推理将棋第114回解答(3)
[2017年9月3日最終更新]
推理将棋第114回出題の114-3の解答、第114回出題の当選者(飯山修さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第114回出題 推理将棋第114回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
114-3 上級 Pontamon 作 同歩成には同で応じる 11手
「居玉を11手で詰ませたって?」
「唯一の駒成の同歩成に同で応じる手があったよ」(条件)
- 11手で居玉が詰んだ
- 唯一の駒成の同歩成に同で応じる手があった
出題のことば(担当 NAO)
同歩成はどの筋でどの駒を取ればよいのか?詰み形を推理しよう。
追加ヒント
9手目の72同歩成でトドメの金を奪う。
推理将棋114-3 解答 担当 NAO ▲7六歩 △7四歩 ▲4四角 △7五歩 (条件) |
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本作は、"同"の付く連続着手指定の簡素条件作品。同一地点に3連続の着手があります。同歩成で攻め駒を入手しますが、折角成った"と金"はすぐ取り返されてしまいます。攻めの拠点を残しながら歩を成る地点を見極めることがポイント。
- 作った"と金"は次の手ですぐ取られるが、桂や飛を打つ単騎では詰まない。そこで拠点の攻め駒を残す方針で進める。先手は角で歩を取りながら後手玉に迫り、後手は先手が歩を打てるように先手陣の歩を取って協力する。どの筋の歩を取らせるかが悩ましいが、後手陣に近い6段目の歩を歩突きで取りに行く手が早い。すなわち7筋が正解。初手から「▲76歩 △74歩 ▲44角 △75歩 ▲53角不成 △76歩」53角を拠点にトドメの金を72同歩成で取る。7手目から「▲73歩 △72金 ▲同歩成 △同銀 ▲62金」まで。
- 先手の歩を後手飛に取らせる紛れ。3筋か4筋の歩を後手飛に取ってもらうパターンが多い。76歩 32飛 33角生 42銀 まで進めると居玉なので22角生と角を取るしかなく 37飛生 33歩 32金 同歩成 同銀 で詰まない。また、76歩 44歩 同角 42飛 53角生 47飛生 43歩 42金 同歩成 同銀 も62に金銀の効きがあって詰まない。
- 単騎詰を狙う紛れ。後で"同"の手で取り返すよう、33地点や73地点のように桂の効きのある3段目に歩が成る手順は詰みがない。例えば、桂を取る順:36歩 34歩 35歩 52飛 34歩 33桂 同歩成 同角と桂を入手して吊し桂を狙っても以下 35桂 42角 43桂不成は、62銀の一手が不足し詰んでない。また、飛を取る順:76歩 74歩 75歩 72飛 74歩 73飛 同歩成 同桂と飛を入手しても以下 72飛 52金右 71飛と王手を掛けるのが精一杯で詰みはない。
それではみなさんの短評をどうぞ。
Pontamon(作者) 「7手目に歩を打って成る手順の定番は3筋や4筋ですが、初手の76歩を狙えば飛を使わなくても7手目の歩打ちに間に合います」
小木敏弘 「詰め形は検討したのですが、後手の連続歩突きを見落としました。これで、一手稼げるのですね」
隅の老人B 「攻方の歩を取らせたい。どの筋で? 一思案です」
■3筋か4筋かと思わせておいて実は7筋。多くの解答者は作者の狙い通り悩みました。
小山邦明 「金を手駒にしたいと考えると2段目での歩成が見えてきた」
斧間徳子 「2手目32飛以下詰んだと思ったら、居玉でないのでNG。後手が歩を伸ばして先手の歩を取る順は気づきにくかった」
まさ 「『居玉』の条件を見落とし誤解しました。すみません。でも手順としてはやはり基本問題ですね。」
■居玉条件がなければ、32同歩成以下詰ます手順もありました。
ほっと 「これも難しかった。歩を地道に突いていって成る手順ばかり考えていた」
S.Kimura 「最初は両王手を考えていたのですが,先手の飛車を振る余裕はなかったようです」
■歩突きの遅早。歩を突いていく手順は難しく感じます。
飯山修 「居玉で成ほぼなしというと桂吊るしを考えてしまう。7筋歩成なんて全く想定外」
竹野龍騎 「妙手順、全く見えず。どう解いていけばいいのだろうか」
RINTARO 「ヒントなしで考えてみたかった。おそらく解けずに72歩成のヒントを見て、悶絶してたであろう」
原岡望 「ヒントを見ても苦戦。お互い我が道を行く」
占魚亭 「二段目で取るとは。詰み形が見えなくて苦戦、締切り前ヒントに助けられました」
諏訪冬葉 「『▲72同歩成に△同銀なら飛車の利きが止まって簡単』と考えたらできました」
はなさかしろう 「ヒント待ちしてしまいました。教わってみればなるほど、一直線ですね」
■慣れていても7筋の同歩成は盲点。
山下誠 「後手の7四歩から7六歩には完全に裏をかかれました。垂れ歩から成るという手があったんですね」
キリギリス 「最終形▲4三馬▲6一金と思ってしまって時間がかかりました」
■山下さんとキリギリスさんは5手目角成りの誤解答、残念。解けてるですが。
正解:16名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん 小木敏弘さん 小山邦明さん
隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん 竹野龍騎さん
テイエムガンバさん はなさかしろうさん 原岡望さん ほっとさん
Pontamonさん まささん RINTAROさん
総評
隅の老人B 「連日の猛暑、暑い、暑い。心頭を滅却すればすれば何とやら。
暑い時には推理将棋で暑さを忘れる。これは嘘、ク-ラ-ONで、考えている」
小山邦明 「角と金・銀が巧く連携する条件設定が、今回の3作品はすばらしいと思いました」
竹野龍騎 「『同』だけで直前手を含めた強い限定条件になるわけですね」
■意外性のある手順が好評な簡素条件"同"の手特集でした。
斧間徳子 「今月は夏向きの簡素な条件の作品が並びましたが114-3は猛暑の中、苦戦しました」
RINTARO 「3問ともヒントを見てから解いたけど、3はヒントなしだと難問だと思う」
小木敏弘 「歩で歩を取る114-3が難解でした」
■易問二つと難問一つがちょうどいい出題バランスでしょうか。
まさ 「夏向けの易しい基本手筋問題特集で、全問解くのに5分もかからなかった思ったら、114-3で居玉条件を見落とし誤解してました」
Pontamon「まささんが2回解答されていたので余詰みがあったのかとビクビク。
毎年、盆休みには年賀推理を作っているので、そろそろ準備開始。来年はイヌなのでワンワンの11手、11地点着手の作品が競合しそうな予感」
■30や18も新年絡みですがいずれも11に比べると使いにくそう。まだまだ早いですが年賀推理のご投稿をお待ちしております。
推理将棋第114回出題全解答者: 19名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん キリギリスさん 小木敏弘さん
小山邦明さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん 竹野龍騎さん
テイエムガンバさん 驫飛龍さん はなさかしろうさん 原岡望さん
ほっとさん Pontamonさん まささん 山下誠さん RINTAROさん
当選: 飯山修さん
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