大道棋よもやま話 第49回 なし3類型の双玉化
[2019年3月5最終更新]
詰将棋パラダイスで連載中の記事です。詰パラでスペースの関係で掲載できなかった資料全文なども補足していきます。
関連情報: 大道詰将棋よもやま話 ドキドキストリート (おもちゃ箱)
詰将棋パラダイス 2018年10月号掲載
大道棋よもやま話 第49回 なし3類型の双玉化 加藤 徹
なし3類型は初期の頃よく出題された類型で、36題の問題があります。
83飛がなければ86銀引の1手詰め。それならと93飛成と捨てれば85玉とかわされ、95龍には同香で奉納。84飛成とこちらに捨てれば同香で86に利いてきて失敗。
先に86銀引として81飛成と香を取れば、72馬、95香、同飛で「アッ」。
誘い手はおもしろいものの、離れた飛角が怪しすぎるのが弱点です。
単玉類型の双玉版は逆王手の逃れを使って誘い手を強化する目的のことが多いのですが、本類型の場合はそれだけではなく、双玉化により離れた飛角が不要になり集客度がアップします。
前回の解答。まずはトレーニング問題から。
93飛成、85玉、86銀引、74玉、63龍迄5手。
解答募集ではないが、4名様より短評をいただいた。
小山邦明「86銀や84銀から考えたくなるので、そこから抜け出せないと奉納の連続になりそう。解くまでの時間は、大道棋48よりかかりました。」
◇大道棋48 加藤徹 正解
85銀引、93玉、62飛成、イ82桂合、A94銀打、92玉、B82角成、同香、
84桂、81玉、61龍、71歩合、72桂成、92玉、93飛迄15手。
イ82歩合は同角成、同香、94歩以下。
A・Bは逆順でも同じ。
92飛成、83飛成、85銀引から81飛成の既存の3つの誘い手に加えて、
- 85銀上、95玉、62角成、同龍、96銀
- 83銀不成、84玉、76桂、73玉、62角成、同龍、74銀
など誘い手が増えている。
逆王手の底が浅いこと、本手順が見えやすいことから、解答者全員正解だった。
占魚亭「重い手順だが、頭数手を読みきれば後はスラスラ。実戦には向かない感じでしょうか。」
竹中健一「俗手のこの手順で詰むのは意外でした。77金は紛れを増やす狙いで実質は不要駒ですか…。この形はまだまだ発展しそうですね!」
★全短評をおもちゃ箱で掲載。
【正解者】 解答21名、全員正解 (省略)
【当選者】 (省略)
大道棋教室の鳥本先生からは「改悪(?)案を練ってみました。」として更にコンパクトにした改作が。手数も 短く客寄せにぴったりなので、今回のトレーニング問題にさせていただきました。
◇懸賞詰将棋 大道棋49 加藤徹
集客度は秘手37の53から80に向上。トレーニング問題と似た配置ですが、別の詰筋です。20手台。
解答は10月末までに下記(省略)まで。最終手と手数(と短評)だけでOKです。
正解者から抽選で2名に大道棋類型辞典などを贈呈。
注1)上記の大道棋48の解説および全短評はこちら。
注2)上記の大道棋49の解答募集は終了しています。解説および全短評はこちら(鳥本さんのトレーニング問題も)。
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