大道棋よもやま話 第38回 92玉型金問題の改作
[2017年9月17日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2016年10月号掲載
大道棋よもやま話 第38回 92玉型金問題の改作 加藤 徹
金問題(金1類型)の最近の改作を紹介してきましたが、その92玉型、金2類型もまた活発に改作されています。
そしてまた1作、利波偉さんから投稿が。
金2類型で63歩配置は、奇策縦横451番(本図の84、91が香で86桂はなし)が有名です。奇策451は、
93金、81玉、84香、83飛合、82金、同飛、同香成、同玉、83飛、72玉、
93飛成、83歩合、同龍、61玉、62歩成、同玉、84馬、52玉、74馬以下39手。
簡潔な形から意外な長手数の名作。
利波作は84歩なので、この順では香がなく詰みません。その代わり86桂があるので、84馬、52玉、85馬と桂を取りに行けば詰みだ、と手を出すと、涼しい顔で61玉と逃げられて奉納。
さて、どうすればいいのか、考えてみてください(正解は次回)。先日の全国大会の握り詰に元ネタがあるので、参加された方はわかるかも。
実戦では問題ないのですが、奇策451と同様収束の乱れがあって、解答募集すると混乱しそうなので、ここで紹介させていただきました。
今月の懸賞詰将棋は、双玉にする、持駒を銀にする、2手逆算する、という工夫で誘い手を増やしたもの。もう金2類型とはいえないかも。トレ-ニング問題として次図をどうぞ(15手)。
懸賞詰将棋では更に飛や金を馬で取る詰筋も増えています。
さて、前回は53銀型の金問題でした。まず、トレーニング問題の正解から。
16手までは定跡手順(飛は46以遠に)。以下、
86飛、75玉、67桂、65玉、43角、54合、64銀成、同玉、66飛迄25手。
金問題としては短手数で初の詰上り。
小山邦明「53銀を64銀成と捨てて最後に両王手となる手順はすっきり。」
◇大道棋37 小山邦明 正解
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、86飛、75玉、
A26飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、B96馬、75(84)玉、74馬、同玉、
63角、84玉、87香、75玉、85角成、65玉、76馬、55玉、66馬、54玉、
44馬、65玉、66飛、75玉、64銀不成、74玉、63銀不成、75玉、74銀成、同玉、
63飛成、75玉、66馬迄43手。
Aで飛を26(16)に開くのが最初の山。その意味は手順を進めるとわかる。
B96馬から74馬切りが英断。この玉が63角で捕まるとは。86飛、75玉、57角以下がかなり続くので、余計やりにくい。
ぐるっと回る馬の活躍は見物。銀の捌きから最後も馬でとどめをさす。すっきりした手順で解後感よし。
永島勝利「2筋に行けばよいと途中で気付きましたが、詰棋ならやり直せますね。」
鳥本敦史「香取りとはビックリする手があったものだ。以下もうまく楽しく纏まっている。」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答20名、正解17名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋38 加藤徹
金2類型からの展開ですが、誘い手いっぱい。初手は94馬か84馬か。玉を取られないように。10手台、駒余り。
解答は10月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記のドキドキ展示室No.24の解説はこちらから。
注2)上記の大道棋37の解説および全短評はこちら。
注3)上記の大道棋38の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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