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推理将棋第128回解答(2)

[2020年6月25日最終更新]
推理将棋第128回出題の128-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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128-2 中級 Pontamon 作  8手で負けない初手  10手

「8手で負けてばかりで悔しくて、研究したら8手では負けない初手を発見したよ」
「8手では負けない初手?初手で何を指しても7手詰め手順で詰むと思うけど…」
「その初手を指しても59地点の駒成りの10手で負けちゃった」

(条件) 

  • 10手目に59への駒成で詰んだ
  • 初手は8手では負けない手

出題のことば(担当 Pontamon)

 連立条件の初手を解くことから始めるか、詰み形を考えるのが先なのか。

締め切り前ヒント

 初手は▲66歩。△59角成で詰めるためにサポートする駒が必要です。


推理将棋128-2 解答 担当 Pontamon

66歩、△34歩、▲65歩、△77角不成、▲68金、△同角不成、
▲48玉、△69金、▲38金、△59角成 まで10手


(条件)
・10手目に59への駒成で詰んだ(10手目△59角成)
・初手は8手では負けない手(初手▲66歩)

Suiri1282

本作では初手の条件はあるものの、駒種や地点などの明確な情報はなく、他の将棋パズルを解かないと初手がわからないという連立条件になっています。将棋に関する会話をもとに手順を再現するのが推理将棋の基本で、本作では8手で負けない初手を発見したという先手の会話が連立条件になっています。

会話のように初手に何を指しても7手詰手順を2手目から指せば詰む手順がありそうな気がしますが、実はこの初手が邪魔をして7手詰手順を実施できなかったり、玉の逃げ道になる初手があるのです。

7手詰の全29手順の初手は26歩、76歩、96歩の3つ。26歩の場合は最終手は23歩成の1通り。96歩から始まる4手順では最終手は53銀になります。残りの24手順は76歩からで3手目が22、33、44への角の手で最終手は53銀の他にも2段目の金打ちまでや31馬や31角成までの手順があります。もし、44歩が突かれていると、23歩成の時に32の玉は43へ逃げることができ、53銀と打たれても52の玉は43へ逃げることができます。最初から44歩が突かれていると、先手の3手目で33や22への角移動ができません。44の歩を取る44角からの詰みは53銀までなので、96歩からの53銀までと同様に玉は43へ逃げることができます。したがって、8手で負けない初手とは先後を入れ替えた66歩になります。

Suiri1282a初手は66歩だと分かりましたが、最終手が59地点への駒成で詰ますことができる駒や手順は何でしょう?

駒成可能で10手で行けそうなのは、飛、角、銀、桂くらいでしょう。

参考1図は一番強い59飛成までで詰めた局面です。

参考1図:▲66歩、△34歩、▲65歩、△77角不成、▲68飛、△同角不成、▲58玉、△77角成、▲78金、△69飛、▲59金、△同飛成 まで12手

67へ脱出されないように、飛を取った後に△77角成する必要があるため、△59飛成までの手順は12手になってしまって失敗です。

最初から77角成で駒を入手して打った後59で駒成する手順はどうでしょう。桂であれば ▲66歩、△34歩、▲76歩、△66角、▲77桂、△同角成、▲58玉、△67桂、▲48金 で次の10手目に59桂成ができますが、▲78金が間に合っていません。68で銀を取る場合は飛の手順と同様に△77角成の手が入り、結局、飛でも桂でも銀でも12手掛かってしまいます。

Suiri1282bでは、△59角成の最終手はどうでしょう。参考2図は2枚の角の連携で△59角成を目指した手順の9手目までの局面ですが、69の金が居座ったままなので次の10手目の△59角成では詰んでいません。

参考2図:▲66歩、△34歩、▲76歩、△66角、▲77角、△同角成、▲58玉、△68角、▲48金 まで9手目局面

これまでのところ、先手玉は58の位置に居るため67への脱出を阻止する必要があったのでうまく行かなかったのかもしれません。67へ玉が移動できない48や49地点の玉を詰める手順を検討してみます。49の金が居る状態なので▲49玉とはできないので、▲58玉以外だと▲48玉になりそうです。

初手から▲66歩、△34歩、▲65歩、△77角不成の後、飛を68地点で角不成や角成で取って▲48玉とすると、飛をすぐに打つことができず詰みまでは12手掛かってしまいます。68で銀を角で取って▲48玉に△58銀と打って▲38金に△59銀成としても王手にはなりませんが、銀を68角不成で取った場合には△59銀成ではなく△59角成がいい線行っていることに気付きます。69に居座っている金が邪魔なので、△68角不成で取るのを銀ではなく金にすれば△69金と打つことができるのでうまく行きそうです。5手目から▲68金、△同角不成、▲48玉、△69金、▲38金、△59角成 までの詰みになりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

