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推理将棋第123回解答(3)

[2020年1月30日最終更新]
推理将棋第123回出題の123-3の解答、第123回出題の当選者(のくせにさん)を発表します。

推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第123回出題  推理将棋第123回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


123-3 上級 上谷直希 作  ワン、ツー、スリー 12手

「12手目の小駒の手で詰みですね」
「後手の着手は1筋に1回、2筋に2回、3筋に3回。きれいな配分です。不成が複数回登場するトリッキーな対局と感じましたがいかがでしょうか」
「6手目の角の手が強烈でした。その角は後の手順で不動でしたが、だからこそ光る1手とも言えるかもしれませんね」

(条件) 

  • 12手目の小駒の手で詰み
  • 後手の手は1筋に1回、2筋に2回、3筋に3回
  • 6手目に着手した角は後の手順で動かなかった
  • 不成の手が複数回あった

出題のことば(担当 Pontamon)

 後手着手は1~3筋だけなのに詰みに関与する6手目の角着手をするには?

締め切り前ヒント

 後手は桂を跳ねて行き、とどめは両王手です。

【余詰修正】
会話
「12手で詰みですね」⇒ 「12手目の小駒の手で詰みですね」
条件
・12手で詰み ⇒ 12手目の小駒の手で詰み


推理将棋123-3 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△32飛、▲33角不成、△桂、▲48玉、△18角
▲38玉、△25桂、▲48銀、△37桂不成、▲39玉、△29桂成 まで12手

(条件)
・12手目の小駒の手で詰み(12手目△29桂成)
・後手の手は1筋に1回、2筋に2回、3筋に3回(6手目△18角、8手目△25桂、12手目△29桂成、2手目△32飛、4手目△33同桂、10手目△37桂不成)
・6手目に着手した角は後の手順で動かなかった(6手目△18角)
・不成の手が複数回あった(3手目▲33角不成、10手目△37桂不成)

Suiri1233

6手目に角の着手を指定されていますが、後手の全着手の筋は限定されているので△14歩や△12香からの1筋の角着手はできません。3筋なら3回の着手ができるので、△34歩からの△33角や△32銀からの△31角などができます。これらの角着手は最短で4手目に可能ですので、6手目にさらに角を動かして、詰みに都合の良い地点への移動ができるかもしれません。詰みに効果がありそうなのは、△33角から△15角でしょうか。

Suiri1233a後手の着手だけで6手目に角の着手をする手順を考えましたが他の手順としては、3手目に先手が▲22角不成か▲33角不成をした角を4手目に取って、6手目に好きな地点へ打つ手順があります。

4手目に先手角を取るにしても、1~3筋での着手数が限定されているので効率が良いのは、▲76歩、△何か、▲33角不成の時に、△同角とするか△同桂とするか、4手目に33へ移動できるように2手目に32銀、32金、32飛、32玉としておいて▲33角不成を同で取る手があります。端歩や△25金などで先手玉を詰める形があるので先手玉は中段へ進出させてみます。参考1図は、初手から、▲76歩、△32金、▲33角不成、△同金、▲48玉、△12角、▲46歩、△34金、▲47玉、△24歩、▲36玉、△25金 までの12手を指した局面です。6手目の△12角によって、45地点の玉の退路は抑えていますが、47の退路は空いたままです。もし、6手目に△16角としておいて同手順で進んで、最終手を△25角にすると47地点の退路を抑えることはできますが26地点が玉の退路として空いているので失敗です。(6手目に打った角を動かしてしまうし)

攻めを考えると有力な2手目は△32飛でしょうか。3手目に▲33角不成で飛先の歩を取ってもらうと先手陣まで飛の利きが直射します。4手目に取った角は好きな地点へ打ちますが、その後の着手は禁じられています。ここで注意しなければいけないのは、6手目の着手した角はそれ以降で動かすことはできませんが、別の角の着手が禁じられている訳ではありません。そんなミスディレクションには引っ掛からないぞという手順が参考2図になります。

Suiri1233b参考2図の手順:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲58飛、△28角、▲16歩、△15角、▲17桂、△24歩、▲48玉、△37角上成 まで12手

参考2図では先手玉が見事に詰んでいて、4手目に△33同角とした角はその後△15角から△37角上成と2回の移動をしています。なので、6手目に△28角の代わりに△15角を指してしまうと最終手で△37角成とできないので注意が必要です。無事、解図できたと思ったのですが、「不成の手が複数回あった」の条件を満たしていませんでした。先手の▲37銀が間に合っていれば最終手は△37角上不成でも詰むので「不成の手が複数回あった」の条件を満たすことができたのですが僅かに届いていませんでした。

