取って手数不足になりかけた」
原岡望 「飛車に目が眩まなかったのが勝因」
隅の老人B 「最後に馬で11香を取るとはね。11香を竜で取ると思い込んで大苦戦」
飯山修 「課題の29と11が最後に順番に現れ2911になるところが実に芸術的」
正解:18名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん キリギリスさん 小木敏弘さん
小山邦明さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん DD++さん
波多野賢太郎さん はなさかしろうさん 原岡望さん ほっとさん
Pontamonさん 桝彰介さん 山下誠さん RINTAROさん
(総評)
DD++ 「今年は解きやすい作品が揃いましたね。109-3だけ少し考えましたが、なんとか元日解答」
Pontamon 「今年の年賀推理将棋は29手の長手数作が無くて幸いでした。今年もよろしくお願いします。(この総評が読まれるのは3月かな)」
小木敏弘 「今回は、にくいほど面白いものばかりでした」
小山邦明 「17地点や29地点を活かした条件の年賀詰で、バラエティに富んだ内容のため大変面白かったです。今年もよろしくお願い致します」
はなさかしろう 「9手の詰みでは出て来ない着手点、2九以外にもいくつかあるんですね。香落ちにして盤をひっくり返せば9手の詰みにも2九への着手を織り込めますが・・・7手目2九飛の一択で、あまり面白くないみたいです」
ほっと 「どれも結構難しかったです。全部解けたのは1月も終わる頃」
波多野賢太郎 「今回は年賀記念の推理将棋でしたが、いずれも年賀にふさわしい作品が並んでいて面白かったです。11や1七、2九という条件は難しそうなのに、よく作られるなあと思います。それでは、今年も一年、よろしくお願いいたします」
隅の老人B 「1題が解けずにヒント待ち。ヒントを読んだら5秒で解決。さて、その1題は何番でしょうね」
原岡望 「ヒントに助けられました」
加賀孝志 「今月は参加するのみ!」
桝彰介 「今月も間に合わないかと思ったら、〆切が延長していたので間に合いました」
RINTARO 「今回は解答を諦めてましたが、締め切り前1時間でヒントを頼りに何とか解けました」
斧間徳子 「17手詰がなかったのが意外でしたが、5作ともそれぞれ違った味の作品で楽しめました。来年は"30"が使いづらいので、条件が"18"に集中し、類似作が出そうな予感が・・・」
推理将棋第109回出題全解答者: 19名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 加賀孝志さん キリギリスさん
小木敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
DD++さん 波多野賢太郎さん はなさかしろうさん 原岡望さん ほっとさん
Pontamonさん 桝彰介さん 山下誠さん RINTAROさん
当選: 斧間徳子さん、キリギリスさん
おめでとうございます。
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