« 詰将棋メモ(2019年11月4日) | トップページ | 詰将棋メモ(2019年11月5日) »

推理将棋第120回解答(3)

[2019年11月5日最終更新]
推理将棋第120回出題の120-3の解答、第120回出題の当選者(ミニベロさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第120回出題  推理将棋第120回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


120-3 上級 ミニベロ 作   角にまつわる123問題  12手

12手詰 3条件です。

(条件) 

  • 6手目は歩頭の角を取る手
  • 11手目は歩頭に角不成
  • 12手目の両王手で詰み

出題のことば(担当 Pontamon)

 2つの角着手条件を整理しよう。

追加ヒント

 3手目に取った角を5手目に打ち、後手はこちらの角を同歩で取って10手目に打ちます。

修正

 条件:6手目は角を取る手 →6手目は歩頭の角を取る手


推理将棋120-3 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△34歩、▲22角不成、△84歩、▲85角、△同歩
▲68玉、△86歩、▲77玉、△95角、▲66角不成、△87歩成 まで12手

(条件)
・12手目の両王手で詰み(10手目△95角、12手目△87歩成)
・6手目は歩頭の角を取る手(6手目△85同歩)
・11手目は歩頭に角不成(11手目▲66角不成)

Suiri1203

Suiri1203a先手は取られた角を取り戻して後手陣へ打って11手目に角不成の手を指し、後手は両王手で詰ますという難ミッションです。

両王手の主役は飛角。後手の飛を世に出すための手筋が思い浮かびます。しかも先手は33の歩を取って飛が出る道を空けつつ後手に角を取らすことができます。

思い付いたのが12手目△57飛成の両王手までの参考1図です。手順は、▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲46歩、△96角、▲同歩、△15角、▲22角、△37飛不成、▲44角不成、△57飛成 までですが、よくよく見ると後手が角を取ったのは6手目ではなく4手目でした。角のやり取りを手番も入れて考えると後手は6手目に角を取って、8手目に打ち、先手は9手目に角を取り戻して11手目に角を打てば角不成は13手目になってしまいます。6手目に取った角を後手から先手へ渡すのはそもそも無理だったのです。

 

Suiri1203b角の受け渡し方法を考え直してみます。次は、▲76歩、△34歩、▲22角不成の手順で先手は後手の角を取ってみます。後手は6手目に22の角を取ることができ、先手も持ち駒の角を5~9手目に打てば11手目に歩頭へ角不成が可能で、2つの角条件をクリアできます。ところが問題がありました。参考2図は▲22角不成のあと△32飛、▲46歩、△22銀で6手目に角を取った局面です。先手は角を打ってから11手目に歩頭へ角不成をすればよいのですが、不成ができる地点へ角を打つには△33角で王手をしなければいけません。参考2図の局面から後手の3手だけでも両王手に持って行くには手数が足りていないのに、王手の応手は無理です。かと言って、先手が▲12角、▲23角不成、▲14角不成などで歩頭への角不成に3手掛けることもできません。

6手目に角を取るという条件クリアのためにはもうひとつの手順があります。それは▲76歩、△34歩、▲22角不成の手順で先手が取った角を5手目に打って後手に同の手で取らせば、22角不成とした角を11手目に▲44角不成もしくは▲66角不成を指すことができます。

5手目に角を打つ場所と両王手の形を考えてみます。▲76歩、△34歩、▲22角不成、△何か、▲xx角、△同〇で後手は角を入手し、次の8手目か10手目にその角を打って両王手の片割れとして使うことが予想されます。両王手の形としては、飛や香の利きを角で止めておいて最終手で角が動いて両王手するには、玉が飛や香の筋まで移動する必要がある他、飛や香の先にある歩の処理も必要なので手数が足りません。となると打った角の筋に玉が居て、この角の利きを他の駒で止めておいての空き王手で、動いた駒自身でも王手しなければいけないので最終手は駒成になります。角の利きを通す駒は、歩、香、桂、飛のどれかになりますが、駒成した駒を同玉で取られて逃げられないためには、駒成する駒の支えも必要になります。ここまで考えると角の利きを止める駒は歩で、支えとなる飛が居る8筋の歩を成ることが分かります。83の駒が△87歩成するまでには4手が必要で、他に角を打つ手も必要なので、2手目の△34歩と合わせてこれが限界です。6手目に角を取るには、先手が歩の先へ角を打って△同歩と取らせる協力手が必要になります。

△87歩成までの両王手だと、角の打ち場所は△95角で確定します。

4手目からの△84歩、▲85角、△同歩が確定します。角は△95角なのでその利きに玉があってしかも△87歩成で王手が掛かる位置となると▲77玉になります。したがって、▲68玉、▲77玉が必要です。11手目は角不成の手が指定されているので、7手目からは▲68玉、△86歩、▲77玉、△95角です。さて11手目の歩頭への角不成は▲44角不成と▲66角不成が可能ですが、正解は玉の退路を塞ぐ▲66角不成が11手目になり△87歩成の両王手で詰みとなります。