4手目△33同飛の後、不成回数条件を満たす△37飛不成からの△39飛成のはてるま手筋では3筋の着手回数をオーバーするので失敗です。そうなると4手目は△33同桂でしょうか。6手目の角打ちする地点はちょっと置いておいて、桂が33に居座っていては飛を使えないので跳ねるのですが条件から8手目は△25桂しかありません。これで37地点へは25の桂と32の飛が利いているのでこの地点の着手で玉を詰めるのなら、4手目からの手順は△33同桂、▲48玉、△xx角、▲38玉、△25桂です。37地点の先手の守りの桂があるのでそっぽの▲17桂と移動させるために9手目から▲16歩、△何か、▲17桂、△37飛成/37桂成 で詰めるなら玉の退路として空いた29地点をカバーする必要があります。そこで6手目は△18角です。

これで詰んでいるのですが、参考2図と同様に「不成の手が複数回あった」の条件を満たしていません。そこで6手目は△18角で8手目の△25桂の局面まで戻ってみます。盤面をみていると後手は残り2手で△37桂不成から△29桂成の空き王手が見えますが、先手は歩を持っているので合駒可能です。しかし、△29桂成が両王手なら合駒される心配はありません。先手は△29桂成が王手になるように玉を39へ持っていきます。すなわち、9手目から▲48銀、△37桂不成、▲39玉、△29桂成の12手目の両王手で詰みとなります。

余詰手順は有名な手筋のオンパレードでした。粗検、申し訳ありませんでした。

両王手△28飛不成
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲26歩、△15角、▲36歩、△同飛、▲48玉、△26飛、▲何か、△28飛不成

両王手△29飛不成
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲58金右、△16角、▲48銀、△37飛不成、▲49玉、△27飛不成、▲18飛、△29飛不成

48銀をピンして△29飛不成
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲68飛、△15角、▲58金右、△37飛不成、▲48銀、△27飛不成、▲36歩、△29飛不成

二枚角
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲68金、△15角、▲58玉、△37飛不成、▲32歩、△27飛不成、▲46歩、△25角

玉頭への△27飛成
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲18飛、△16角、▲48玉、△24歩、▲38玉、△37飛不成、▲28玉、△27飛成

玉頭への△37飛成
▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同桂、▲16歩、△26角、▲17桂、△25桂、▲48玉、△17桂不成、▲38玉、△37飛成

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

上谷(作者)「拙作が余詰とのことで大変申し訳なく思います。」

■粗検、申し訳ありませんでした。

RINTARO(双方解)「予想通り、作意は桂を使う手順でした。最終手小駒ってことで、かなり手が限定されますね。」

■元の条件や会話の変更内容が一番少ない修正でしたが、限定がかなりきつくなったようです。

NAO(双方解)「38玉を引く手と9段目への桂成を使った両王手の詰形が斬新。」

■新担当への修正作の再投稿だったのですが、『原案にあった条件「後手は角を取った直後の手番で角を打った」を変更したことが裏目に出ました。』とのコメントがNAOさんからありました。元作品を見ていませんが、4手目同角ではなく同飛でも直後の手番で角を打てるので条件修正されたのかな?

ほっと(双方解)「(余詰解)5手目が58飛~98飛でもOK、また18飛の場合は5~9手目が手順前後成立なので余詰でしょうか。
(作意解)詰上りが見えず、直前ヒント待ちになってしまった。なるほど両王手か。」

■飛角での両王手が主流ですが、飛と小駒での両王手だと詰み形が浮かんで来ないかもしれません。

ミニベロ(双方解)「ヒント待ちでやっと解けた。効率の悪い玉の動きは、推理将棋では通常使わない順。全く見えなかった。」

■解答4人目にして4つ目の余詰手順でした。大駒と小駒のコンビの両王手作を作られていても他の作者に出されると見え難かったですか。

リーグ戦ファン「桂の連続跳躍問題(私は大好き!)には珍しく守備側の囲いに手順前後の余地がない綺麗な筋なので、こっちは手順が先に完成されていて、後から123狙いの条件付けに当てはめたのだと想像します。」

