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推理将棋第110回解答(2)

[2017年9月28日最終更新]
推理将棋第110回出題の110-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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110-2 中級 Pontamon 作   棋譜研究(9手目56金) 10手

「何やってるの?」
「研究室のコピー機が故障してるから、棋譜全体をデジカメで撮った画像をPCで整理しているんだ」
「この"10手詰め9手目56金"というファイル名の画像を見せてよ」
「上手に撮れているだろ。このファイル名さえあれば全手順が判るんだ」
「へぇ、これだけで再現できるんだ。でも画像の転送や整理なんかしなくてもファイル名にした情報だけを手書きした方が早かったんじゃないの?」
「あっ…」

(条件)

  • 10手で詰んだ
  • 9手目は56金

出題のことば(担当 NAO)

 先手金の経路を推理しよう。

追加ヒント

 金は66歩を突いた後67~56へ移動。居玉で詰まされる。


推理将棋110-2 解答  担当 NAO

▲7八飛 △3四歩 ▲6八金 △7七角成
▲6六歩 △7八馬 ▲6七金 △6八飛
5六金 △6九馬 まで10手.

(条件)
・10手で詰んだ
・9手目は56金(9手目▲56金~10手目△69馬で詰み)

Suiri1102

本作は第110回に因み"1条件の10手詰"、棋譜を1手だけ示す簡素条件作品です。金の経路を探せば自然に解けますが、伏線となる初手の発見が解図の鍵です。

  • 先手が9手目6段目金の手を指すのに、金移動3手と歩突き1手の計4手を要す。後手の角の攻めに備えるため左金を68地点経由の68→67→56の経路で動かすが、67歩が邪魔なので▲66歩が必要となる。先手の残りの手は1手だけ。
  • 後手の攻めは、△34歩~△77角成と角が成って馬で攻め駒を取りに行く。先手は強力な攻め駒の飛車を取らせるよう初手に78まで飛が移動し協力する。
    初手から「▲78飛 △34歩 ▲68金 △77角成 ▲66歩 △78馬」先手は角成の前に金を立ち、角成の後に66歩と突く。後手は78馬で飛を入手する。
    以下、先手が56迄金を移動する間に後手が68飛+69馬の詰形を築く。7手目から「▲67金 △68飛 ▲56金 △69馬」まで。

初手飛振り~金立ち~歩突きと手順前後を許さない駒運びが巧みな簡素1条件の好作でした。

(短評)

Pontamon(作者) 「9手目56銀でも1条件になりますが、銀だと経路が狭まるので金の方にしました」

斧間徳子 「この1条件だけで成立しているとは凄い!すばらしい傑作」

小山邦明 「56金実現のための66歩が出来るのは、77角成の後でないとできない事からこの1条件で手順が限定できているのがすばらしい」

ほっと 「これだけで手順が確定するのが不思議」

渡辺 「実は昔mixiで『10手で詰んだ、終局図の56に先手の金があった』というのを出したことがあったので一瞬でした。7手目までに56金を指すのは無理があるので、終局図の条件だけでも限定されています」

山下誠 「金の径路を確保しながら詰めるには、飛車を取るのが最短と考えて解きました。それにしてもうまい条件です」

原岡望 「68飛に動揺」

S.Kimura 「後手に飛車を取らせる順を考えていたところ,突然,68飛から69馬の詰みがひらめき,先手の金を56に移動させたら正解でした」

はなさかしろう 「裏推理的には左金を繰り出すところで、初手▲7八飛も味が良いのでほぼ本命で行けました。玉方非協力と10手の相性がぴったりですね」

RINTARO 「初手に気付けば簡単」

小木敏弘 「王手を防いで、お次は飛の打ち場所作り、わが道を行く金」

飯山修 「金を後手が取って捨て、相手に打たせる事が出来るとは到底思えず、結局先手が自力で上がるしかない」

隅の老人B 「ヒントは金の経路の推理。ひねくれ爺さん、これで金は最初に動かない」

波多野賢太郎 「この条件で手順が決まってしまうんですね。ちょっとびっくりです。詰上がりが浮かびませんでしたが、手順前後がないことをヒントに解きました」

諏訪冬葉 「手順前後と角の不成の可能性を潰したら7手目まで決まったのに最終手が見えなかった」

占魚亭 「詰み形の予想に少々手間取りました」

竹野龍騎 「1条件の好作。余詰まないのが不思議。金の限定移動経路を考えるが……難解。ヒントを見て、程よい難度だった。まず58玉型に57銀は防がれていると思ったためか、居玉の詰みが見えなかった」


正解:18名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  竹野龍騎さん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん  ほっとさん
  Pontamonさん  山下誠さん  RINTAROさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

渡辺さん:先行作・類作チェックの際、『10手で詰み。終局図で56に先手の銀があった』はmixi99番で確認していましたが、56金の作品は見落としていたようです。

投稿: Pontamon | 2017.09.28 08:34

なるほど~面白いですね。『10手で詰んだ、終局図の56に金があった』とすると、他に解が生じるでしょうか。後手から56金を打つのは容易ですが、ぱっと見では最終手57金のように動かすことになり、終局図で56に後手の金が残る詰みが意外と見つかりませんでした。56に残るのが後手の銀ならば容易なのですが。

投稿: はなさかしろう | 2017.09.29 01:31

『10手で詰んだ、終局図の56に金があった』は唯一解でした。

・56金着手あり:21808手順。
うち先手の56金着手は1解のみ、後手の56金着手の後、最終手金まで21807手順。
(最終57金21717手順、67金90手順)

投稿: NAO | 2017.09.29 05:53

ありがとうございます。57金までの手順では先手に最大2手の遊びがあるので手順数が大きくなるんですね。
「局面+位置+駒」条件、素晴らしいです。

投稿: はなさかしろう | 2017.09.30 20:33

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