はなさかしろうさん「8手で負けないためには後手角の動きを制し、8筋歩突きにも逃げ道を用意する66歩が大本命ですが、確かに他の29の初手では全て詰みがあるんですね。その後10手目の条件だけで一意に決まるのも素晴らしいです。」

■出題翌日の解答にもかかわらず、初手30種中の大本命の66歩以外の残り29種を確認されたようですね。

RINTAROさん「初手66歩の確定に10分。3手目65歩に1分。以下10秒。」

■初手からの高速の寄せ。

ミニベロさん「この「8手では負けない初手」は、過去に渡辺さんから聞いたことがあり、作家として一応知ってはいたが、これが作品になるとは驚いた。7手詰の基本をおさらいしましょう!」

■初手30種の全てを7手詰手順で検討してみると、変なところの駒が動いているのが理由で7手詰手順を実行できない場合がありますが、それでも詰む形があればその初手は除外されます。

NAOさん「7手詰手順のお復習い。87歩成と57銀の双方の詰筋を防ぐ66歩。」

■詰み上がりの玉位置から考えると逃げ道を作っておく▲66歩に到達できますね。

ほっとさん「初手だけの出題で良かったのでは?初手30通り中、残りの29通りに8手で先手玉が詰む順があることを確認するのが大変だった。」

■論理で行けば初手確定は10分だったようです。初手30通りを厳密に検証すると時間が掛かります。

リーグ戦ファンさん「「8手で負けない」が俄然パズル心をくすぐって、即刻考えたくなった楽しい問題。初手絞り込みのため7手詰手順の構成をいろいろ考えたおかげで、この受け側66歩!という初手の優秀さが強ぉく認識でき、「3手目▲65歩として無効化するしかなさそう」との第一感であっさり解けました。」

■先手は、初手▲66歩なのだけを覚えていたようで3手目▲65歩を指しては研究が台無し。

飯山修さん「『8手で詰まない初手は』という初級問題を出せば1問のみ解答者が増えたのでは?」

■客寄せ用の1手作品ですか。

けいたんさん「角道を止め空間をあけるのか、なるほど」

■解答に誤記だと思われる手がありましたが正解扱いとさせていただきました。皆さん、「誤記あるある」の左右筋反転や先後の段反転にご注意。

山下誠さん「初手の発見というより、8手では詰まないという証明が難しい。」

■「初手〇〇の時に8手で詰む手順はない」と言う仮説の時に、詰む手順をひとつでも提示すればこの仮説が間違っていたという証明になります。8手で詰む3420手順を求めよという問題ではないので、例外をひとつ提示すればいいので、初手30種を順に検討すれば確実です。おすすめは△84歩から△87歩成での詰み手順です。初手▲68銀だと78への玉移動ができないので別の手筋(57銀まで)を検討します。

原岡望さん「せっかくの守りの66歩を動かしたのが悪かった。」

■せっかく初手を研究したのに3手目で御破算に。

波多野賢太郎さん「これは思わず7手詰29手順を探して復習してしまいました。それでも8手で詰まない初手が何かを考えるのは難しかったです。」

■7手詰29手順の復習をしていただくのも目的のひとつ。

S.Kimuraさん「初手66歩とした局面から,7手詰の手順で詰まないようですが,初手66歩とする8手詰の手順がないことは確認していません.」

■▲66歩と突いてあるからこそ到達できる▲67玉、▲56玉、▲76玉の3地点の玉を後手の4手だけで詰ませる形が無いことを確認すれば検証終了です。

諏訪冬葉さん「2手目から△14歩▲56歩△13角 以下解答と同じ順で失敗したのでこの回答を読むのが遅れました。」

■解説では取り上げませんでしたが、△13角からの攻めは最終手△59角成とした時に57への脱出が可能な紛れ筋になります。

神在月生さん「8手詰防止の初手が10手詰には邪魔駒になるというわけですね。」

■はい、そうとは知らず先手は研究成果をふいにする3手目▲65歩を指して邪魔駒を排除してしまいました。

緑衾さん「66歩は分かったのですが、詰み形が分からなくて、別の初手があるのではないかと心配しました。」

■1分10秒で見える場合もあるし、数時間必要だったりもします。寝不足などのその日の体調とか頭の冴えの違いで調子は変わります。


正解:13名

  はなさかしろうさん  RINTAROさん  ミニベロさん  NAOさん
  ほっとさん  リーグ戦ファンさん  けいたんさん  山下誠さん
  原岡望さん  波多野賢太郎さん  S.Kimuraさん  神在月生さん
  緑衾さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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