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推理将棋第127回解答(3)

[2020年5月26日最終更新]
推理将棋第127回出題の127-3の解答、第127回出題の当選者(飯山修さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第127回出題  推理将棋第127回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


127-3 上級 三日京 作  4手前のアリバイ 12手

「8手目にいた地点に12手目に戻って詰ませることができるのだろうか」
「できるね。レアケースだけど可能だよ。最後に成ればいい」
「いや、成る手はないんだ。同一駒が同一地点に戻って初王手詰」
「それだとちょっとやっかいかな」
「金と銀の間に着手があったらしいけど、これは縛り条件かもしれない」
「ヒントになるとも言えるね」
「先手に駒を取る手はなかったね。また、先手は同じ筋に3連続で着手したね」

(条件) 

  • 12手目の初王手で詰み
  • 8手目と12手目は、同一駒を同一地点に着手
  • 金と銀の間に着手があった ※
  • 成る手なし
  • 先手に駒を取る手はなかった
  • 先手は、同じ筋に3連続で着手した

※「2筋と7筋の間」や「22の角と88の角の間」のように場所が指定されていなくて、単に二つの駒の「間」なら、縦・横・斜めのいずれかの一直線の配置で、間に1マスだけがある配置になります。
したがって、金と銀の間へ着手した駒は両方の駒に接していることになります。


出題のことば(担当 Pontamon)

 4手前は最終手と同じ地点の同じ駒なのに詰んでいなかったことになります。

締め切り前ヒント

 金銀の間への着手は▲58金上なので、3枚の金気が無い9段目の飛で仕留めます。

余詰修正

 会話と条件に「先手に駒を取る手はなかった」と「先手は、同じ筋に3連続で着手した」を追加。


推理将棋127-3 解答 担当 Pontamon

▲26歩、△34歩、▲25歩、△44角、▲26飛、△同角、
▲48銀、△39飛、▲68金、△37飛不成、▲58金上、△39飛不成 まで12手


(条件)
・12手目の初王手で詰み(12手目△39飛不成)
・8手目と12手目は、同一駒を同一地点に着手(8手目△39飛、12手目△39飛不成)
・金と銀の間に着手があった (11手目▲58金上)
・成る手なし

Suiri1273

Suiri1273a8手目と12手目が同じ地点での同じ駒の着手なのに8手目には詰んでいないとなると、合い駒利かずの形だけど8手目時点では玉への直射がない手順が思い浮かびます。参考1図は2枚角による詰み上がりで、8手目と12手目は同じ駒による△85角ですが、8手目時点では76に歩が居たので王手にはなっていませんでした。

参考1図:▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲58玉、△77角不成、▲66歩、△85角、▲48金、△74角、▲75歩、△85角 まで12手

駒成もなく初王手で詰めたのですが、「金と銀の間に着手があった」の条件をクリアできていませんでした。(実は、金と銀の間に着手がある2枚角での詰みが余詰手順3にありました)

では、▲76歩、△34歩、▲58玉、△88角不成、▲59金右、△77角不成、▲66歩、△85角、▲48飛、△74角、▲75歩、△85角 の手順にした場合、5手目の▲59金右は、49の金と79の銀の間にある地点の59への着手なので「金と銀の間に着手があった」の条件をクリアしているでしょうか?AとBの間の解釈としてはAとBに挟まれた地点、つまりAとBの両方に接触しているひとつのマスが「間」だと解釈するのが普通でしょう。もちろん条件で「初期配置の右金と左銀の間」のように範囲が限定されている場合なら5手目の▲59金右は条件を満たしていることになります。

Suiri1273bということで、「金と銀の間に着手があった」をクリアするには、たとえば▲48玉、▲59金右としてからの▲49玉の手順になります。しかし、このように9段目の駒を入れ替えていては詰みに貢献しているとは言い難いです。参考2図では▲68銀と▲48金の金銀の間の58地点へ11手目に▲58金上と上がって「金と銀の間に着手があった」の条件をクリアしたもので、▲68銀は角でピンされているので8手目の△79飛の駒打ちと12手目の△79飛不成で詰ましたものです。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲78飛、△88角不成、▲77飛、△同角不成、▲68銀、△79飛、▲48金、△78飛不成、▲58金上、△79飛不成 まで12手

