推理将棋第123回解答(1)
[2020年1月24日最終更新]
推理将棋第123回出題の123-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第123回出題 推理将棋第123回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第123回解説 担当 Pontamon
2019年最後の123回は21名から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
123-1では大駒の着手の解釈が分かり難かったようです。申し訳ありません。
余詰があった123-3では約半数の解答者から作意順と余詰の双方の解答をいただきました。
123-1 初級 Pontamon 作 123と言えば 9手
「1,2,3と言えば『1,2,3,ダー』以外に何が思い浮かぶ?」
「2桁にして12、23、31の一巡。1,2,3の3つの数字を足しても掛けても6、123は3で割り切れて商は41」
「いろいろ出たね。今日の9手で詰んだ対局は、3つの大駒による着手がそれぞれ1回、2回、3回で、12、23、31の3地点への着手は異なる大駒の種類だったんだ」
「最初は2種類しかない大駒だから、少なくともひとつは駒成したってことか」(条件)
- 9手で詰み
- 3つの大駒による着手がそれぞれ1回、2回、3回
- 12地点、23地点、31地点へ着手した大駒は異なる駒種
出題のことば(担当 Pontamon)
情報満載なのでサラッと解いてしまいましょう。
締め切り前ヒント
6筋への大駒着手や41地点への大駒の最終手もあります。
追加ヒント
異なる大駒の駒種は、角、飛、馬。3つの大駒は初形22の角、82の飛、88の角です。3種の大駒着手回数が1回、2回、3回ではありません。
推理将棋123-1 解答 ▲76歩、△34歩、▲22角成、△24歩、▲31馬、△12飛、 |
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玉は物理的に大きく作られている駒ですが大駒でも小駒でもありません。大駒は角と飛の2つのはずなのに3地点へ着手があった大駒は別の駒種とのこと。大駒が成った馬や龍と合わせれば大駒は4種類あります。手数から考えると先手だけでは実現できないので後手の大駒着手もあるはずです。
参考1図までの手順、▲76歩 △34歩 ▲22角不成△同銀▲14角 △32飛 までの6手目の局面では、先手は次の手番で▲23角成を目指し、後手は△12角と△31飛で指定された3箇所への大駒着手はできますが、棋譜では▲23角成は角の着手なので△12角の角着手と同じ種類の大駒着手となり条件をクリアできません。参考1図が6手目までの局面ですから、後手が△12角と△31飛の2手を指すと9手をオーバーしてしまいます。
3地点の大駒着手で別々の駒種にするには、指定された地点へ着手する前に駒成をしておかなければいけません。参考2図は9手詰では一番多い3手目までの手順の▲76歩、△34歩、▲22角成の後、先手は▲23馬で後手飛車が12地点へ行けるようにし、後手の4手目で先手が▲31角成の角着手ができるように△54歩と付いて▲53角ができるようにしたもので、4手目以降、△54歩、▲23馬、△12飛、▲53角 と指し、31の馬と41の馬で詰むように玉の退路を封鎖する協力手△62飛のあとに▲31角成とした局面ですが、この時点で既に9手を指しているため、▲41馬を指せません。もし手数が足りていたところで、▲22角成、▲23馬、▲41馬上にしても▲53角、▲31角成、▲41馬寄にしても大駒の着手回数の条件をクリアできません。
詰み形は妥当なものなので何か手順を工夫すれば解けそうな気がします。▲22角成のあと後手飛のために道をあけることを考えましたが、次の手番は後手の4手目なので△24歩で先手が角を打てる場所を空けます。先手は▲23馬ではなく▲31馬と指します。2段目が空いたので後手は△12飛のあと△62飛で玉の退路を封鎖します。そして、初形88の角は▲22角成、▲31馬と2回の着手をしているので最終手を▲41馬とすれば3回目の着手完了です。
なお、3つの大駒の着手回数の条件と駒種条件とが分かり難くく、補足コメントが遅かったこともあり、最終手▲41角成の解答も正解とさせていただきました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
Pontamon(作者)「上谷さんからの投稿があった時、タイトルが似ていたのと修正という文字が見えたのでいただいていた作品の修正だと思いました。実は先にいただいていた中級の渡辺作は「いち、に、さん」、上級の上谷作は「ワン、ツー、スリー」のタイトルでした。これなら123回で特集ができるいうことで、123に因んだ初級問題を作りました。
3種の大駒の着手が1回、2回、3回だと解釈した方も居たようです。成ってもひとつの駒の着手になることを補足したつもりの「少なくともひとつは駒成した」が余計だったのかも。」
RINTARO「3つの大駒による着手の条件が曖昧で、これで合ってるのか不安。」
■作意順での解答でした。
NAO「3つの大駒:初期配置の82飛(2回)、88角(3回)、取られた22角(1回)。12地点:飛、23地点:角、31地点:馬で割り切れていますか。なるほど。」
