大道棋よもやま話 第41回 門外不出 栃木の角問題
[2018年11月27日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2017年4月号掲載
大道棋よもやま話 第41回 門外不出 栃木の角問題 加藤 徹
ある方から『大道詰将棋 栃木県内でのみ使われた「角問題」集』 『大道詰将棋「角問題」その2』という、いずれも2000年発行の数ページの手書き本を見せていただきました。 次のような角問題が合計25題掲載されています。
◇角問題1 作者不明
角問題は栃木県南東部の「芳賀地域のテキ屋に伝えられ、独自の発展を遂げたようです」とのこと。
誘い手は「35角、14玉、24龍」あるいは「35角、24歩、同龍、12玉、13歩、11玉、44角」ぐらいしかなく、実戦価値は微妙ですね。
次の問題が元になったのではないかと推測します。
◇研究科19 谷向奇龍
66角、75桂合、同角、84桂合、同龍以下33手。
発展性はあまりなさそうに思えましたが、データベースでこの形で検索してみたら、ちょっとおもしろい問題が見つかりました。
◇橋本孝治 詰朗会作品展1
35角、24桂合、同龍以下手を進めると22手目に再び21龍13玉型になり、もう一度35角、24桂合という展開になります。 今度は同角と取って35手で詰み。 詰朗会の課題「変則合」の作品でした。
私も1題作ってみました。 懸賞詰将棋で出題しましたのでお楽しみください。
◇大道棋40 鳥本敦史 正解
96金、84玉、87香、86飛合、85金、同飛、同香、同玉、
86飛、75玉、56飛、84玉、87香、85角合、同香、同玉、
96馬、75玉、53角、64香合、86馬、84玉、62角成、73歩合、
同馬、同桂、85歩、同桂、同馬、同玉、97桂、84玉、
85歩、95玉、87桂迄35手。
形は54銀型と新しいが、手順はオーソドックスで考えやすい問題。 最初の16手は定跡通り進めて、ここからどうするか。
86馬は62角が打てないので、96馬とちょっと捻って、53角から62角成を狙う。 53角に強い合は切って簡単なので香合か桂合。 それでも切って86馬で詰みそうだが、75香の移動合で際どく逃れる。
以下は89桂が働いて桂打でとどめ。
門田和雄「19手目97角じゃダメなんですね。 89桂が収束にからんでくるとは思いませんでした」
97角、84玉、86飛、75玉、85馬、64玉、56飛、75歩合で逃れ。
小林徹「意外とあっさりした順でした」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答18名、正解16名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋41 加藤徹
珍しい角問題。手順前後あり、30手台。 駒数少なく集客度は抜群だが、誘い手が弱く、すぐ破られそう。
解答は4月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記の角問題1の詰手順(推定)。
35角、24桂合、同龍、12玉、13龍、21玉、31歩成、同玉、
53角成、42銀合、同馬、同玉、54桂、52玉、44桂、61玉、
63龍、71玉、62龍、81玉、92銀 まで21手
13手目54桂以降はいろいろな詰みあり。
注2)上記の谷向奇龍作の詰手順。
66角、75桂合、同角、84桂合、同龍、92玉、94龍、81玉、
93桂、72玉、53角成、76と、74龍、73歩合、64桂、82玉、
71馬、92玉、81馬、93玉、73龍、94玉、72馬、95玉、
96歩、85玉、63馬、94玉、95歩、同玉、93龍、94歩合、
96馬 まで33手
注3)上記の橋本孝治作の詰手順。
35角、24桂合、同龍、12玉、13龍、21玉、31香成、同玉、
53角成、42銀合、33龍、21玉、54馬、43角合、同馬、同銀、
13桂、11玉、31龍、12玉、21龍、13玉、35角、24桂合、
同角、14玉、13角成、同玉、25桂打、14玉、12龍、24玉、
13龍、34玉、33龍 まで35手
注4)上記の大道棋40の解説および全短評はこちら。
注5)上記の大道棋41の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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