しかし、この手順では飛を入手した6手目の77同角不成が王手になっているため、初王手での詰みにはなっていませんでした。

▲78銀、▲58金左の間の68へ▲68玉として条件をクリアしても玉周りを固めるだけなので、詰み形の基本は参考2図のように銀を角でピンして、9段目の飛で詰める形のはずです。
発想の転換で今度は1筋側から攻めてみます。左右を逆にした、▲36歩、△34歩、▲38飛、△55角、▲37飛、△同角不成では6手目の37同角不成が王手になっています。

9段目で飛で詰めるには後手は飛の入手が必須なのですが、どうしても6手目の飛取りが王手になってしまいます。もう一段階の発想の転換が必要なようです。飛を取った後の着手があるので、後手は6手目に飛を取る必要があります。37や77以外で6手目に飛を取るとすれば、48地点や68地点もありますが、これらの地点は金銀が上がる必要があるので使えません。あとは17地点で6手目に飛を取る手順がありますが48の銀を角でピンすることができません。つまり、角で飛を取る位置は、59と15を結ぶ線上の地点でなければいけません。残っている地点は26です。

初手から、▲26歩、△34歩、▲25歩、△44角、▲26飛、△同角 の6手目で26地点で飛を入手することができました。7手目は飛の打ち場所を空けるための▲48銀に8手目は△39飛、続いて▲68金に△37飛不成で歩を取るのが角で48の銀をピンするのに必要な一手。11手目に金銀に挟まれた地点への着手の▲58金上で9段目の障害物がなくなり△39飛不成で詰みとなります。

ほっとさんから余詰手順の1と2の指摘があり、「先手の駒取りなし」の条件を追加しましたが、さらに3の余詰指摘があって「先手は、同じ筋に3連続で着手した」の再修正になりました。

1.▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲48玉、△44飛、▲59金左、△69角、▲38飛、△47角不成、▲43歩、△69角不成
2.▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲38飛、△44飛、▲48玉、△14角、▲59金右、△47角不成、▲49歩、△14角不成
3.▲76歩、△34歩、▲48玉、△88角不成、▲59金左、△69角、▲66歩、△同角不成、▲38飛、△55角、▲56歩、△66角

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

三日京さん(作者)「再三の余詰、申し訳ありません。すでに解答もいただいているようですので、今更撤去もできず、見苦しく再修正いたしました。
ご指摘くださいましたほっとさんには感謝し、また降参いたします。」

■担当の力不足を深くお詫び申し上げます。

ミニベロさん「懐かしい寡作作家ですね。3手で飛車を取って3手でミッションを遂行する。もう動けない駒なので、どこで飛車を取るかは重要。忙しい後手に比べて、のんびりとした先手の出だし3手は読みにくい。26角と玉をさらにさえぎる48銀。幸いこの銀をピンする作品を持っていたので見えたが、難問だと思う。このアイデアはいただきます!」

■このアイデアの作品をお待ちします。銀をピンする作品はあるとのことなので、同一駒を同一地点に着手というアイデアのことかな?

ほっとさん(双方解)「(余詰解答時)「同一駒を同一地点に着手」ということは、棋譜表記が異なっていてもOKと判断。
(作意解答時)結局ヒント待ちになってしまった。飛を26で取るパターンは初めて見た気がする。」

■成は他の条件で規制されていますが、どちらの手の棋譜に不成や同が付いていてもOKです。

はなさかしろうさん(双方解)「両王手の匂いのする条件。そこで、6手目26同角と飛を取り、以下28銀、39飛、68金、37飛不成、58金上、39飛不成で実現ですが…7手目が48銀でも詰み、というのは目先が違っていただけに目から鱗でした。」

■担当は「金銀の間」の条件をキーにして解図したので悩まされました。両王手を疑っても形は多種多様なので簡単には解けないはず。さすがの解図力ですね。

NAOさん「「同一駒の同一地点着手」は面白い条件。96角や56飛の順に陥ったが「金と銀の間に着手」条件が厳しく12手では間に合わない。8手目39飛では全然詰みそうにないところ4手で収束。」

