推理将棋第128回解答(3)
[2020年6月27日最終更新]
推理将棋第128回出題の128-3の解答、第128回出題の当選者(諏訪冬葉さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第128回出題 推理将棋第128回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
128-3 上級 ミニベロ 作 11手目の初王手の両王手 11手
「両手でとどめとか、8本の手で尻を掻くとか、恐ろしい話だな」
「違うよ。とどめは両王手、8手目は打った角の尻という意味だよ」
「それなんの話?」
「11手目の初王手の両王手で詰んだ推理将棋の話」(条件)
- 11手目の初王手の両王手で詰んだ
- 8手目は打った角の尻
出題のことば(担当 Pontamon)
8手目の角尻までの手順を考えるか詰み形を考えるか。手掛かりが少ない難問です。
締め切り前ヒント
▲32角と打った角尻に△33玉と指した玉をそのまま33で詰めます。
余詰修正
会話、条件とも「8手目は角の尻」を「8手目は打った角の尻」に修正
|
推理将棋128-3 解答 担当 Pontamon ▲46歩、△34歩、▲45歩、△44角、▲同歩、△42玉、 |
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詰み上がりは両王手という以外には8手目に角尻の着手の情報しかありません。実現が難しそうな条件の場合は攻める側ではなく、詰まされる側の余裕手を使って実現することが多いのですが、この「8手目に角尻への着手」は難題です。後手が△34歩、△33桂、△32銀、△21銀で自分の居角の尻へ着手するには4手かかります。△55角、△54歩で▲53銀を打っての詰みとか、△34歩、△33角、△32金の壁作りなら9筋側からの攻めへの協力はできますが、両王手にはなりそうにありません。解図を角尻着手から攻めるのではなく、両王手の形から角尻着手が可能なものを探すのが良いかもしれません。
推理将棋のトップページに掲載されている推理将棋講座にミニベロ講師の「6 開き王手・両王手」があるので両王手の形を見てみましょう。
両王手最短手数の9手の形なら、▲76歩、△74歩、▲55角、△84歩、▲82角不成、△72銀、▲92飛、△83銀 の順によって8手目に角尻の着手が可能ですが、後手だけで余分な3手を使っているので手数が足りません。
5筋の飛角による11手の両王手の原理図の場合は、手順次第では▲55角に対して角尻への△56歩が可能で、先手は△56飛の1手を追加すればよいのですが、後手の余裕手2手を先後へ1手ずつ振り分けることはできません。
解図が進まず困っていた時におもちゃ箱を見て、条件が修正されていることに気付かれた方も居るでしょう。角尻着手は、打った角の角尻着手だと情報が追加されていたのでグッと取り組み易くなりました。
角を打って両王手となると思い浮かぶのは、端の5段目へ角を打ち、角筋を止めていた3段目(7段目)の飛を5筋へ横移動して成る形です。▲95角だと後手が96の着手は難しいですが、▲84角だと△85桂がピッタシの配置になります。参考1図はこの方針で手を進めてみたものです。
参考1図:▲78飛、△34歩、▲68銀、△77角不成、▲同飛、△94歩、▲84角、△93桂、▲73飛不成、△64歩、▲53飛成 まで11手
7手目の▲84角と打った角の角尻への△85桂が出来れば条件クリアなのですが、間に合いませんし△64歩も指す必要があるので手数が足りていませんでした。
講座に戻ってみると、中段玉を両王手で詰める10手の原理図がありました。後手は△86角と打って75地点を抑えていますが、75地点は△74歩で抑えるこも可能です。そうなると△78角の1手を増やして玉移動が角尻を通るようにすることができそうです。この角打ち追加で11手になるので先後を入れ替えた手順が参考2図です。
参考2図:▲78飛、△34歩、▲36歩、△77角不成、▲同飛、△42玉、▲32角、△33玉、▲46歩、△44玉、▲74飛 まで11手
7手目に▲32角と打ち、8手目は角尻の△33玉で条件クリアしての両王手で詰みになっているのですが、4手目の△77角不成が先手玉に対する王手になっているため、「初王手」の両王手になっていませんでした。
ここまでの両王手は両王手の主流の飛角によるものでしたが、講座に戻って再度見てみると、飛び道具同士だけでなく、片方が歩や桂馬の場合もあるとの解説で、43歩成までの11手の手順が示されています。この手順を並べてみてください。最終手の▲43歩成のと金を支えているのは初手の▲48飛ですが、他の方法を考えてみます。後手は角を2手動かして24地点の退路を塞いでいますが、退路封鎖は△24歩にして、先手へ角を渡すことができれば、先手は▲32角と打って、△33玉が角尻着手になるのは参考2図と同じになりますし、最終手の43歩成のと金の支えにもなります。