■詰み形や手順に趣きがある作品の場合、条件付けに一苦労することが多いです。本作ではピッタリのワン、ツー、スリーを見つけたのだと思います。

斧間徳子「今月はこれが一番早く解けました。桂の4段活用は爽快です!」

■難易度設定は間違っていないと思うので相性と閃き具合の違いでしょうか。

のくせに(双方解)「小駒の手で詰みが大きなヒントで、桂馬が出ていく以外ないと推定。15角の空き王手をまず考えましたが、33で取った歩の処置に困り、両王手を発見。」

■32の飛だけの空き王手だと歩の合いができてしまいます。打ったら動かない角がいい仕事をします。

諏訪冬葉(双方解)「(余詰解)11手目の選択肢が16通り・5手目と7手目の手順前後・9手目と11手目の手順前後で70通り以上の解があります。
(作意解)桂馬をはねて両王手
△14角+△25桂→△37桂成:ならずの回数が足りない
△24飛+△25桂→△37桂生:圧倒的に手数が足りない
と思ってたらもう一回跳ねるのか」

■悩んだ末の解後感は爽快だったことでしょう。

小山邦明「手順1の方だと1筋の手が複数あったり、37飛不成との手順前後が成立。手順2の本命手順は、見事な桂の4段活用ですばらしい。」

■解答いただいた手順1の△26角と△27飛成での空き王手では▲37歩の合いが利くので条件を満たしていませんでしたが、手順2は作意順での正解でした。

たくぼん「これは両王手というヒントがなければかなりの難解作でしょう。当初角と桂の両王手を考えましたが手数が足りませんでした。」

■角との連携だと桂成を支える駒の手配が大変そうですね。

緑衾「手順と条件は面白かったのですが、余詰修正がヒントになってしまったのが残念です。」

■小駒の着手で詰みとなると駒種は絞られるうえに筋の着手回数の制限があるので解図し易くなりました。

飯山修「桂の両王手という事で14角25桂47玉を考えたが56の脱出口を止められず」

■△37桂成を支える駒の手配だけじゃなくて、脱出口を塞ぐ手も必要なので手数が足りないのですね。

山下誠(双方解)「6手目の角を角の移動と考えて悩み、次にどこに置くかで更に悩みました。最終ヒントの両王手がなければ、1八角を思いつきませんでした。」

■結果論ですが、余詰解の中にも両王手の手順があるので条件として両王手は使えません。

S.Kimura(双方解)「桂馬を使うことは気付いていましたが,玉を39に動かすのは無理と勘違いしていたので苦労しました.私にしては珍しく,28で飛車か角が成る余詰解の方が早く見つかりました.」

■▲18飛とか▲58飛で飛が退いて、▲28銀で場所を空けてからの▲39玉が普通の動きなので、本作での△39玉までの手順は浮かび難いでしょう

変寝夢「7六歩、3二飛、3三角生、同飛、で1五角と打って3七飛生から両王手、と思ったら最終手小駒だった。7六歩、3二飛、3三角生、同桂からもう一回桂を動かすことを念頭に考えたが詰まない。残念。」

■あと2回桂を動かせば詰みがありました。

DJカートン「確かに△1八角は「強烈」だ。両王手というヒントがなかったら△1八角なんて手は全く思い浮かばなかった(そして10分後に投げた)でしょう。」

■普通は攻め駒として使う角を一手しか使えないのでどうやって攻めるのかと思いきや、大駒を贅沢に成桂の支えにする形でした。

占魚亭「桂跳ねて両王手で詰みなのは予想できるが、この条件での組み立て方が全く浮かばない。」

■角と桂での両王手を検討されたのでしょうか。

原岡望(余詰解)「余詰の方ですが」

■締切日にして6つ目の余詰解でした。△17桂不成で29地点をカバー。

はなさかしろう(双方解)「後手の桂跳ねは本命でしたが、先手の39玉のしゃがみ直しがなかなか見えませんでした。」

■初形の右銀位置への玉移動が想定する経路と違い、48からなら一手で行ける39地点を38経由で移動する手順は見え難いです。


正解:19名

  RINTAROさん  NAOさん  ほっとさん  ミニベロさん
  リーグ戦ファンさん  斧間徳子さん  のくせにさん  諏訪冬葉さん
  小山邦明さん  たくぼんさん  緑衾さん  飯山修さん
  山下誠さん  S.Kimuraさん  変寝夢さん  DJカートンさん
  津久井康雄さん  原岡望さん  はなさかしろうさん