■48の銀をピンする形が諸問題を解決しています。

緑衾さん「10手目の位置が限定されているはずだから両王手かそれに近い形なのかなと考えました。この類の手の検討が必要な問題を偶然考えていたのですぐ解けました。11手目に玉が動けばいいのではと思ったのですが直前にいたマスへ逃げられるんですね。」

■ひょっこりはんのように玉が顔を出して王手を掛けられても戻れますね。

RINTAROさん「1段目の飛不成での詰上りがこんな手順でも実現できるんだな。金と銀の間の着手条件がちょっと苦しいですか。」

■一間龍なら玉の媚びんはカバーできますが、生の飛だと玉の媚びんを抑えるにはもう一枚必要になります。直接カバーするか敵駒をピンして動けなくするかですね。

S.Kimuraさん「ヒントを見ても,詰み形が分かっているはずなのに,手順を見つけるまでに相当に時間がかかりました.飛車先の歩を2回突き出すとは意表を突かれました.」

■6手目に飛を取らせなければいけませんが、飛を横移動させない分、悠長な序が可能になっています。

たくぼんさん「37で飛を取らす順はあまり見かけないような気がします。全く無駄が無い手順で完成度の高さを感じます。」

■37の飛を取る手が王手になってしまうので条件をクリアできていませんでした。正解はさらに見たことが無い26の飛を取る手順でした。

波多野賢太郎さん「これもヒントを見ないとお手上げでした。ヒントを見てからも、飛車を3七で取らせることばかり考えてしまい悩みました。」

■2回目の余詰修正でも、36歩、38飛、37飛の3筋の3連続着手が残っていました。でも36歩と38飛は手順前後可能なので裏読みすると2筋が見えます。

山下誠さん「後手角の最終位置は7七か3七しかないと思い込んで苦労しました。」

■飛取りが37や77でも似た手順での詰みになりますが、その角着手が王手になってしまいます。

飯山修さん「1、3、5、7筋の飛車はすぐ気がついたが何故かもっとも自然な2筋の飛車が最後になった」

■7段目での飛渡しならそれら4つ、58玉の形なら56歩と突いて48や68でも飛を6手目に渡すことが可能。気付き難い26での飛渡しでした。

DJカートンさん「「▲37飛△同角生が王手にならない方法」をメインで考えてしまう。飛車で37歩を取ればいいのかー。」

■37での飛取りを1手遅くすると、8手目の飛打ちからの12手目での戻り着手に間に合いません。かと言って、48や68で飛を取らせると最終手は成になってしまうし、金と銀の間の条件をクリアできません。
▲68飛、△14歩、▲58玉、△13角、▲56歩、△68角不成、▲38金、△59飛、▲48玉、△69飛不成、▲58玉、△59飛成

諏訪冬葉さん「37で飛車を取ろうとして王手になり失敗。37は飛車で開けるのか。」

■角で銀を直接ピンするのではなく、飛車で37の歩を取って銀をピンするという捻った手順。

原岡望さん「これは分かりやすい。条件に無理があるような」

■2回の条件修正の代わりに「金と銀の間へ駒移動」にすれば良いのかと思ったのですが、1回目は駒打ちでの△69角でも4手後に△69角不成で戻る最終手が修正条件を満たしてしまうので失敗になるところでした。


正解:13名

  ミニベロさん  ほっとさん  はなさかしろうさん  NAOさん
  緑衾さん  RINTAROさん  S.Kimuraさん  波多野賢太郎さん
  山下誠さん  飯山修さん  DJカートンさん  諏訪冬葉さん
  原岡望さん


総評

緑衾さん「3問目がたまたま解けたので今回は簡単でした。新人の登場はうれしいです。」

■担当も三日京さんは初登場だと思っていたのですが、ミニベロさんの解答の短評を読んで、16回と21回に登場されていたことに気付き、出題文をこっそり変更していただきました。