先手は5手目までに角を入手して、7手目に▲32角と打つ必要があります。最終手の43歩成が両王手になるためには先手角を使って後手の角を取ることはできないので、初手の▲46歩から歩を進めて行く途中で角を取る必要があります。初手から▲46歩、△34歩、▲45歩、△44角、▲同歩で4手目の44角を同歩で取ることができます。7手目は▲32角で8手目は△33玉を指すために6手目は△42玉と上がります。先手の残り着手は▲76歩と角筋を開けてからの最終手の▲43歩成ですが、後手は△24歩で玉の退路を塞ぎます。23地点が空いたようですが、ここは▲32角が抑えています。
はなさかしろうさんから指摘があった元条件での余詰は、11の香を角で取って56香へ打ち、55角からの両王手の筋で、角尻着手は12飛とする手順でした。
▲76歩、△34歩、▲22角不成、△54歩、▲11角不成、△55歩、▲56香、△12飛、▲55角不成、△62飛、▲33角不成
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん(作者)「充分時間をかけて検討した作品なのですが、だめでした。担当先生ならびに解答者の皆様に深くお詫び申し上げます。一応テーマとしては、<飛香を使わない両王手>だったのですが、力不足でした。」
■8手目での角尻着手は数多くて検討に時間が掛かったのに、11角生に12飛がまったく見えてませんでした。担当の力不足、申し訳ありません。
はなさかしろうさん(双方解)「(余詰手順解答時)両王手の詰みは最短9手だけに11手だといろいろありそう。本手順は8手目まで一意ですが、その後は成生や左右など選択肢が広いので、余詰かな、と思います。
(作意順解答時)この両王手は頭の片隅にはあったのですが、どういうわけか角+もう一枚を取りに行く順にすっかり嵌ってしまいました。手順の限定が簡潔で素晴らしいです。」
■9手詰では「両王手」を条件にしませんが、11手だと「両王手」を明かしても支障がないくらい沢山の形がありそうです。条件が簡素になる利点があるので「両王手」条件は有りですね。11手での両王手の詰み形って一体どのくらいの種類があるのでしょうね?
RINTAROさん「76歩34歩22角成32飛同馬の筋が詰まないので、別の詰上図を考える。76歩34歩22角成同飛44角55角22角成54歩12飛62玉44馬のような筋も考えました(笑)。本詰上図に気付いてからは早かったです。」
■後手の△55角に△54歩で、9手の両王手反転パターンの▲44馬までは担当も考えました。△51金左が間に合いませんでした。
NAOさん「歩の遅早。角尻が玉とは意表。」
■投稿があった際に即思い浮かんだのが解説の参考2図の手順。その後、角尻の着手条件に翻弄されました。
ほっとさん「飛+角の両王手を考えてハマる。43歩成が間に合うとは。」
■両王手の主流は「飛+角」で間違いないですね。
リーグ戦ファンさん「両王手系は大好きで過去いろいろ分類したことがあったので自信を持って取り組んだところ、そのルートでは解に行き当たらず、別掲の余詰候補が発見できたのみ。その手順をヒントに「32角に33玉」にこだわったら私の知らない形の両王手詰がありました。歩の両王手詰めで11手があったとは。 知ってみればほぼ同じパターンでもう一種できますねメモメモ。」
■担当は過去作の条件と手順を書き出してあるのですが、作品の特徴を書いていないので、両王手等での検索ができない状況です。列を追加して作品の整理をやり直そうかな。
飯山修さん「120-3の変形かと思ったが全然違いました。歩の行進は結構強力で侮れないですね」
■角と歩の連携という意味では120-3と同系ですね。
けいたんさん「76歩を遅らせる効果か、なるほど」
■44歩を配置した後なら76歩を突くことができて、両王手へ持って行けます。
山下誠さん「両王手と聞くとどうしても飛角の組み合わせを考えてしまう。歩が主役とは予想外。」
■両王手の片方は必ず飛び道具になります。すぐ思い浮かぶのは飛角でしょう。香と歩のコンビはあり得無いので、弱い駒での両王手としては香と桂のコンビ。(16手は幾つかあるけど、短くなるかな)
原岡望さん「前回に続く歩の活躍」
■前回とは、ミニベロさん作の120-3の12手目の両王手のことですね。
波多野賢太郎さん「これは難しくてヒントが出るまで全然わかりませんでした。ずっと考えたのは3手目に角を取る筋で、その後飛車を取ってみたりしてもうまくいきませんでした。11手でこの条件の少なさはなかなかすごいですね。」
