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推理将棋第121回解答(2)

[2019年11月23日最終更新]
推理将棋第121回出題の121-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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121-2 中級 Pontamon 作   51角がある10手 10手

「不成なく10手で詰んだ棋譜だよ」
「51角の着手があったんだね」

(条件) 

  • 10手で詰み
  • 51角の着手があった
  • 不成なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 51角はどちらの着手なのかはすぐに分かるはず。急がば回れ。

追加ヒント

 先手は後手飛が6手目に成れるように協力してから角を入手して51へ打ちます。


推理将棋121-2 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△32飛、▲33角成、△52玉、▲22馬、△37飛成、
▲38金、△同龍、▲51角、△49金 まで10手


(条件)
・10手で詰み
・51角の着手があった(9手目▲51角)
・不成なし

Suiri1212

Suiri1212a51角の着手と言われると、先手が▲76歩、▲33角不成、▲51角不成の5手目に実現可能です。その方針で指してみて、後手は△32飛、△37飛成、△39龍のはてるま手筋で詰めてみたのが参考1図です。

参考1図の手順:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△52玉、▲51角不成、△37飛成、▲58金右、△77角成、▲68金上、△39龍 まで10手

確かに詰んでいるのですが、条件では「51角の着手」なのにこの手順だと▲51角不成なのが気になります。条件を再確認してみると「不成なし」でした。つまり3手目は▲33角成でなければいけなくて、△52玉の次に51への着手をすると▲51馬となり条件を満たしません。

 

Suiri1212bそれでは、51角の着手をしても不成や成が付かない後手が△51角を指せばどうでしょう?
参考2図は、3手目の▲33角成を△同角で取りながら△51角へ移動する準備をし、△52玉のあとに△51角を指したものです。

参考2図の手順:▲76歩、△32飛、▲33角成、△同角、▲58金右、△52玉、▲68金上、△51角、▲16歩、△37飛成 まで10手

確かに△51角の着手は実行しているのですが、そのために手数を使ったので△39龍と指す手数がなくなってしまいました。

先手の角も後手の角も51角を指せないのであれば、どうしたら良いでしょう。それは角を取って、持ち駒の角を51へ直接打つ手順になります。3手目の▲33角成に△52玉と王手をかわした後に▲22馬で角を取り、次の手番で▲51角を指すことができます。33の馬が動いたので6手目は△37飛成で7手目に▲51角と打つと、残り手数は3手。はてるま手筋の後手はあと△39龍とする1手で十分なのに2手余っています。一方、先手は、▲58金右と68地点を埋める着手の2手が必要なのに1手しか残っていません。何処の手順を修正すれば良いのでしょう?

1手戻して6手目は△37飛成までの局面で考えてみると、先手も後手も残りは2手ずつ。先手はそのうちの1手は▲51角を指す必要がありますが、7手目に指すと失敗しました。ということは先手の最終手である9手目に▲51角を指すことになります。先手は7手目の残り1手だけで、後手は37に龍が居る状態から2手で詰める必要があるものの、はてるま手筋での詰みではありません。正解は7手目▲38金、△同龍、▲51角、△49金での詰み形でした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

Pontamon(作者)「もっと早くに指せると思った51角ですが、結局、先手の最終着手の9手目に指すしかないので少しは苦労するかも」

斧間徳子「最初は51角の意味付けが謎で、どこから手を付けてよいか戸惑うが、とりあえず76歩、32飛から始め、不成がダメなので22馬~51角打かなと追っていき解決。謎めいた簡素な条件で時間差の38金まで入った傑作。「51角の着手があった」という奇抜な条件に脱帽。」

■不成なしなので、先手が取った角を51へ打つしかなく、後手は角を取られて使えないとなると必然的に2手目△32飛の筋が出てくるはず。出題の際、「10手の易問」と書きましたが、取っ付きがない条件なのでそれなりに楽しめたかと思います。

のくせに「こちらは素直に解けました。」

■なんせ「10手の易問」ですから。

RINTARO「51角を後手が指す手もしっかり考えました。1が伏線だったのかもしれないですけど、2が先に解けたので、あまり意味はなかったです。」

■先手だと51角不成で「不成」が付くけど不成無しの条件だし、後手だと△34歩、△33角、△52玉、△51角の4手掛かってしまっては残り1手で先手玉を詰ますことができません。(△34歩を突かずに、▲33角成に△同角としても、△51角の後に持ち駒角で2手での詰みはありませんね)