■作家目線だと「ひとつの駒の着手」が生・成の継続可に慣れていて「3つの駒」の勘違いは無かったようです。
ほっと「条件を満たしているかどうかの検証が意外と面倒、と思ったら誤解していた。
3つの大駒=飛・角・馬 と解釈すると、最終手は41角成が正しいようだ。
3つの大駒=初形の88角・初形の22角・初形の82飛と解釈すると、最終手は41馬だが。」
■担当(作者)は気付いていませんでしたがRINTAROさんからも条件が曖昧とのコメントがあったように解釈に差が出る表現だったようです。「ひとつの駒」の条件だと、生での着手と成ってからの着手での連続が許されるので、作図の際には物理的な「駒」と「駒種」の使い分けをしていますが解図者にとっては分かり難い表現ですね。3地点への3種の着手と大駒の駒種の着手回数条件を一緒にして「3種の大駒の着手はそれぞれ1回、2回、3回で、12、23、31地点への着手はこれら異なる駒種」がスッキリしたのかもしれません。
ミニベロ「40-1の8コマ移動の順ですが、まるで別物。やはり推理将棋は条件。」
■推理将棋では条件が違えば別作品。本問では解釈間違いをするような分かり難い条件だったようです。
リーグ戦ファン「123÷3=41の手がトドメになるのだろうなぁと予想したらやっぱり(^^/ (攻5手+受3手)に無駄手12飛。 これで手順前後も防いでいるわけですね。」
■ヒント投入のための伏線でしたがバレてましたか。
斧間徳子「4手目24歩の発見が難しく、とても「サラッと解いてしまいましょう」という作品ではないです。しかしよくこんな123条件の短編が作れるなぁと感心させられます。」
■情報満載だと、逆に指定が多くてやり難い場合もありますね。後手24歩の協力手は最後まで隠しておいた本問の肝。
のくせに「久しぶりに初級感が味わえました。」
■出題中の年賀推理では手数と難易度が逆転していますが、1桁手数は初・中級が多いはずです。
諏訪冬葉「△12飛は早い段階で浮かんだけど、まさかそれを再度動かすのは予想外でした。(2回動かす条件を考えれば自明なのに・・・)補足ヒントを見るまで見事に誤解していました。」
■▲12角の後▲23角成では同じ駒種の着手になるので、12着手は予想通り△12飛で決まりです。
小山邦明「3つの異なる駒種という条件で馬、飛、角となり、3手目の角成がうまく限定できていると思いました。」
■生・成の非限定がある手順だと作者も条件付けに苦労します。「〇手目は駒成」の条件は避けたいところ。「3の倍数の手番は駒成」のような感じだとまだましかな。(奇数番とか偶数番は無理だから)
たくぼん「これは考えやすい作品。ヒントなしでも楽しめました」
■まず飛車を12へ持って行くには2段目の通路をあける必要があるので手なりで解いていけます。
緑衾「1、2、3だけの条件できれいにまとまるものなんですね。あと、31角成では31に馬を着手したことにならないのでしょうか。」
■たまたま、詰将棋パラダイスの1月号に記載されていましたが、駒成の着手は成る前の生の駒種の着手になります。(棋譜に記載される駒種の着手です)
飯山修「12の大駒はさすがに飛」
■22角成した馬で▲12馬として、他の地点の大駒着手ができても詰みにはつながりませんね。
山下誠「問題の意味を理解するまでの時間が考える時間より長くなりました。」
■初級は問題の意味の理解も解図も短時間でなければいけませんね。
S.Kimura「着手回数を条件に揃えるのに混乱していました.」
■棋譜に記載されている文字で数える手順の方が間違いがなくて良かったのかも。
変寝夢「『着手した大駒は異なる駒種』のヒントが少しわかりにくかった。移動する前の駒種と解釈したが。」
■「異なる駒種の大駒の手を指した」の方が分かり易いですね。着手した駒種は移動する前の駒種になります。つまり棋譜に記載される駒種です。
DJカートン「「6筋への着手」というヒントがなかったら△2四歩~▲2三角(~▲4一馬で詰める)という手順は思い浮かばなかった(そして10分後に投げた)でしょう。」
■1筋側から攻める際の62地点の退路封鎖はよく現れてきます。
津久井康雄「珍しく追加ヒント無しで解けた(と思います)。」
■はい、作意順での解答でした。
占魚亭「角の着手回数を確認するのに少しまごつきました。」
■条件文はひとつでも、複数の着手指定がされていると条件クリアのチェックが面倒になる場合があります。
神在月生「24歩が空白を作る好手。最初は、会話に出てくる6と41は何なんだと思った(笑)」
■6と41は、ヒントまたは解図できたときに気付いてもらうための伏線でした。
原岡望「ヒントに助けられたが24歩に気付かず苦戦」
■先手の手数が足りなくなったら後手の協力手を考える必要があります。
はなさかしろう「派手な条件で、意外に簡単。締めは商の41で。こういう問題いいですね。」
■木片としても駒の着手回数の条件はお得意でしょうから、解図は簡単だったのでしょう。
正解:21名
RINTAROさん NAOさん ほっとさん ミニベロさん
リーグ戦ファンさん 斧間徳子さん のくせにさん 諏訪冬葉さん
小山邦明さん たくぼんさん 緑衾さん 飯山修さん
山下誠さん S.Kimuraさん 変寝夢さん DJカートンさん
津久井康雄さん 占魚亭さん 神在月生さん 原岡望さん
はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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