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推理将棋第124回解答(3)

[2020年2月26日最終更新]
推理将棋第124回出題の124-3の解答、第124回出題の当選者(神在月生さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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124-3 上級  Pontamon 作   2020年の指し初め   11手

「明けましておめでとう」
「おめでとう。早速,指し初めするか」
「じゃ、お願いします。2020年はどんな年になるかね」
「東京オリンピックでは日本選手に金銀銅のメダルを沢山取って欲しいね」
「おっと、駒成はなかったけど、この11手目で詰みだ」
「君は1月1日らしく11手とか1筋への大駒の連続着手があって、僕は金銀同の順で3連続着手したね」

(条件) 

  • 駒成なく11手で詰み
  • 後手は金、銀、同の順の着手を連続で指した
  • 先手は1筋への大駒の連続着手

出題のことば(担当 Pontamon)

 金銀同の3手連続着手と1筋連続着手の絡み合った条件を紐解きましょう。

締め切り前ヒント

 金銀同は4手目から開始。持ち駒を10手目に打って、16地点からの角の王手に合い無しにします。


推理将棋124-3 解答  担当 Pontamon

▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51右、▲22角不成、△62
▲44角不成、△歩、▲18飛、△42角、▲16角 まで11手


(条件)
・駒成なく11手で詰み
・後手は金、銀、同の順の着手を連続で指した(△51金右、△62銀、△同歩)
・先手は1筋への大駒の連続着手(▲18飛、▲16角)

Suiri1243_20200226203501

Suiri1243a_20200226203601後手の金銀同の着手は何手目からなのでしょうか?2手目から金銀同の着手では、初手から▲76歩、△42金、▲33角不成、△62/72銀、▲22角不成、△同銀 しかありません。先手は1筋への連続大駒着手をしなければいけないのに、後手の"同"の着手のために角を渡してしまっていて、持ち駒に角1枚があるだけです。1筋で角成ができるなら馬の着手を1筋へ続けることができますが、駒成なしの条件なので、後手大駒を1筋でもらうしかありません。7手目から、▲25角、△14角、▲同角、△52金寄、▲15角 でどうにか王手まではできますがまるで詰んでいません。居玉を15の角での王手では移動合いがいろいろ残っています。もし、後手に持ち駒があると駒打ちでの合いも可能です。(参考図参照)

2手目に△34歩の協力手を指した場合だと、先手は3手目の▲22角不成の後に▲31角不成などで5手目に駒入手が可能で、4手目金、6手目銀のあとの7手目での捨て駒着手が間に合い、8手目に同の着手が可能です。最終手は1筋からの大駒なのが確定しているので後手は合い駒ができないように持ち駒を手放す必要があるので10手目が駒打ちになります。先手は残り2手ともに1筋への大駒着手になります。後手には玉の手が無かったので居玉なので、最終手は▲15角での王手になりますが、▲24歩や▲33桂の移動合いが可能なので失敗です。

玉の位置はどこだと詰む形になるのでしょう?正解は△52玉を▲16角で詰める形になります。この場合は△34歩の移動合い、43の歩が邪魔、玉の退路として両脇の42と62、玉が居た51があるのでこれらを埋める必要があります。2手目に△52玉とすれば▲33角不成で33の歩を取れるので△34歩の移動合いはなくなります。51地点は4手目の△51金右、62は△62銀で埋めることができそうですが、次の同はどうしましょうか。▲44角不成を△同歩で取ると同の手と邪魔な43の歩の問題が一手で解決します。残る42地点は頭の丸い角を打って詰まされる形が完成です。先手は連続で1筋への大駒着手が必要なのに盤上の角を44へ捨ててしまいました。でも初期配置の28の飛があるので9手目▲18飛ができて解くことができました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

Pontamon(作者)「条件内の「先手は」や「後手は」は、手順限定には不要なサービス文言です。金銀同の着手位置は3つの筋並びで、先手からみたときの高さの違いも表彰台を再現しています。(銅の位置が低すぎるけど)」

NAOさん「金銀同がぴったり。自陣に大駒の連続手があった。」

■意味のある手を指そうとすると、手待ち着手が条件に紛れていると難度が上がります。

ミニベロさん「端の大駒は決め打ちでしたので、これはすぐに解けました。4四角不成が、習いある推理将棋特有の手筋。それにしてもタイムリーな条件。作家は見逃さない。すでにいただいちゃいました。」

