推理将棋第125回解答(1)
[2020年3月22日最終更新]
推理将棋第125回出題の125-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第125回出題 推理将棋第125回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第125回解説 担当 Pontamon
第125回は22名の方から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
125-1 初級 Pontamon 作 3の倍数の駒成 9手
「9手で詰んだ対局は、3の倍数の手番は異なる段での駒成だった」
「聞いた聞いた。銀の着手は無かったらしいね」(条件)
- 9手で詰んだ
- 3手目、6手目、9手目は異なる段での駒成
- 銀の着手は無かった
出題のことば(担当 Pontamon)
6手目に駒成できる後手の駒と言えば...。
締め切り前ヒント
6手目の駒成は飛成ではなく角成です。飛成は最終手です。
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推理将棋125-1 解答 ▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲32馬、△88角成、 |
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3の倍数の手番で駒成とのことなので、9手詰なら3手目、6手目、9手目が駒成です。3手目の駒成は▲33角成か▲22角成のどちらかですが、6手目の駒成のことを考えると22の角を取ってしまってはいけません。3手目の▲33角成の次の手番の5手目に王手を掛けてしまうと後手の6手目の駒成は不可能です。かと言って、馬だけでは詰みにできないので考えたのが参考1図です。
参考1図の手順は、▲76歩、△42金、▲33角成、△41玉、▲43馬、△99角成、▲61馬、△32香、▲51金で詰みです。後手は6手目に△99角成で香を取って、8手目に玉の退路封鎖協力の△32香。でも9手目は駒成ができない金でしかも駒打ちなので条件をクリアできていません。
6手目に駒成ができる駒は角だけではなく飛もあります。6手目飛成の手順はよく作品に出てくるので角成よりもこちらの飛成を考えた方も多いのではないかと思います。
先手は5手目に王手は掛けれないし、金を取りに行っても駄目でした。5手目に駒成ができる駒を取って、7手目にその駒を打てば最終手で駒成が可能です。銀の着手なしなので、6手目飛成の場合に駒成ができる駒を取るのであれば22の角になります。初手から、▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲22馬、△37飛成としたのが参考2図です。先手は次の7手目に取った角を打って9手目の角成で詰めなければいけませんが、それができそうな角の打ち場所がありません。
6手目の駒成が出来て5手目に取れる駒として残っているのは飛になります。初手から、▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲32馬の次の6手目ですが駒成ができるのは3箇所。△77角成は王手になってしまうので除外すると、88での空成りなのか99の香を取る角成なのか? 香を取った場合には参考1図の玉の退路封鎖協力のように使用目的がなければ88と99が非限定になります。先手は飛を打って成るだけの着手が残されているので詰み形を考えると▲72飛からの▲71飛成の一間龍での詰み形なので、6手目で勢いよく△99角成で香を取ってしまうと△61香の合い駒ができてしまうので6手目は△88角成の空成りが正解になります。
なお、銀の着手を許すと、▲76歩、△32銀、▲33角成、△42金、▲32馬、△88/99角成、▲31銀、△62銀、▲42銀成 の詰み筋が生じてしまいます。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
Pontamon(作者)「123-1の短評への担当コメントで「3の倍数の手番は駒成」と書きましたが、これが中々良いものだったので作品化しました」
ミニベロさん「手順自体は難しくないので、これは条件付けの旨さを味わう作品。きわどく逃れている順がいろいろ。77では王手、99では駒を取ってしまう、私もよく使う後手の88角!」
■香を取って玉の退路封鎖に使う手筋があるので、駒を取らずに中途半端な空成は指し難いです。
