推理将棋第122回解答(2)
[2019年12月23日最終更新]
推理将棋第122回出題の122-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第122回出題 推理将棋第122回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
122-2 中級 NAO 作 龍に追われる 10手
「たったの10手で詰まされたって?」
「初の成る手を指されたので慌てて玉を逃げたんだけど、龍で連続王手を掛けられて参ったよ」(条件)
- 10手で詰んだ
- 初の成る手に対して玉の手で応じた
- 龍で連続王手を掛けた ※
※龍の着手で連続王手を掛けたという意味です。
出題のことば(担当 Pontamon)
連続王手ですので龍での王手は2回以上です。
追加ヒント
最初の龍での王手は飛を取っての王手です。
推理将棋122-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲88銀、△37飛成、 |
![]() |
後手が龍を作るには最短で6手なので、そこからの龍による連続王手2回だとすると丁度10手で良さそうなのです。最初の成る手を▲33角成にすると△同飛ではなく玉を逃げる手を指さなければいけないので、参考1図のように12手掛かってしまいます。後手の玉が逃げる手に乗じて先手玉は49へ移動して龍による連続王手を可能にしているのですが、この2手のために2手オーパーです。 参考1図の手順:▲76歩、△32飛、▲33角成、△62玉、▲58金右、△33飛、▲68金上、△37飛成、▲49玉、△38龍、▲59玉、△39龍 |
![]() |
3手目を▲33角不成とすれば4手目は△同飛ができるので6手目に△37飛成が可能です。しかし、2回の龍の王手ができるように▲49玉を指していると68地点の玉退路を塞ぐ手ができなくて参考2図のように失敗してしまいます。 参考2図の手順:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲58金右、△37飛成、▲49玉、△38龍、▲59玉、△39龍 初の駒成に玉の手で応じていて、龍の着手での連続王手も実現していまが詰んでいません。 そこで、5手目から、▲38金、△37飛成、▲68玉 と逃げて、△38龍に▲59玉と戻れば△49金で詰みですが龍での王手は1回だけになるので失敗です。 なお、▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲46歩、△15角、▲48玉、△37飛成、▲59玉、△57龍 までの両王手での詰みの手順では、8手目の△37飛成での王手が龍での王手になっているため、10手目の両王手の片方の△57龍と合わせて龍の連続王手との主張もありそうなので、出題のことばでの補足だけでなく注釈を追加させていただきました。 |
![]() |
8段目の1回目の龍による王手に対して59へ戻るのではなく玉が逃げる場所を先に作っておく手順がありそうです。それができるのは5手目なので、7手目に68へ行った玉が逃げる場所として79地点を空けておく▲88銀を5手目に指しておくと良さそうです。
5手目から▲88銀、△37飛成、▲68玉、△8段目の龍、▲79玉 となれば、68~88のどこかの地点への龍移動が2回目の王手になります。盤全体を眺めると、22の角が88へ利いているので、10手目は△88龍で良さそうです。この龍を▲同飛で取られないために、1回目の龍での王手は△28龍で飛を取り払っておきます。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAO(作者)
「条件文が会話と一致していなかったのは失敗。10手では先手の飛成がまずないので、含みに残すまでもなく
・初めて成る手に対して先手は玉を動かした
・後手は龍を動かして連続王手を掛けた
このように条件を明示すべきでした。」
渡辺「序盤の4手は条件から決定するのだがその後がバカ詰を解いている気分。飛を成っての王手も相手からみると「龍で王手を掛けられている」ので「龍を動かして王手」と言う方が良いですね」
■出題のことばでの補足ではなくて、条件で明示すべきでした。
小山邦明「飛が早く成るためには4手目までは必然で、5手目の8筋への銀の移動が意表を付く面白い手でした。」
■先を見越していなければ指せない手です。
リーグ戦ファン「超有名な8手単騎詰の一手増量?と思わせておいて…実は遠い88が争点となる10手超有名作の応用。騙された感が気分爽快。隠れ場所がない一本道のコリドーに敵のビームが来て、一瞬ぽっかり空いた79のマスに逃げ込む、なぜかレトロゲーム(ロードランナーとか)を思い出しました。」
■まずは疑う、はてるま手筋。
斧間徳子「4手目まではほぼ必然なのに、88銀~79玉がなかなか思い浮かばず苦戦した。」
■見たことがない詰み上がりでした。
諏訪冬葉「はてるま手筋だとうまくいかないが他にサポートできそうな駒は・・・あっ、こんなところにいた。」
■使うつもりは無かったのに自陣角がいい仕事をしました。
のくせに「龍単騎しかないと思い込んで苦戦。まさかの大転換でした。」
■8手目△39龍、10手目△28龍では49と59に玉の退路があって失敗します。
ほっと「この龍の動きは初めて見た気がする。」
■過去作品を見直してみましたが初めてのようです。
緑衾「はてるま手筋かと思ったら違ったのですが、飛成までは合ってたので解きやすかったです。」
■6手目の飛成までは一直線でも残り4手が難しかったはずですが、なんなくクリアされましたか。
RINTARO「4手目までは必然で6手目も37飛成しかない。その後の2手は龍を動かすしかないので龍の単騎詰かと思ったが、全然足りない。もしや22角を使うのではと考えたとき、88龍に気付いた。好作。」
■不動の22の角に気付かなければ、龍単騎しかないと考えるのが論理。
たくぼん「王が左へ移動する手はなかなか思いつかなかった。88銀がすこぶるいい手でした」
■玉の退避場所を作るとともに最後に取らせて88への利きを無くす絶妙の協力手。
変寝夢「ソフト回答です。4手目までは割合早く見えたが、88銀が盲点。大きな表現でびっくりしました。プラス条件初手76歩6手目37飛成7手目玉で、37万局面1分で3手目が非限定の2解を抽出。」
■局面数と所要時間は比例関係じゃないのですね。
神在月生「右辺での詰みからの脱却が必要。」
■玉の上を行き過ぎる龍の動きは自陣の角があることに気付くかがカギ。
はなさかしろう「以前、条件付けを考えたのですがピタッと決まらなかった手順でした。なるほどの「龍で連続王手」、ぴったりですね。」
■初めて見る龍の動きも既に検討済みの詰み手順でしたか。
原岡望「竜から遠ざかった積りだったのに。」
■玉は龍から遠ざかり、龍に追い越されたのに詰んでいた。
飯山修「88銀が絶妙」
■これを発見した時に「なるほど」と唸った人も居るでしょうね。
S.Kimura「龍単騎で詰ませると勘違いしていたため,こちらもヒントで情報が増えた気がせず,自陣角の利きを活用すればよいことになかなか気が付きませんでした.」
■どうしても戦場を注視しがち。「よく見るよろし」ですね。
正解:18名
テイエムガンバさん 渡辺さん 小山邦明さん リーグ戦ファンさん
斧間徳子さん NAOさん 諏訪冬葉さん のくせにさん
ほっとさん 緑衾さん RINTAROさん たくぼんさん
変寝夢さん 神在月生さん はなさかしろうさん 原岡望さん
飯山修さん S.Kimuraさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第150回解答(2)(2022.06.25)
- 推理将棋第150回解答(1)(2022.06.23)
- 推理将棋第151回出題(7月10日まで)(2022.06.13)
- 推理将棋第149回解答(3)(2022.05.25)
- 推理将棋第149回解答(2)(2022.05.23)
コメント