斧間徳子さんから余詰指摘があり、条件を修正しました。
ご指摘のあった手順は、
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△52玉、▲22角不成、△同銀、
▲51角、△15角、▲46歩、△37飛成、▲24角不成、△57龍 まで12手
7手目で先に▲46歩を指して8手目△37飛成なら、9手目に▲33角と打って11手目に▲44角不成や▲66角不成も可能でした。
この余詰の手筋は解説の参考1図で検討していたはずなのですが解図力不足による粗検をお詫び申し上げます。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「皆様に大変ご迷惑をおかけしました。深くお詫びいたします。」

■担当の力不足で、好作に傷が付いて申し訳ありませんでした。

斧間徳子(双方解)「後手が飛先を伸ばすのは両王手と無関係そうなので思い浮かびにくい。手順もダイナミックで見事な応酬。」

■角の条件だけなので、飛先の歩を伸ばすのは気付きにくいと思います。

渡辺(双方解)「6筋に飛を回って手が足りてなかった。左右反転すればあらゆる問題が解決。」

■両王手と聞いて、飛角ではなく43歩成までの11手が思い浮かんで先後を変えてみたのですね。流石ですね。

はなさかしろう(双方解)「77玉でしたか~~。駒がよく機能していて気持ち良い詰め上がりですね。」

■解答強豪の4名から早々と余詰手順を報告していただきました。

NAO(双方解)「好作。5手目の角打ちが攻めを加速させる協力手。3手目に角を取って敵陣に角を残す筋でないと先手の協力手68~77玉が間に合わないという狙いでしょう。余詰順は先手の協力手が46歩の1手で済むので9手目の角打が間に合ってしまった。修正で歩頭条件が入って、取り組み安い易問となりました。」

■▲76歩、▲22角不成、▲44角不成、△同歩での角取りが僅かな望みでしたが、歩頭条件でぐっと難度が下がりましたか。8筋以外にも歩はありますが、やはり飛先の歩ですよね。

RINTARO「両王手の形を考える。3手目までは必然。6手目が5手目に打った角と考えると8筋を伸ばす形が思い浮かぶ。同時に詰み形が見える。5手目に気付くまで1時間は考えました。」

■取る角が5手目に打った角だと考えると36地点が見えそうなんだけど8筋に目が行きましたか。

ほっと「これも87歩成の筋だった。いかにも余詰が怖い条件設定だが、余詰順は発見できず。」

■本来なら見つけていなければいけない余詰筋を検討していながら、担当も余詰順は発見できませんでした。なので余詰作を出題したのですが...。

小山邦明「逃げ道封鎖の11手目が大悪手。」

■歩頭への不成は▲44角不成もありますが、11手目まで行っていればここでは間違えないですね。でも3手目に▲22角不成を指した時点では、5手目にこの角を取るのか残すのか、残したとして▲44角不成でなければいけない理由は▲66角不成だと角の利きのために詰まなくなるのかな等いろいろ考えてしまいます。(両王手のことを忘れていて、推理将棋らしい奇手の可能性を考えると)

諏訪冬葉「「飛車を使う両王手は手が足りない」「小駒を使う両王手はヒモが必要」なのであきらめかけてました。」

■最初から飛のヒモが付いている8筋の歩突きが間に合いました。

のくせに「追加ヒントで解けました。角ロンダリングで95にワープ。」

■「10手目に打ちます」が効いたかな。「5手目に打った方の角を同歩で取る」のヒントだと足りない気がしたので。

S.Kimura「余詰修正のため,歩突きで角を取らせるという発想が思い浮かび,最初は3筋で,その後8筋で取らせることに至り,解が発見できました.この修正は痛かったでしょうね.」

■はい、痛かったです。「歩成り」で両王手詰みという案もあったのですが、根こそぎ作意を晒すことになるので「歩頭の角取り」になりました。出題前に担当が余詰を発見していれば、時間を掛けて別条件の好作が完成していた可能性があるので、担当の力不足が申し訳なくて。

