[2017年11月3日最終更新]
推理将棋第115回出題の115-3の解答、第115回出題の当選者(諏訪冬葉さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第115回出題 推理将棋第115回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
115-3 上級 渡辺秀行 作 連続移動 12手
「12手目に詰められて負けたんだって?」
「うん。僕が11手目に駒を取ったのがその局の唯一の駒取だったんだけど、
その手は僕が同じ駒を丁度4連続で動かす手だったんだよ」
「へぇ、相手はどんな感じに指してきたの?」
「たった3つの駒を順に動かしただけだよ。最初の駒を連続で動かした後、
次の駒を動かして、その後3つ目の駒を3連続で動かしたんだ」
(条件)
- 12手で詰んだ
- 唯一の駒取は11手目で、同一駒を丁度4連続で動かす着手だった
- 後手は3つの駒ABC(異種か同種かは不問)をAABCCCの順に着手した。
出題のことば(担当 NAO)
どの駒を動かすか。3つの後手駒と詰み形を推理しよう。
追加ヒント
トドメの駒(C)は飛。12手目飛の王手に対し、11手目に取った駒を合駒にできないのは何故か?
推理将棋115-3 解答 担当 NAO
▲6八飛 △3四歩 ▲5八玉 △3五歩 ▲5六歩 △6六角 ▲5五歩 △3二飛 ▲5四歩 △3四飛 ▲5三歩不成 △5四飛 まで12手.
(条件) ・唯一の駒取は11手目で、同一駒を丁度4連続で動かす着手だった (▲56歩~▲55歩~▲54歩~▲53歩不成) ・後手は3つの駒ABC(異種か同種かは不問)をAABCCCの順に着手した。 (A: 33歩→△34歩~△35歩、B:22角→△66角、C: 82飛→△32飛~△34飛~△54飛)
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本作は、先手1枚、後手2枚の計3枚の駒の"連続着手"がテーマの短編です。攻め方は駒取りがなく飛角だけの攻めを考えればよいので上級でも易しめかと予想しました。しかしながら、着手地点のヒントが条件に入っておらず、先手玉の4連続着手にも誘われる紛れもあって一目で詰形が見えないと解図に苦労する作品となりました。
- 後手は駒取りも打つ手もないので、足の速い駒を活用を図る。Aは当然歩。角道を空ける34歩~35歩の歩突き2回の後、Bは1手で先手陣に届く角。Cは3手で出陣できる飛に決め打ちする。
- 駒取りが4連続着手する先手の1回のみが解図の鍵。先手は攻方の飛の王手に合い効かずの形を作り協力すればよい。11手目に駒を取り、合駒の受けがありそうだが、それが歩であれば二歩禁で打てない形ができる。先手玉の位置は58地点が離し飛車で詰む形。玉の両脇を塞げばよい。68地点は自陣飛で、48地点は後手角の効きで塞ぐ。初手から「▲68飛 △34歩 ▲58玉 △35歩 ▲56歩 △66角」
- 先手は58玉の後、5筋の歩を4連続して突き、後手は飛車を世に出して攻める。7手目から「▲55歩 △32飛 ▲54歩 △34飛 ▲53歩不成 △54飛」まで。11手目は不成で歩を取り12手目Δ54飛で合い効かずの詰み。
5筋の歩を4連続で突き進め▲53歩不成で歩を取った手が、最終△54飛を取ることもできず合駒も二歩禁でできない仕掛けを演出しました。終盤連続着手の攻防が楽しめる一局です。
それではみなさんの短評をどうぞ。
渡辺秀行(作者) 「不成で取ることで、二歩のため合駒できなくなっているのがミソ。どの駒を動かすか決めてから考えると考えやすいかと思います」
小山邦明 「先手の4手連続着手を玉と考えると、逃げ場所がありすぎて難しいので、歩と考えたら詰み形がわかりました」
斧間徳子 「難問。普通は4連続で動かす駒は玉だと思ってしまう。玉以外かも、と疑ったらすぐに解けたが、53歩生の味が実にいい」
Pontamon 「第一感は中段玉。35の歩を玉で取り24馬や44馬の両王手では届かない。歩合いや最終手を"同と"とさせない53歩不成が光る」
竹野龍騎 「成生条件が無いので空中捕獲かと思ったがはずれ。ヒントで先手の歩生!と分かった。手順もシンプルで、作者の高い技量が発揮されていると感じる」
はなさかしろう 「駒取条件から中段玉と早合点して迷い込みましたが、AABCCCを素直に読めば歩歩角飛飛飛ですね」
キリギリス 「(A)が歩なのはほぼ確定ですが、先手が玉を4連続で動かして(A)をとると思っていました。(C)が飛車というヒントで▲53歩生△54飛という最終形が分かりました」
諏訪冬葉 「飛車を出すために2手目と4手目は歩に確定。多分先手の4連続で動く駒も歩、合駒できない理由は二歩と予想。この形の詰み方は後手59角を置きたいが無理なので両側をどうやって塞ぐかを考えました」
S.Kimura 「ヒントを見ても,どの駒を取るのか分からず,悩んでいました。それにしても,成不成の条件なしに53歩不成が限定されるとは,素晴らしいの一言です」
山下誠 「Cの駒を角と考えてさまよった。二歩禁を利用したうまい条件ですね」
小木敏弘 「王様がのこのこ出陣して討ち死にかと予想しましたがはずれました」
ほっと 「先手玉が中段に出て行って11手目に玉で歩を取る筋ばかり考えていた」
■Δ35歩を11手目に玉で取る筋にも誘われますが中段玉が広く捕まりません。紛れ筋、例えば「▲26歩(46歩) △34歩 ▲36歩 △35歩 ▲48玉 △32飛 ▲37玉 △42金 ▲46玉(26玉) △33金 ▲35玉 △34金」とCに金か銀を使う手順は、46(26)地点が塞がっておらず逃れ。
飯山修 「GIVE UPです」
原岡望 「降参」
■ご両名が白旗とは、ヒントが足りませんでした。先手の連続着手が歩であることも明かすべきでしたね。
正解:11名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん キリギリスさん 小木敏弘さん
小山邦明さん 諏訪冬葉さん 竹野龍騎さん はなさかしろうさん
ほっとさん Pontamonさん 山下誠さん
総評
小木敏弘 「115-1に一番悩みました。まぎれが多いからでしょうか?」
斧間徳子 「今月は初級に意外に手こずり、上級には大いに悩まされました」
Pontamon 「初級も上級も紛れ筋へ導かれてしまいました。条件の解釈が素直過ぎたかな」
S.Kimura 「今回は難しくて,全問ヒントに頼りました」
諏訪冬葉 「今回は完全にヒント待ちでした」
RINTARO 「時間切れです。今月は難しかったです」
原岡望 「詰将棋パラダイスの締切と重なって苦戦」
■例月出題並みかそれ以下の難度と予想していましたが、想定外に難しかった。
推理将棋第115回出題全解答者: 14名
飯山修さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん キリギリスさん 小木敏弘さん
小山邦明さん 諏訪冬葉さん 竹野龍騎さん はなさかしろうさん
原岡望さん ほっとさん Pontamonさん 山下誠さん RINTAROさん
当選: 諏訪冬葉さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト
から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
◇年賀推理将棋の作品募集◇
恒例の年賀推理将棋特集を年末に出題する予定です。難易度問わず作品を募集します。投稿〆切12月5日。
- 年末年始、年賀詰("2018", "18", "30", "11", 干支"戌"、にちなんだ推理将棋)
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