大道棋よもやま話 第42回 教材に使える大道棋
[2019年1月22日最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2017年7月号掲載
大道棋よもやま話 第42回 教材に使える大道棋 加藤 徹
前々回に裏短編コンクールに登場した大道棋を紹介しました。金少桂さんの「命あっての物種」で、92玉95玉型の双玉なし1類型の改作。
この類型はもともと誘い手がとても多く、「命あっての物種」は9手と短手数で詰むこともあって、客寄せにぴ ったりの作品でした。
2月から3月にかけて行われた創棋会のネット作品展「教材に使える10手台」でも、またまた金少桂さんのこの類型の改作が登場。今回はこの作品を紹介します。
「双玉詰将棋入門」ですが、逆王手のスリルはたっぷり味わえるものの、作意が19手とちょっと長く、上級者向きの教材とされています。
◇教材に使える10手台12 金少桂
約150題の双玉なし1類型の中でこの筋を作意にした作品は初めてで、ツウの方でも苦労するかもしれません。正解は「創棋会通信+α」で。
奥鳥羽生「どうやっても詰みそうで、どうしても詰まない。形幅清2号養成用」
則内誠一郎「単位を落とす生徒が続出しそうな鬼の教材です。」
本作は53桂が大きなヒントになっていますが、53桂を除くとまた新しい詰筋に(余詰あり)。この詰筋の作品、5月号の大道棋教室でも発表されていて、このあたりから発想したのかもしれませんね。
掘り尽くされたと思われている類型でも、まだまだ新しい詰筋が隠れていて、大道棋は本当に奥が深いです。
◇大道棋41 加藤徹 正解
35角、24桂合、同龍、12玉、13龍、21玉、33桂、32玉、
41銀不成、43玉、21角、34玉、24龍、45玉、44龍、36玉、
A54角成、イ37玉、46龍、ロ28玉、48龍、38歩合、46角、29玉、
18馬、同玉、38龍、17玉、28龍、16玉、17歩、15玉、
24龍迄33手。
A46龍、27玉、54角成の手順前後あり
イ45歩合は同龍で無駄合。同馬でも35手で詰む。
ロ38玉は65馬、28玉(39玉は37龍以下)、48龍、27玉、16玉、53馬以下29手
使用駒わずか5枚で集客度は抜群だが誘い手が弱い。比較的一本道で、逃げ方のミスで数名誤解者がでたが、実戦なら詰めていただろう。
イで45歩合は同龍で無駄合だが、同馬を期待して合駒する大道棋屋さんもいそうなので正解とした。
13手目以降は2015年5月のおもちゃ箱だよりで紹介した飛一色図式(44飛|13玉42飛|角角)と同じ手順になる。
占魚亭「大駒3枚で網を絞る。冗長感は否めないですかね。栃木角問題の本は、たしか車田さん作成ですね。2年くらい前に角問題を見て、作ってみたものの面白くならなかったので没にしたものの図面(25手)も添付します。」
魅力のある改作を作るのは難しそう。
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答19名、正解15名 (省略)
【当選者】 (省略)
◇懸賞詰将棋 大道棋42 鳥本敦史
大道棋教室の担当に復帰し、創作も好調な鳥本さん。懐かしの81玉型銀問題、30手台です。
解答は7月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記の金少桂「双玉詰将棋入門」の解答、解説はこちら。
注2)上記の大道棋41の解説および全短評はこちら。
注3)上記の大道棋42の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら。
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