山下誠「最終手を3七歩成と決めつけて大いに悩みました。11手目が大きな鍵でした。」

■22の角が歩頭へ角不成となると2択で、何か意味のある手だと考えると玉の退路封鎖に気付きます。

占魚亭「大苦戦。84歩が間に合うとは!」

■角取りの準備をしないといけないときに悠長に△84歩は突き難いです。△84歩は、行き掛けの駄賃になる△85同歩のための準備にもなっていました。

変寝夢「やはり6手目辺りに条件がつくとかなり考えやすいですね。久しぶりに12手の長丁場が解けて気分が良くなりました。」

■手順を絞れる条件がマイルストーン替わりにあれば解き易いですね。その真骨頂が94問題。

飯山修「直前ヒントの追加がほしいがこれ以上は無理か」

■解答の集まりが悪かったのでヒントが足りなかったのかと思いました。ヒントを足すとすると8筋という情報か最終手が歩成くらいしか残ってません。

津久井康雄「34歩を使うものと思い込みしばし迷走。84歩からで間に合うのが意外でした。」

■34歩と突いているので有効活用したくなりますね。

原岡望「飛車を動かすことばかり考え大苦戦」

■飛を動かす手順での余詰がありましたが、見つからなかったようですね。担当は余詰の詰み形はチェックしていたのに途中の手順の変化を見落としてました。

神在月生「飛角だけの両王手は難しいので、飛角歩で考えてみる。最初に歩の勢いから右(36)を考えてしまうが、どうしても手数超。切り替えて左で考えてみると思いの他スンナリ。」

■最初から歩に目が行くのは、歩の遅早の教訓の効果ですね。


正解:18

  斧間徳子さん  渡辺さん  はなさかしろうさん  NAOさん  RINTAROさん
  ほっとさん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん  のくせにさん  ミニベロさん
  S.Kimuraさん  山下誠さん  占魚亭さん  変寝夢さん  飯山修さん
  津久井康雄さん  原岡望さん  神在月生さん


総評

斧間徳子「今月は見事に飛先歩成シリーズでした!短編推理将棋のほとんどは角が主役なので、まずは角の手から読む習性がついてしまい、思いの他、解図に時間がかかりました。」

■出題に趣向を入れることができるのもこれが最後かも。

渡辺「飛先の歩成3本。最後だけ難易度が跳ね上ってます(初級、初中級、超上級)。」

■難易度が跳ね上っている3問目のヒントになるかと思い、最終手歩成で揃えてみました。

NAO「古くて新しい形。7手詰基本型もまだまだ発展していますね。」

■余詰が少ないはずなので取っ付き易い。と言いつつWFPで余詰作を投稿してしまいました。

RINTARO「3問とも23歩成の基本7手の応用でしたね。」

■はい、初級はそれとわかるのですが、中級と上級がまさか飛先の歩を進める手筋だとは気付き難かったはず。

ほっと「似た筋で揃えたのは意図的なものか、それとも在庫がないのが理由か。さて真実はいかに?」

■今回は新旧担当の特集でした。特集にする話はしていなかったのですが、提供いただいた作品で偶然にも歩成の手筋で揃えることができました。在庫温存で121回~127回(年賀の124回を除く)は担当から2題のパターンで出題稿と解説も準備できています。作品投稿があれば順次担当作と入れ替える予定です。年賀推理の投稿がなければ124回は担当作での個展になるかも。

S.Kimura「今回はヒントの加減が難しいのかな,と感じました.」

■上級のヒントの加減が難しかったですね。難問なのはわかっていますがヒントの出し過ぎも興ざめでしょうから。

占魚亭「今回は2と3にかなり苦しめられました。もう少しお手柔らかにお願いします(笑)」

■121回は出題予定を変更して易しくしました。(本当かよ?)

変寝夢「PCなしに全部解けると気持ちいいもんですね。」

■暗算ですか。担当は将棋盤代わりにPCではKifu for Windows、スマホではびよ将棋を使ってます。

津久井康雄「中級・上級を追加ヒント無しで解ける気がしませんので、今後も追加ヒントよろしくお願いします。」

■ヒント前の初級くらいの難易度になるようなヒントを出せればいいのですが...。

緑衾「今月は2問だけ残念です。」

■次回以降での全問正解を期待しています。

神在月生「最早解答は無理なので、10日23:59の最遅解答を狙いました。(というのはウソで、パラ9月号に手間取って手が回らなかった→パラの方は一問だけしか解けず・泣)」

■担当が推理将棋を始めた頃は、全問正解、ヒント前解答、月末までの解答(当時は23日頃の出題)、3日以内の解答、一番槍を目指すという感じで目標を変えて数年過ごしてました。


推理将棋第120回出題全解答者: 19名

  斧間徳子さん  渡辺さん  はなさかしろうさん  NAOさん  RINTAROさん
  ほっとさん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん  のくせにさん  ミニベロさん
  S.Kimuraさん  山下誠さん  占魚亭さん  変寝夢さん  飯山修さん
  津久井康雄さん  原岡望さん  緑衾さん  神在月生さん

当選: ミニベロさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。


◇年賀推理将棋の作品募集◇

第124回(2020年1月13日頃出題)は全投稿作採用の年賀推理将棋特集の予定です。難易度問わず作品を募集します。投稿〆切12月20日。

年末年始、年賀詰("2020", "20", "2", "11", 干支"子"、にちなんだ推理将棋)

|

« 詰将棋メモ(2019年11月4日) | トップページ | 詰将棋メモ(2019年11月5日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 詰将棋メモ(2019年11月4日) | トップページ | 詰将棋メモ(2019年11月5日) »