推理将棋第125回解答(2)
[2020年3月24日最終更新]
推理将棋第125回出題の125-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第125回出題 推理将棋第125回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
125-2 中級 けいたん 作 初手と最終手だけ違う駒 11手
「さっきの将棋11手で詰んだんだって」
「先手は初手と最終手以外同じ駒しか動かしていないな」
「後手は2手目以外同じ駒しか動かしていないね」
「後手は5筋の手を2回、6筋の手を3回指したな」
「とどめは歩頭の金打ちだったね」(条件)
- 11手で詰み
- 先手は初手と最終手以外同じ駒しか動かしていない ※
- 後手は2手目以外同じ駒しか動かしていない ※
- 後手は5筋の手を2回、6筋の手を3回指した
- とどめは歩頭の金打ちだった
※駒成後は別の駒とします。
出題のことば(担当 Pontamon)
先後とも同じ駒の着手が4回ずつ。金の入手方法を推理しましょう。
締め切り前ヒント
最後の歩頭の金打ちは75金です。角だと馬に成ってからしか金を取れません。
推理将棋125-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△54歩、▲77桂、△62玉、▲85桂、△53玉、 |
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先手も後手も同じ駒を4手連続で指して最終手が歩頭の金となれば先手が歩を突いて行って金を歩不成で取ってから歩頭へ金打ちするという手順が浮かぶかもしれません。参考1図は初手から▲66歩、△54歩、▲56歩、△62金、▲55歩、△42金、▲54歩、△53金左、▲同歩不成、△72金、▲52金 まで11手で詰めた図です。先手は初手で突いた歩ではなく3手目から5筋の歩を4手連続で突いて▲53歩不成で金を入手し、最終手を▲52金と打って頭金で詰めたのですが、棋譜を見ると後手の着手は2手目が歩で残りの4手は全て金の着手になっているので条件を満たしていると言うかもしれません。後手の4手目以降の駒種は同じ金ですが、同じ駒ではなく2つの駒の着手になっているため条件をクリアできません。(後手の着手筋もクリアできず)
後手が同じ駒を4連続で指せて、詰みになるためには先手の駒が利いているエリアへ玉自らが出て行くことになります。詰み形を考えてみると、先手の最終手が歩頭の金と言っても6段目では玉に4段目へ戻られてしまうので、初手で突いた歩の歩頭の5段目になるはずです。その金の利きが及んでいない玉の反対側の4段目には後手が2手目に突いた歩が居れば退路が塞がれています。後手着手は5筋と6筋だけなので、初手▲76歩で最終手が▲75金で詰むには、玉は65で2手目の歩突きは△54歩の形になります。玉の反対側の腹の55地点は初手で突いた▲76歩によって角道が通ってカバーしています。
詰み形はわかったので次は最終手で75へ打つための金の入手が課題になります。参考2図は金の入手のために角が出て行き、玉が53地点を経由して中段へ出れるように角の着手をやり繰りした手順になります。
参考2図:▲76歩、△54歩、▲33角不成、△62玉、▲51角不成、△53玉、▲62角成、△64玉、▲61馬、△65玉、▲75金
初期配置の金は角筋とは筋違いになるため、この手順では3回目の角着手で角成して、61の金を馬で取っています。注釈で駒成後は別の駒とみなすことになっているのでこの手順では条件をクリアできていません。
後手の4連続着手が玉なのであれば初期配置の41か61の金を成駒の着手無しで取る必要があります。それには先手の桂の4段跳びがピッタリ。初手から▲76歩、△54歩、▲77桂、△62玉の次の5段目への桂跳びですが、6手目の玉は53に上がって来れるように▲85桂にします。そこからだと▲73桂不成、▲61桂成の一本道。後手玉は2回目の6筋着手になる△64玉から△65玉として、最終手▲75金で詰みとなります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
けいたん(作者)「角が不動なのが面白いかと。」
■着手がない駒が働いていると見落としがちですね。
ミニベロさん「32-1の金打ち版ですね。知らないと見えない詰み上がりです。」
■ミニベロさん作の32-1では▲73桂成した成桂が75へ引いて来るものですね。先行作チェックは最終手で検索することが多く、類型があるのに気付きませんでした。
ほっとさん「3~9手目は角と思ったが、生角のままでは金がうまく入手できない。作意は桂の軌跡が限定できているのが不思議。」
■後手金が角道に出て取ってもらうのが手筋ですが、本問では同じ駒を4手動かさないといけないので金を動かす余裕がありません。