■4年前のリオ五輪の年だったら、最終手地点といい金銀同といい、もっと決まっていたことでしょう。

ほっとさん「2手目34歩ばかり考えていた。この作意は金メダル級。」

■先手の大駒連続着手条件があるので1手でも早く角を入手したいところ。

のくせにさん「意味のある1筋の大駒の手を探してばかりいたらただの手待ちでしたか。」

■98香の着手条件でも良かったのですが、条件が増えるので1筋の連続大駒着手にしました。

リーグ戦ファンさん「1・2が質問に回答をいただいた時点で瞬殺だったのに、3はのべ100時間以上考えてなお見つからず。ヒントに頼ったのは過去一回だけだったと思います。(いまでも覚えてる46-3。) 
さっき薄目でヒントを覗いて、「16地点」だけ見て…解があると知ればすぐに解を発見。「16角まで単騎詰」は、相当に検討したはずが…検討メモを見返すと、▽51金右が完全に盲点になってました。」

■△62金にしていたら51の退路が残ってしまいますね。

RINTAROさん「ヒントで16角迄を見てしまったので、あっさり解けたが、ヒントなしで考えたときは、13に角を不成で行ったり、15に角を打ったりしてたから、全く解ける気配がなかった。18飛や16角もチラッとは考えはしたが、深くは追わなかった。条件・手順は完璧で素晴らしいです。」

■ヒントは自信を持って考えることができるってことですね。16角をチラっと考えた時に深堀していれば解けていたことでしょう。

飯山修さん「い~、18飛! 13角と44角の両方が指せなくて困ってるのにコレかい」

■13角と14角の2枚角のことでしょうか。同の手を実現するために角一枚は差し出す必要があるので困ったことでしょう。

斧間徳子さん「18飛とは参った! ヒントなしでは解けなかった超難問。」

■この角単騎の手順が未発表だったのは先手に1手余るからでしょうか。連続大駒着手指示なので単騎詰めは思い浮かばなかったかも。

山下誠さん「1筋に2枚の大駒を組み合わせる順を考えて泥沼にはまりました。1六角を試してみたら意外にも攻め駒は角1枚でOKでした。」

■2枚の大駒を組み合わせることより、▲16角での角単騎の詰み形が見えると▲18飛の手待ちが判明します。

たくぼんさん「18飛は浮かばなかったねえ。それと同の手が悩ましかった。これは好作ですね。」

■同の手のために角を差し出すと角一枚で詰める手順は見えにくい。5手目に香を取って香を渡せば取った角が使えるけど大駒連続着手にならないので7手目に角を打って9手目に香を渡す?

波多野賢太郎さん「こちらはヒントなしでは手も足も出ない感じでした。ヒントがすごく親切だったので助かりました。4四角でこびんを開けさせるのがうまい手ですね。オリンピックにちなんで、金、銀、同、というのもよく考えたなあと思いました。」

■金、銀、同はほぼオヤジギャグレベル。

S.Kimuraさん「金を打って詰ますことを考えていました.ヒントを見てから,角単騎詰の復習をして,ようやく答えが分かりました.」

■角単騎の最短は11手の2種類だと思いますがどちらも作品としては出ていないようです。御自身の研究の復習でしょうか。

津久井康雄さん「1筋大駒連続着手は15角と16角の形かと思い込み、追加ヒントを得ながらも苦戦しました。」

■16角は筋違いなので持ち駒の着手。盤上移動で15角は手数が足りないですね。

諏訪冬葉さん「ヒントから2手目は△52玉、さて43の歩はどうやって消すかと思ったら同歩を誘発する手があったとは。」

■玉のコビン開けと42角と打ってもらう角の提供の一石二鳥の▲44角不成でした。

DJカートンさん「追加ヒント無しでは詰み形すら想像できなかった。追加ヒントを見たら10分で解けた。」

■ヒントを投入しても、▲44角と後手の詰まされる駒配置は内緒でした。

緑衾さん「金銀同の条件からつくったのでしょうがうまくまとまるものなんですね。1筋の大駒の手が連続ではなく2回だと何か余詰があるのでしょうか。」

■1筋の大駒着手2回でも余詰みは無いと思いますが、余詰みに対抗する安全策の条件。

はなさかしろうさん「金銀同、好い感じ。後手玉を1筋方向に運ぶ順は一手不足、52玉のほうが短手数だったんですね。」

■1筋側の何処へ持って行く手順だろう。何にせよ余詰でなくて良かったです。

原岡望さん「トーチカを作るのがコツ」

■出口がひとつなのでそこから攻撃されると動きようがなく守れない。


正解:18名

  NAOさん  ミニベロさん  ほっとさん  のくせにさん
  リーグ戦ファンさん   RINTAROさん  飯山修さん  斧間徳子さん
  山下誠さん  たくぼんさん  波多野賢太郎さん  S.Kimuraさん
  津久井康雄さん  諏訪冬葉さん  DJカートンさん  緑衾さん
  はなさかしろうさん   原岡望さん