RINTAROさん「今回は3問とも好作でした。ヒントも優秀で何とか全問解けました。余詰が残念でしたね。前回私が126-3で指摘したのは、「2度目の王手」と言うときに先手後手含めて言うことに違和感を感じたからです。しかしながら、今改めて問題文を読むと「詰ませてたよ」と第3者が発言しているのですね。それなら、多少は理解できますが、通常は先手後手それぞれの王手回数を言うと思うので、第3者でも先手後手含めて言うのかなという疑問はあります。おっしゃるように「推理将棋の世界では先手後手という指定がなければ全ての手が対象になっている」ということですので、先入観をなくしていけるよう努力します。」

■「推理将棋では先手や後手の指定がなければ、成や不成の回数とか王手回数、着手する駒(大駒とか駒種の指定)など全てはその対局中の手が対象になっています。」と担当コメントを書いておきながら、出題文は「2度目の王手」でしたので、「度目」から受ける感じは、同じ対局者(この場合は後手)が2回王手したという意味に感じられる方もおられるでしょうね。
担当が気付くべき表現でした。申し訳ありません、今後「回」で統一できるように気を付けます。

S.Kimuraさん「展示室に時間がかかったため,ヒントが出るまで全問解けませんでした.」

■展示室の締め切りは月末なのですね。慌てて解答したのか、初級の2手目はうっかりミスだったようです。

たくぼんさん「ヒントなしでは、かなりの難問でした。ヒントありで程よい良問で楽しめました。」

■難問が解けたと思った一瞬の心の緩みがケアレスミスを招いたようです。

波多野賢太郎さん「今回の特集、やっぱり難しかったです。○手前という条件はぼんやりとした緩い条件なので、詰み形がパッと浮かびづらかったです。」

■○手前のぼんやりとした条件って作者としては使い易いかも。たとえば「4手前も王手だった」の条件だと、最終手とその4手前が王手だったと思い込む可能性が大。実は王手は3回で1回目と2回目の王手の間が4手だったというオチ。2回目の王手の手番に王手とそうでない手があって限定する必要がある場合などで使えそう。と変なことを書くと、以前のように後で本気で作図に取り組んだりして。今回はオチをばらしているから駄目か(笑)

飯山修さん「前回の126-3の叙述トリックの件は最初は人それぞれの感覚の問題と思ってましたが改めて考えてみると嫌煙権やアレルギーの問題などは一部の苦痛を発している人の声にもっと早く耳を傾けるべき事柄であったでしょう。
ばか詰が世に出始めてからスカシ詰を無効にしたのは20年以上後でしたがそれまでのモヤモヤが一気にスッキリしました。
推理将棋も10数年たちましたのでこれを機会に早めのルール整備をするのに越したことはないと思います。」

■担当は、「ひとつの駒」と言われると、成ったら別の駒だと思ってしまいますが、物理的にひとつの駒の表裏は無視するというのが推理将棋での使われ方のようです。その駒が取られたとしても同種の駒が持駒に無くて区別できる場合は相手がその駒を打っても「ひとつの駒」の継続状態と見做す場合もあった記憶があります。
詰パラでは時々ルール説明に誌面を割いていることがありますので、おもちゃ箱の推理将棋でも機会があればルール掲載が必要かもしれませんね。現担当だけの独断ではまずいので過去の担当者の意見も聞く必要がありそうです。

べべ&ぺぺさん「☆さっぱり、わかりません。解説が楽しみです。」

■これまでの担当者の解説に比べて、私の場合はクドクド長いので読みにくいかもしれません。

諏訪冬葉さん「結論:今月はすべて予想が外れた」

■初級は予想通りにならないと客寄せにはなりませんよね。正解者数が一番少なかったのが初級とは驚きでした。


推理将棋第127回出題全解答者: 15名

  ミニベロさん  ほっとさん  はなさかしろうさん  NAOさん
  緑衾さん  RINTAROさん  S.Kimuraさん  たくぼんさん
  波多野賢太郎さん  山下誠さん  飯山修さん  DJカートンさん
  べべ&ぺぺさん  諏訪冬葉さん  原岡望さん

当選: 飯山修さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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