RINTAROさん「金を入手するには桂を使うしかないと考えると解けます。」
■桂の存在に気がつくかどうかが解図成功の分かれ目。
斧間徳子さん「条件が冗長気味で、もっと簡素にできそう。」
■ちょっと条件が多かったですね。
NAOさん「角の効きを活かす手順。桂跳ねを限定するのが洒落ている。注釈付きはちょっと残念だが、角~馬の筋があるので必要ですね。」
■77の桂がどっちへ行くか、53の桂だとどっちの金を取るのか。非限定が多そうな気がするのですが上手く限定されているのが不思議。
のくせにさん「最初は角から考えましたが、桂の通り道に金が落ちているのに気付けば簡単でした。」
■最奥までも桂の4回跳ねで間に合いました。
ジェシーさん「桂跳びは最後6一か4一か限定できないのでありえないと思っていたら、そのような手があったとは・・・。」
■玉とのすれ違いがあるので▲85桂に限定されているのが不思議な感覚。
リーグ戦ファンさん「「75金まで」の詰み形の条件付けは考えたことがあります。角で行けば10手なところ、一手足して桂で行くのか…美しい。11年前の私は桂の連続跳ね問題が大好きでいろいろ考えてたので、この問題と123-3みたいな素晴らしいアイディアを見ると感嘆するとともに、自分が思いつけなかったことがなんとも悔しいです。」
■噂をすれば何とやらで、126回ではタイトルに「桂」が付いた問題が出題されています。
諏訪冬葉さん「角成から金を取って簡単。と思ってたら補足でつぶされました。」
■すみません。原稿では注釈を追加してあったのですが、出題原稿へコピーしたのは修正前のものだったのです。はなさかさんから成っても同じ駒なのかとの問い合わせがあって出題ミスに気付きました。
緑衾さん「角は王手放置が避けられないと考えて桂馬にしました。▲65桂とはできないんですね。」
■△53玉とのタイミングが合わないので▲65桂はありませんでした。
波多野賢太郎さん「これは意外とスンナリ解けました。後手の条件が厳しく手が限定されるので、6五で詰むのも予想し易かったです。」
■同じ駒の4回着手で、詰まされる側だと99%玉ですよね。(99%の統計は取っていないけど)
飯山修さん「角ではなく桂だと直接言わない苦心のヒントでした」
■大甘ヒントだと桂を明かしていたでしょう。
山下誠さん「2手目を6二金と指して、角の活用を図るもうまく行かず、桂馬を使ってみたら思いのほか簡単でした。」
■歩頭の金が詰み上がりなので、ちょっと難しい。歩尻の金だとどうにかなるかな?
DJカートンさん「最終手75金はすぐに分かった(手数と後手の条件的にそれ以外あり得ない)が、64玉・44馬(初手62金、9手目44角成)を想定すると行き詰まる。」
■初手と最終手は想像できて、必要な金入手が課題でした。
原岡望さん「桂の威力に参った。ヒントさまさま。」
■角ではないというヒントでしたが、そうなると桂しかないですね。
S.Kimuraさん「中段玉になりそうだったのと,桂跳ねで金を取ることにひらめいたので,今回唯一,ヒントなしで解けました.」
■裏読みをしすぎると「非限定になりそうなので桂ではないかも」になったかも。素直に指してみれば手なりで解けますね。
たくぼんさん「駒成後も同じ駒としたら余詰のかな。解を見つけられなかったけどそれが詰まないなら強烈な紛れになりますね。いや~しかし桂とは・・・作者名で気付くべきでした(笑)」
■角から馬での詰み手順は解説での失敗例などです。
変寝夢さん「ソフト解答です。自力でもいいところまで入ったのですが、10手目の6五玉が見えなかった。頭金で終わるわけないんですよね、残念」
■玉の真後ろと斜め後ろの退路があるので玉腹からの金ですね。
はなさかしろうさん「なるほど。桂で行って55に角の利きを残すのですね。」
■暗算に弱い担当だと55が玉の退路だと思っていて56金や56歩に55金を考えてしまう。
神在月生さん「どうぞお通りください、と道を空ける85桂の、甘い罠にひっかかる玉。」
■通せん坊の65桂じゃなくて、通りゃんせの85桂。中段へ行くことはできたが帰れず仕舞い。
津久井康雄さん「74玉・75金の形と思い込んで65桂とハネてしまい、しばし迷走しました。」
■後手着手は5筋と6筋なので74玉は指せませんでした。
占魚亭さん「2手目は64歩かと思いました。」
■6筋の着手回数の方が1回多いので、その推理は自然ですね。
正解:22名
ミニベロさん ほっとさん RINTAROさん 斧間徳子さん
NAOさん のくせにさん ジェシーさん リ-グ戦ファンさん
諏訪冬葉さん 緑衾さん 波多野賢太郎さん 飯山修さん
山下誠さん DJカートンさん 原岡望さん S.Kimuraさん
たくぼんさん 変寝夢さん はなさかしろうさん 神在月生さん
津久井康雄さん 占魚亭さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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