総評

NAOさん「難易度と手数が逆順。長手数でも取り組みやすかった。」

■取り組みやすい長手数に慣れたところで125-1の初級も16手作を用意していたのですが差し替えました。16手3部作で使おうかな。

ミニベロさん「消費時間からすると、難度は逆の感じ。でもこれはよくあること。自作の難易度もよくわからないし。」

■手数じゃなくて作品の考え処で判断してみたのですが、手数が多い分、解図時間は掛かってしまうのかも。

リーグ戦ファンさん「推理将棋、風呂でも通勤途中でも考えることができるので楽しいのですが、会議中でも考えることができることが私にとって大問題。推理将棋を断っていたのはそれが理由だったのですが…
124-3は、ひさびさに「いかに仕事に悪影響を与えるか」を実感させられました。」

■人命を預かる仕事でなければ、仕事中に考えるのもいいけど程々に。(笑)

RINTAROさん「1のような作品は初めて解いたので、ミスディレクション抜きでもパズルティックで楽しめました。千日手なんて完全に思考外でした。推理将棋も奥が深い・・・。
2も分かりやすくて、好作でした。49金の処理に気付いたときは、なるほどと唸りました。
3は、条件が秀逸すぎます。オリンピックイヤーで楽しみな2020年、3問とも解答を提出できて良かったです。
本年もよろしくお願いいたします。」

■全問解答、全問正解を目指して本年も推理将棋をよろしくお願いします。

飯山修さん「もうすぐ70歳なので毎週健康体操に通ってますが、そこでは脳トレが長生きに必須といつも言われています。推理将棋はその一環ととらえて出来るだけ続けていきたいと思います。」

■脳トレに3問とも16手詰特集なんていかがでしょうか?もちろん易問から難問までの3問です。

斧間徳子さん「今月は近年では最も骨のある選題で苦労しました。」

■全投稿作掲載予定の年賀推理の特集だったので特別な選題はしていませんでした。いつもより長い手数とか初お目見えの千日手や角単騎などバラエティに富んでいました。

たくぼんさん「今回はなかなか難しくてヒント頼りでしたが、解ければ納得の好作揃いでした」

■中級の余詰が残念。125回は余詰なしで行けるかな?

波多野賢太郎さん「久しぶりに参加します。なかなか難しくて解けませんが、やっぱり推理将棋は楽しいですね。」

■2020年の皆勤賞を目指して、推理将棋をごひいきください。

津久井康雄さん「今回も全部追加ヒントを得て何とかという感じです。(初級中級は自信無し)私にはちょうどいいレベルのヒントで、解ける喜びを味わえてありがたいです。」

■今回はヒント前の解答が2名だったので大甘ヒントでした。

DJカートンさん「124-2は解けませんでしたが、せっかく2問解けたので解答します。」

■1問でも解けたら解答をお願いします。無解でも感想をどうぞ。

緑衾さん「1は20手連続移動にするつもりだったのですがうまくまとまりませんでした。中級の方が上級より難しかったです。」

■後手の右銀の20手連続移動となると50手近く?

原岡望さん「このところ難問多く悲鳴を上げています。やさしいのをお願いします。」

■選題に自由度は少ないので、ヒントで調整します。

神在月生さん「故あってしばらくは解図時間が減るんですが、何とか最低一問だけは解答を続ける所存です。」

■1問でも結構ですので解答をお願いします。


推理将棋第124回出題全解答者: 19名

  NAOさん  ミニベロさん  ほっとさん  のくせにさん
  リーグ戦ファンさん  RINTAROさん  飯山修さん  斧間徳子さん
  山下誠さん  たくぼんさん  波多野賢太郎さん  S.Kimuraさん
  津久井康雄さん  諏訪冬葉さん  DJカートンさん  緑衾さん
  はなさかしろうさん  原岡望さん  神在月生さん

当選: 神在月生さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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