占魚亭「スマートな条件付け。」

■早く指定着手をしたくなる条件。

はなさかしろう「なるほど…この詰み形は手が余るからか、シンプルなのに推理将棋ではあまり見かけなかったように思います。主に待ち手を限定する2条件がぴったり決まっていますね。」

■実現しにくい無駄手を条件にするとシンプルにまとまります。

ミニベロ「まるで見えないのでヒント待ちしていたら、5日後に突然ひらめいた。条件が巧すぎる。」

■「10手の易問」のはずなのですが、相性が悪かったのでしょうか。

諏訪冬葉「まさか▲51角が無駄手だったとは。」

■詰まされる先手の方の着手ですし、地点が51ですので完璧に無駄手です。とは言い切れないか。たとえば、39龍のはてるま手筋で詰むのに32へ戻った龍が▲33角が邪魔していて、▲51角不成とすれば△39龍の1手詰みとか。ま、不成無し条件違反だし、手数も10手では足りないたとえでした。

ほっと「もし51角が後手の着手だとすると、51玉を動かす手が限定できなそうなので先手の着手に決め打ち。7手目38金が見えずに苦労。」

■いわゆる裏読みですね。

渡辺「8手に出来ない不思議な手順。」

■飛成の最短が6手目なので、8手ならはてるま手筋が可能ですが、そうなると無駄手を指す暇がありません。

NAO「手順の組合わせに迷う攻防。金を取らせてから角打で解決。」

■出題のことばの「急がば回れ」です。

小山邦明「角での収束を考えたので難しかった。」

■▲76歩、△34歩、▲22角成のあと、22の馬を△同銀や△同飛で取って、残り3手あるので角打ちから金でも取って金打ちなどが見えてきますが、51角を実現するためには玉移動が必須になるので後手の手数が足りません。

S.Kimura「前回と同様に2問目のヒントで情報が増えないという困った状況になりました.しばらく考えた末に,38金と金を渡せば,49金で詰むことに気付きましたが,もうひとひねりが足りないようです.」

■ヒントをみて「そこまでは分かってるんだよなぁ」は、あるあるですね。

山下誠「先手が角を奪って角を打つ間に後手が使える駒は?と考えました。」

■はい、正解です。後手は飛を使います。

ジェシー「前問とは逆に、5一角をぎりぎりまで引っ張らないといけないのですね。」

■無駄手はいつでも指せます。と言っても急ぐと駄目。

飯山修「飛成後先手の有効手は1手だけ。となると、金の寝返りしかないか」

■条件クリアのための▲51角を置いといて、じっくり考えると気が付く▲38金。

神在月生「お前にかまう気はないからどいてくれ。(32飛→33馬) 52玉・22馬で、51空け・角入手・飛直通の三つの目的を果たす。」

■推理将棋は先後での協力が大切。

津久井康雄「たったこれだけの条件で限定できているのが不思議に感じます。」

■「駒成1回だけど成駒着手なし」なんて条件より「不成無し」が簡素でいい感じ。たとえ条件数が同じでも印象は違いますよね。

原岡望「すかし詰めを警戒していたのに。」

■飛が出ていくときは忘れてはいけない一間龍。その警戒が報われる日は必ず来ます。

変寝夢「ソフト解答です。4手目52玉、5手目22への着手、6手目飛成、9手目51角、全手順通して不成なしで27万局面で35秒ぐらいでした。推理将棋の自玉詰は詰み形が浮かびにくいです。締め切り前ヒントで37飛成まではすぐだったが、38金~49金はまったく浮かばなかった。」

■▲38金、△49金はヒントでも黙っておくべき肝の部分。

緑衾「39龍までの筋だと思い込んでしまいました。」

■ヒント後の解図とのことなので、6手目の飛成と聞くと39龍までのはてるま手筋が思い浮かぶのは仕方ありません。

たくぼん「先手の無駄手の限定方法ですが、少ない条件、文字数でお見事です」

■WFP同様に文字数制限は無いのに短過ぎ。


正解:21名

  斧間徳子さん のくせにさん RINTAROさん 占魚亭さん
 
 はなさかしろうさん ミニベロさん 諏訪冬葉さん ほっとさん
  渡辺さん NAOさん 小山邦明さん S.Kimuraさん
  山下誠さん ジェシーさん 飯山修さん 神在月生さん
  津久井康雄さん 原岡望さん 変寝夢さん 緑衾さん
  たくぼんさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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