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推理将棋第109回解答(2)

[2017年9月22日最終更新]
推理将棋第109回出題の109-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第109回出題  推理将棋第109回解答(1) (2) (3) (4) (5)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


109-2 中級 斧間徳子 作  平成29年新年将棋大会 10手×2

A君「昨日の新年将棋大会はどうだった?」
B君「いやあ、正月早々ひどい目にあったよ。2連敗で予選落ちだよ。
   しかも2局ともたった10手で詰まされたんだ」
A君「へえ、それは残念だったね。けど10手で詰まされるって
   どんな将棋だったの?」
B君「1局目の相手はずっと同じ筋にだけ着手してきたんだ。2局目はこれと
   反対で、相手の指した5手はすべて異なる筋の着手だったな」
A君「じゃあ、全然違う戦型だったんだね」
B君「うん、けれど後で棋譜を見て気付いたんだけど、2局とも29の地点に
   着手があったんだ。平成29年の正月らしいと言えなくもないかな」
A君「どんな将棋だったかもう少し詳しく教えてよ」
B君「2局とも惨敗だったからあまりしゃべりたくないな。少しだけ言うと、
   1局目は同のつく手があったよ。2局目は駒不成の手が1回だけあったけど
   駒を成る手はなかったよ」
A君「そうか。どんな将棋だったかわかったよ」

さて、連敗した2局はどんな将棋だったのだろうか?

(第1局条件)

  • 10手で詰んだ
  • 29地点への着手があった
  • 後手はすべて同じ筋に着手した
  • 「同」のつく手があった

(第2局条件)

  • 10手で詰んだ
  • 29地点への着手があった
  • 後手はすべて異なる筋に着手した。
  • 駒不成の手が1回だけあったが駒成の手はなかった

出題のことば(担当 NAO)

 29地点へ着手する駒と手番を推理しよう。

追加ヒント

 第1局:「同」のつく手は6手目36同歩。
 第2局:29地点への着手は8手目29角不成。


推理将棋109-2 解答  担当 NAO

第1局

▲4八玉 △四歩  ▲3八玉 △五歩
▲3六歩 △ 歩  ▲3七桂 △二飛
2九飛 △七歩成 まで10手.

(条件)
・29地点への着手があった(9手目▲29飛)
・後手はすべて同じ筋(3筋)に着手した(△34歩~△35歩~△36同歩~△32飛~△37歩成)
・「同」のつく手があった(6手目△36同歩)

Suiri1092a

第2局

▲7六歩  △四歩 ▲6六角 △ 角
▲5八飛  △八角 ▲4八玉 △2九不成
▲5九金左 △六桂 まで10手.

(条件)
・29地点への着手があった(8手目△29角不成)
・後手はすべて異なる筋に着手した(△34歩~△66同角~△18角~△29角不成~△56桂)
・駒不成の手が1回だけあった(8手目△29角不成)が駒成の手はなかった

Suiri1092b

年賀推理将棋の2問目は条件の対比を楽しむ10手詰ツインが登場。後手は第1局では一つだけの筋を使い、第2局では五つの筋を使うので展開は全く異なります。

(第1局)

  • 後手が2筋だけで攻め倒すのは困難なので29着手は先手に決め打ち。そうすると先手の29着手のため、歩突き~桂跳ねが必要となる。すなわち先手36歩~37桂に合わせて後手は3筋を攻める。歩突きの攻め「△34歩~△35歩~△36歩~△37歩成」が有効であり、支え駒は飛車を三間に振ればよい。
  • 先手の形は、29着手だけなら「▲36歩~▲37桂~▲29飛」の3手でできる。そして、詰まされる玉は38玉型。29地点が桂から飛車に変わっているので、37地点が弱まって都合がよい。なお、48玉型なら58,59の2箇所を塞ぐ2手と玉の1手の3手要してしまい手数超過となる。
  • 「同」の付く手で後手が駒を取るよう進める。先手が歩突きを遅らせ5手目▲36歩とすれば6手目△36同歩とできる。初手から「▲48玉 △34歩 ▲38玉 △35歩 ▲36歩 △同歩」以下、後手飛振りと先手29着手を経れば歩成りで詰み。7手目から「▲37桂 △32飛 ▲29飛 △3七歩成」 まで。

(第2局)

  • 後手は五つの異なる筋にそれぞれ1回ずつ着手。△34歩と角道を開けて角を飛び出していくしかない。先手に近いのは6,7,8筋のいずれかだが、唯一の不成は後の29角不成に残しておき、成る手もないので角は66地点へ飛び出す。ここに先手は角を差し出して協力する。初手から「▲76歩 △34歩 ▲66角 △同角」
  • 後手は先手の角を取って29桂を取りに行く。そのとき、3筋が使えないので△18角~△29角不成とする。入手した桂1枚では詰み形がつくりにくそうだが、66角を利用して48玉を5筋の吊し桂で詰ます筋があった。38地点は29角の効きがあるので、先手は「▲58飛~▲48玉~▲59金左」と指し58,59の2箇所を塞いで協力する。5手目から「▲58飛 △18角 ▲48玉 △29角不成 ▲59金左 △56桂」まで。