総評

RINTARO「3問ともあっさり解けたけど、すっきりしない。」

■初級の条件の解釈とか上級の余詰手順とかで解後感を得られなかったですね。

NAO「123特集。大駒で組んだ1, 香が止めの2, 桂が主役の3, いずれも楽しめました。」

■偶然開催できた123特集でした。もうこの後は特集ができるような在庫状況ではなく、4月の127回くらいの出題が最後で休載になる恐れが...。新作とか条件変更したリメイク作品の投稿をお待ちしています。

ほっと「推理将棋第123回の解答です。123-3が余詰っぽいので早目に解答を出します。」

■余詰み指摘、ありがとうございました。そして初級の条件の解釈でご迷惑を掛けました。

斧間徳子「今月は難し目でした。初級の24歩、中級の14歩、上級の18角のように効果がすぐにわからない手があると難し目になりますね。123に因んだ特集を組めるというのは凄いと思いました。」

■作品の在庫状況から言えば特集を組めたのは奇跡に近かったです。7月にはオリンピック特集を開きたいのですが作品が集まるかどうか。元日の「たくぼんの解図日記」によるとWFPでは早々と2月号で「オリンピックに因んだフェアリー作品(推理将棋含む)」が開催される予定のようです。こちらへの投稿作が残るかどうかがカギ。

諏訪冬葉「「角二枚で退路を塞いで香車」「桂馬の4段跳ね」どちらもノーヒントでは無理です。」

■「詰み上がりが特殊なものは作品になる=解図が難しい」ですね。

たくぼん「三が日に解くにはちょうど良い難易度でした。余詰は(基本作者の責任でしょうから)致し方ない部分もあると思います。余詰を恐れず楽しめる作品を今年もよろしくお願いします。」

■その作者責任の余詰作を「ちょっと早い2020年年賀詰作品展」へ投稿し、しかも二度の余詰修正とは、トホホ。

緑衾「1、2、3を絡めてきれいにまとめた問題ばかりでした。こういう条件からの逆算での作題ってどうやるのでしょうか。」

■この手の条件では逆算での作図ではなく、設定した条件で詰めることができる詰み形を探索することが多いでしょう。

飯山修「前回122-3の66を発見した時はうれしかった。直前ヒントで66が提示されているとこの感動を味わえなかった事になる。私案だがヒントは初級は出題の最初から甘目で客寄せし、上級は最後まで辛目というのが良いのでは」

■ヒント投入の参考にさせていただきます。甘目のヒントでないと10分で解図を投げられても困るので、どうしたら良いものか。(笑)

S.Kimura「明けましておめでとうございます.本年もよろしくお願いいたします.今回は123-3の作意解がヒント待ちでしたが,直球ヒントだったので,助かりました.」

■上級のヒントはもう少し辛目でも良かったかな?

変寝夢「自作ソフトは透かし詰不可(協力系の詰み判定を行っているため)のため、透かし詰OKならば厳しいことになってしまいます・・・・。」

■形は透かし詰(王手している駒と玉の間が空いている)ですが推理将棋では無駄合いができるので自作ソフトの判定でOKだと思います。素人考えだと透かし詰判定を入れるの方がプログラミングが面倒な気がします。

DJカートン「起床後(出勤前)に考えたら3問合わせて20分未満で解けた。推理将棋も午前中に考えた方がいいのかも知れません(←意味はブログをお読みください)。」

■2019/12/29のブログを拝見しました。そう言われれば私も通勤の行きの電車の中で解けることが多いです。

津久井康雄「今回は解けたように思いますので応募します。よろしくどうぞ。中級と上級は追加ヒント無しでは手も足も出ませんでした。」

■123回は全問正解でした。解けなくても感想を送っていただくと作者の励みになりますのでよろしくお願いします。

神在月生「不覚にも酔ってしまい、最終日の馬鹿力は発揮できず、今回は一問のみ(泣)」

■年末年始での飲酒に身体が慣れて、アルコールの吸収能力が上がってしまったとか...。(笑)


推理将棋第123回出題全解答者: 21名

  RINTAROさん  NAOさん  ほっとさん  ミニベロさん
  リーグ戦ファンさん  斧間徳子さん  のくせにさん  諏訪冬葉さん
  小山邦明さん  たくぼんさん  緑衾さん  飯山修さん
  山下誠さん  S.Kimuraさん  変寝夢さん  DJカートンさん
  津久井康雄さん  占魚亭さん  神在月生さん  原岡望さん
  はなさかしろうさん

当選: のくせにさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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