ほっとさん「2手目から42飛、33角成、62玉、42馬、99角成、56飛、72香、53飛成? は3段目の成が2回。作意は6手目香を取らない88角成なのがうまい。」
■その順はリーグ戦ファンさんの2009年新春-3「龍馬がゆく」ですね。
RINTAROさん「6手目が37飛成ではないことに気付くと解けます。88角成の限定が絶妙。」
■この88角成の限定があったので、無理矢理作品化しました。
斧間徳子さん「88角成の空成りが心地よい。秀作。」
■取って付けたような「銀の着手なし」の条件が...。
NAOさん「銀の手なしで絞り込めました。」
■先手は、打って成れる駒を入手する必要があるので手を絞り込まれてしまいます。
のくせにさん「取った飛車を逆サイドへロングパスとは意外な展開。」
■2手のはてるま手筋。余詰検討でも忘れないようにしなければ。
ジェシーさん「今月はこれが一番の難問でした。角成は8八か9九か限定できないと決めつけて捨ててしまい、3七飛成の筋ばかり考えていました。」
■裏読みは程々にして、迷宮に入りそうになったら出発点へ戻りましょう。
リーグ戦ファンさん「「3の倍数の駒成・9手」と見た瞬間、拙作「龍馬がゆく」がそのまま使えるぞ! と思ったら3段目成が重複。「龍馬がゆく」を考えた際に、9手で角の成り先が99に限定される手法があの形しかなかったと記憶しているので、6手目は88角成&この問題では先手が角を取る暇はなさそう→「後手が駒を取ってはいけない」詰み形が自然に脳に浮かびました。ある意味問題自体を全然考えないで解けてます。」
■「龍馬がゆく」の手順が余詰にならないように付けたのが異なる段での駒成の条件でした。
諏訪冬葉さん「3の倍数といえば「世界のナベアキ」を思い出します。」
■昔、「3の倍数と3が付く手番では歩を取る。4の倍数の手番は同の手」のような条件の30手作をmixiへ投稿しましたが余詰作でした。おもちゃ箱でも57-3「世界のナベアキ」の15手作があったのですね。
緑衾さん「6手目角成は限定されないからあり得ないと考えてしまいました。」
■6手目37飛成や47飛成は場所が限定されているので目が行き易いですね。
波多野賢太郎さん「これは三つの成る駒がすぐ分かったので考え易かったです。でも、7二飛からの詰形はすぐ浮かばず悩みました。世界のナベアツ、懐かしいですね(笑)。」
■世界のナベアツは今は桂三度らしいです。
飯山修さん「香を取ると逃げ道塞ぎに使わされるのでわざと取らなかったのにそれが敗着か」
■61へ合いを打てないので99角成で香を取っておくべきでした。でもどっちの展開もあるので迷います。
山下誠さん「段数が全て異なるという条件は飛車成で詰める手を消しているんですね。」
■はい、余詰み検討したら3段目での成が2回になる手順があったので。
原岡望さん「右と左からの大駒攻めに参った。」
■しかも成った大駒だから最強コンビ。
S.Kimuraさん「9手目は,馬の利きがあるところに成ることばかり考えていたので,7筋の龍単騎は盲点になっていました.」
■31飛からの41飛成を32の馬が支える形がありますが、それには左右の銀が動く必要があるので失敗します。
たくぼんさん「88角成限定の意味付けに感心しました。香取って62香の筋を最初に考えてしまいましたので」
■「龍馬がゆく」の手順ですね。
変寝夢さん「6手目が一番のキーなんですね。4手目4二銀の手順も使えそうですが。」
■余詰回避のために銀の動きを封印しました。
はなさかしろうさん「条件が綺麗。好い感じですね。」
■駒成の手番を個々に条件にすると条件が多くなりますが「3の倍数」で一つにまとめられています。
神在月生さん「王手もせず駒も取らないという、玉方角成位置の限定に、なるほど。」
■実際には6手目は無駄手なので、6手目は66の条件でも作品は成立します。
津久井康雄さん「6手目角成の位置をどう限定するのかと思いましたが、うまい仕組みですねえ。」
■作者がうまい仕組みを作ったのではなく、無駄手の限定打を選んで、あたかも作者の功績に見せかけているだけです。(笑)
正解:19名
ミニベロさん ほっとさん RINTAROさん 斧間徳子さん
NAOさん のくせにさん ジェシーさん リ-グ戦ファンさん
諏訪冬葉さん 緑衾さん 波多野賢太郎さん 飯山修さん
山下誠さん S.Kimuraさん たくぼんさん 変寝夢さん
はなさかしろうさん 神在月生さん 津久井康雄さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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