大道棋よもやま話 第40回 裏短コンに大道棋
[2017年9月21日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2017年2月号掲載
大道棋よもやま話 第40回 裏短コンに大道棋 加藤 徹
裏短編コンクールは、鈴川優希さんが主催するネット上でのコンクールで、一昨年の第n回に続いて昨年の11月に第φ回裏短コンが開催されました。
裏短コンがユニークなのは、盤面11枚以上、タイトル必須という条件なこと。タイトルも含めテーマが明確な作品が集まりました。
結果発表は鈴川さんが解説しながらニコニコ生放送で放映、全国の多くの詰将棋ファンが楽しみました。
この裏短コンで、なんと大道棋が1作登場。金少桂さんの「命あっての物種」です。
92玉95玉型の双玉問題で、約150題と双玉の類型では最も問題数が多い双玉なし1類型。
この類型は誘い手が多く、昔は大道棋屋さんのドル箱と呼ばれていました。最近は改作の発表も少ないので、新作が発表されたのはうれしいことですね。
今回の裏短コンは9手だったので、当然この作も9手。初見の方はぜひ挑戦してみてください。
◇第φ回裏短コン24 金少桂
初手だけ考えてみても、93角成、91角成、71角成、73角成、64角成、93桂成、93歩、83桂成と一見有望そうな王手が8通りもあります。
91香、51角、65飛によるシンプルな逆王手だけでなく、93角成、81玉、73桂と角道を止めると、同銀で82飛成、61飛成を同時に防ぐところとか、91角成、同玉、92歩、81玉、84香なら83桂中合の逆王手とか、いろいろなワナがあって、この類型、本当によくできています。
本作はコンパクトで集客度も80と高く9手なので客寄せにもぴったり。
詰筋自体は従来からあるもので、私も作ったことがあります。金少桂作が解けたら、勢いでこちらもどうぞ(13手)。
◇大道棋39 金少桂 正解
A64飛、イ74歩合、同飛、84角、同金、95玉、94角成、96玉、85馬、97玉、
86馬、98玉、87馬、同玉、65角、96玉、97歩、同玉、89桂、96玉、
76飛、95玉、86銀、96玉、97銀、95玉、96銀、84玉、74飛、83玉、
71飛成、ロ74歩合、同角、84玉、85銀、ハ75玉、63角成、65玉、75龍、同玉、
76金迄41手歩余り。
A54飛以遠でも可(変化は変わる)。
イ84角は同金、95玉、85金、96玉、(同玉は63角以下)87角以下。
ロ94玉は74龍(91龍)以下39手。
ハ95玉は91龍以下同手数。
正解11名と、かなりの難問だった。
初手は離して打ち74歩の中合(イの63角を防ぐ)を稼ぐのがポイント。
85金が成立しなくなり、94角成から馬で追う。87馬と捨てて65角と中空の限定打が74飛を作る狙いの一手。
71飛成に74歩の捨て合が最後の抵抗。ここでつまずいた方も。
最後変同があるが、龍を捨ててきれいに詰む作意順の解答が多かった。
永島勝利「15手目の65角に感動しました。また、最後の龍捨てもすこぶる格好良い。」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答13名、正解11名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋40 鳥本敦史
大道棋教室を再開して大道棋創作にも熱の入った、鳥本さんの54銀型金問題。30手台。
解答は2月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記の第φ回裏短コン24の解説はこちらから。
注2)上記のドキドキNo.50の解説はこちらから。
注3)上記の大道棋39の解説および全短評はこちら。
注4)上記の大道棋40の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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