同じ筋と異なる筋の着手条件の対比に加え、29地点への先手着手と後手着手の手順の対比が面白い意欲作。特に第2局は短手数にしては詰形が予想し難い難解作品でした。

(短評)

斧間徳子(作者) 「第1局は正月向きを意識した易問。第2局はロジカルには解けず、正月向きでなくてすみません」

DD++ 「(第1局)まず思いつく手順がそのまま正解。年賀に相応しい軽作。
(第2局)角が出陣するのはいいとして、この角を6手目不成にすると8手目にやることがなく、8手目不成だと6手目にやることがない。これを解消するために4手目に中段で取った角を6手目に打つことを閃けば答えはすぐそこ」

Pontamon 「(第1局)29の着手に必要な3手中の歩突きと『同』に必要な歩突きを兼用することで、他の筋での手数オーバーを解決できました。
(第2局)後手着手が全て異なる筋となると57銀までの手筋が思い浮かび、66角から48の銀を取る手順だと29着手をさせるには5筋が2回、ならば77角から68の銀を取る手順で解決と思いきや、不成が3回必要。第2局は予想以上に難しかったです。このツインは29の着手をする側も対照になっていたのですね」

小木敏弘 「(第1局)桂で逃げ道を開けたと思いきや、自分の飛車で逃げ道封鎖。
(第2局)中級組で一番悩みました。29桂を角で取る筋になかなか思いがいきませんでした」

S.Kimura 「(第1局)すべて同じ筋とくれば,飛車先の歩成ですよね。
(第2局)不成が1回だけという条件が意外と難しかったです」

小山邦明 「(第1局)年賀詰として取り組み易い条件設定で良かった。
(第2局)今回の作品の中で一番難しかったが、何とかノーヒントで解けて満足です。角を入手してからの18角打が気付きにくい手でした」

ほっと 「手順前後を消すための条件がうまい。ただし、条件が違いすぎてそれぞれ別作品。ツインにする必然性はあまり感じられない、と言ったら怒られるか」

波多野賢太郎 「1局目の方は、詰上がりが予想しやすく易しかったです。『同』のつく手があるという条件で手順前後がなくなってるのがうまいと思いました。2局目の方は、なかなか詰上がりが浮かばなくて難しかったです。条件が対称的で楽しい2作ですね」

諏訪冬葉 「(第1局)後手が29に指すためにはすべて2筋の手にしないといけないため29は先手と断定。
(第2局)最初△29角+△47金駒を考えたが先手陣で駒を2つ取ることができず断念。それを引きずったため▲46歩が必須と思い込んで1手足りずに苦戦(△74角→△29角を考えた)。1筋から行けばよかったのか」

隅の老人B 「(第1局)助ける飛もあれば、逃げる飛もある。とかくこの世はままならぬ、ですね。
(第2局)18角打にビックリ。私じゃないよ、敵王ですよ。」

飯山修 「(第1局)同じ筋だけで29が関係するということは右側の筋しかなく到達は容易。
(第2局)この問題だけが残り、直前ヒント待ちでした。角を取って打ち込む手は不成2回になると思ってすぐ対象外と決めつけたのですがなるほど66角とする手があるんですね」

占魚亭 「(第1局)何段目で玉が詰むか少考。
(第2局)角をどこで取るか少考」

山下誠 「(第1局)同の付く手という条件で手順を限定したのはうまいですね。
(第2局)6六角と2九角の協力で詰める形を見つけるのに一苦労でした。最終ヒントに助けられました」

はなさかしろう 「(第1局)▲2九飛のアシストが気持ち良く決まりました
(第2局)異なる筋条件が巧みで△1八角から△2九角不成がぴったり。詰み形も美しく、今回の10手2九着手で最も印象に残る手順でした」

原岡望 「(第1局)力を矯める32飛で決まり。成条件の意味は?
(第2局)妙手18角」

桝彰介 「(第1局)1つの筋のみの着手となれば飛車先の歩を突いていくのがまず浮かび、他の条件に合うのはどの筋か考える。
(第2局)2九角不成の直前の手は3筋より左から打つ手を最初に考えてしまうので、逆から攻める△1八角は思いつくのに時間がかかりました」

RINTARO 「(第1局)先手29飛と後手3筋より、詰み形からの逆算で解けました。
(第2局)ヒント頼り。面白い手順ですね」


正解:18名

  飯山修さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  キリギリスさん  小木敏弘さん
  小山邦明さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  DD++さん
  波多野賢太郎さん  はなさかしろうさん  原岡望さん  ほっとさん
  Pontamonさん  桝彰介さん  山下誠さん  RINTAROさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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