推理将棋第111回解答(1)
[2019年8月5日最終更新]
推理将棋第111回出題の111-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第111回出題 推理将棋第111回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋作家として育てていただいたこのコーナーへの恩返しのために、休載している推理将棋を再開すべく担当させていただくことになったPontamonです。行き届かないところもあるかと思いますがよろしくお願いします。
今後の予定ですが、未発表の結果稿を順次公開して行き、途中、8月中旬に第119回の出題を予定しています。
推理将棋第111回解説 担当 Pontamon
この回の第111回に因んだ『11手詰1条件』特集です。(担当 NAO)
第111回 出題2017年4月16日、解答締切2017年5月10日、解答20名
111-1 初級 Pontamon 作 13龍があった対局 11手
「隣の部屋は11手で終局だって?」
「うん、13龍の着手があったよ」(条件)
- 11手で詰んだ
- 13龍の着手があった
出題のことば(担当 NAO)
龍ができるのは最短で7手目。飛成までの手順を推理しよう。
追加ヒント
手なりに7手目飛成りを目指す。最終手、角の打場所にはご注意を。
(手稼ぎの無駄合い有効)
|
推理将棋111-1 解答 ▲26歩 △24歩 ▲25歩 △同歩 ▲同飛 △42金 (条件) |
![]() |
本作は第111回に因んだ11手詰1条件特集の1弾。
出題のことばで龍は最短で7手目となっているので先手の龍作りを考えれば良いのですが、13龍の着手があったという条件だけでは先手なのか後手なのか分かりません。実際、龍を作る最短手数は6手ですので、後手が13龍と指す手順もチェックしておきましょう。
後手が龍を作ってから13地点へ行くのに都合が良いのはやはり3筋になります。
▲76歩、△32飛、▲33角成 ここで馬を取ってしまっては先手の攻めが無くなるので4手目は△42金とでもしておいて、5手目からは▲23馬、△37飛成、▲13馬、△33龍、▲22馬、△13龍 の10手目に13龍の条件をクリアできます。(参考1図)
先手は22に馬と持ち駒に角なので色んな攻めがあるのですが、残されている手数は11手目の最終手1手だけなので、さすがにこれでは後手玉を詰めることができません。
となると、13龍の着手はやはり先手です。飛成の後に13へ行くのに便利ですし手数も節約できるので飛先の歩を突いて飛成を目指します。
▲26歩 △24歩 ▲25歩 △同歩 ▲同飛 これで次の手番の7手目に飛成ができますが、▲23飛成での空成か▲22飛成で角を取っての駒成が可能です。もし、13龍が最終手だとすると、後手玉の位置は33くらいしかありません。
▲26歩、△24歩、▲25歩、△同歩、▲同飛、△34歩、▲23飛成、△42玉、▲12龍、△33玉、▲13龍(参考2図)
玉の退路が3箇所と△23歩の合いの他、13の龍を同で取る手が3種もあって詰みません。
つまり、13龍は最終手ではなく9手目になるので、最終手で詰ますための駒の入手が必要であることが分かります。すなわち7手目は▲22飛成で、9手目が▲13龍、11手目に角を打って詰みになる形を考えればよいことになります。
最終手は13の龍を支えにしての角打ちですので、詰み形は玉の退路を塞ぐ△42金と△32玉の形で▲23角で詰み上がりになります。
なお、先手の7手目が▲22飛成なので、6手目からは、△42金、▲22飛成、△41玉、▲13龍、△32玉、▲23角の手順になります。また、推理将棋では無駄合いが有効なので、最終手を▲14角とするのは失敗です。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
Pontamon(作者)「後手なら6手目に龍を作り10手目に13龍が可能ですが、そんな手順は読まず、素直に初手26歩から解かれた方が大多数でしょう」
RINTARO「詰み形の推察が全て」
まさ「考えやすい良問」
竹野龍騎「すぐ解けた。1条件の易問は貴重。少しだけ考えどころがあるのも良い」
斧間徳子「飛を取って打つのでは手数足らず。となれば5手目まではこうなるところ。易問だが、1条件は解いて爽快感がある」
はなさかしろう「傑作! 11分の1の棋譜表記指定だけで玉の移動まで一意になるのが素晴らしいですね」
渡辺(締切後)「11手の1条件でこれだけ易しいのは仲々出来ない。」
■1条件でも棋譜指定だと易問になりやすいようです。多くの情報を持っている棋譜を選ぶのが作図のミソ。
小木敏弘「玉が危険に近づきすぎ」
■短手数で詰ますには、玉に危険地帯へ来ていただきます。
山下誠「2二飛成を王手にしない手順がうまく限定されていますね」
波多野賢太郎「これは素直に考えたらわかりました。いきなり4二玉ではなく、4二金から4一~3二玉という工夫がうまいですね」
小山邦明「42金の発見がカギの気がしました」
■工夫された手順に見えますが作者は13龍の棋譜を選んだだけ。と言うと作者に叱られますが担当作なので大丈夫。
飯山修「2筋歩の突き合いの作品は久し振り」
諏訪冬葉「移動のしやすさから飛車の成る場所は22か23と予想。あとは手なり」
原岡望「手なりが盲点」
隅の老人B「最短で飛を成るには? ここから思考が始まった」
ほっと「龍を作るならこの手順」
占魚亭「7手目飛成・9手目13竜しか考えられないので、やさしかったです」
■手なりで複数の着手が限定されていると条件数を少なくできます。
魚熊「当初読んだときは最終手14角の誤答案。ヒント前には気づきましたが」
S.Kimura「答えは割と早く見つかったのですが,最終手は14角しかないとなぜか思い込み,その後,無駄合に気づいてしばらく頭を抱えていました」
■担当は詰将棋をよく知らないのですが、「合い駒は利かないよ」という感じでわざと離して詰ますのが華麗な形? 推理将棋ではベタで行きます。不正解となったキリギリスさんの最終手はこの▲14角でした。
正解:19名
山下誠さん 斧間徳子さん のくせにさん ほっとさん RINTAROさん
飯山修さん S.Kimuraさん まささん Pontamonさん 小山邦明さん
諏訪冬葉さん 波多野賢太郎さん 竹野龍騎さん 占魚亭さん 原岡望さん
魚熊さん 隅の老人Bさん 小木敏弘さん はなさかしろうさん
カウント外:渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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