■両王手を隠そうとすると条件が一気に増えますが、両王手を明かす英断でシンプルな条件に。と言っても追加された条件は「打った角尻への着手」なのであまり解図の参考にならない難問でした。
S.Kimuraさん「ヒントを見て,32角33玉の局面から両王手になる手段を考えましたが,答えは見つかりませんでした.」
■33の玉を両王手で詰めるという目標が定まったはずですが、44歩で角道を止めておくという構造が見え難かったようですね。
諏訪冬葉さん「前2題から「初手66歩」と読んで失敗しました」
■上級も初手66歩にしたかったのですが在庫がありませんでした。出題コメント「今回の選題のテーマは…。」が初手66歩を匂わせたかな。
緑衾さん「何故か居玉だと決めつけてしまいヒント待ちになりました。暗算だと24歩の一手で詰み形だと分かりづらかったです。」
■絶妙な協力手△24歩! 23と22がスカスカになるので「これで詰んでいるの?」となります。
正解:12名
はなさかしろうさん RINTAROさん ミニベロさん
NAOさん ほっとさん 飯山修さん けいたんさん
山下誠さん 原岡望さん 波多野賢太郎さん 諏訪冬葉さん
緑衾さん
総評
RINTAROさん「今回の出題は親切設計で楽しめました。」
■担当としては、いつも同じ調子でやっているつもりなのですが...。
リーグ戦ファンさん「128-2、「8手で負けない」的メタパズルは大好きです。論理パズルとして手が決まるのは楽しいフュージョンと思いました。
128-3、会話はこれでよいとして、条件のところでも「初王手」で済ませてしまったのは私には疑問の残る表現でした。
「初王手」という言葉は、主語が「対局」でなく「攻め手側」である、という感覚が強いのは私だけでしょうか?
先に話題になった「二回目の王手」に比べてもさらに読む側の認識が分かれそうな表現だと思います。
しかも、今回の問題についていえば「初王手」を「この対局最初の(唯一の)王手」等、より厳密に解説したとして、余詰候補解がはっきりと余詰と認識できるだけで、なんら解題の楽しさを失わないですから、その旨記載すべきだったと思います。
(余詰候補解)▲36歩▽34歩▲78飛▽77角成▲同飛▽42玉▲32角▽33玉▲37桂▽44玉▲74飛 まで(手順前後等非限定多数)。 」
■推理将棋の用語集を本結果稿の末尾に掲載しました。
飯山修さん「直前ヒントが出てからすぐ解答が出せる時はヒントが大甘だった証拠かな」
■上級はヒントが出ても解けないくらいがいいですかね。1週間でギリギリ解けるようにするのは至難の業。
原岡望さん「久々の期日前解答でほっとしています。」
■募集中の9手特集の回では、ヒント投入前での解答を期待します。
波多野賢太郎さん「今回もなかなか手強かったです。次回こそはノーヒントで解けるといいなあと思います。」
■この結果稿を読まれている時点でヒント投入まで1週間を切っているはずです。解けたかどうか。
変寝夢さん「気づいたら締め切りでした。」
■月日の流れを速く感じる今日この頃。3日前くらいに「今日は週末」と思ってた感じ。倍速モードです。
占魚亭さん「相変わらず、低調です……(汗)」
■マイペースでどうぞ。
緑衾さん「送り忘れてました。よろしければコメントだけでも載せてください。」
■セーフでした。寝てる間に届いていたメールは前日扱い!?
《128回のおまけの解答》
コロナに負けるな
条件:
・9手詰
・5手目5筋、6手目6筋、7手目7筋と着手
・後手の手順だけを拾っても、5・6・7筋に連続で着手
・大駒3回、不成りなし
作意順:
▲76歩、△74歩、▲75歩、△52飛、▲55角、△62玉、▲74歩、△73桂、▲同角成 まで9手詰
7手目と最終手の両方とも7筋なのが詰形が見えない原因かも。詰形が見えていないと指し難い3手目▲75歩がキーポイント。
5手目の5筋、7手目の7筋が先手の着手なので、5手目▲51角で金を取って、6手目△61玉、7手目▲73角のあと頭金で仕留める筋が気になりますが、不成なしの条件なので成立しない筋でした。
推理将棋第128回出題全解答者: 18名
はなさかしろうさん RINTAROさん ミニベロさん NAOさん
ほっとさん リーグ戦ファンさん 飯山修さん べべ&ぺぺさん
けいたんさん 山下誠さん 原岡望さん 波多野賢太郎さん
S.Kimuraさん 諏訪冬葉さん 変寝夢さん 占魚亭さん
神在月生さん 緑衾さん
当選: 諏訪冬葉さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
《推理将棋のルール》
推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズルです。実戦初形から指し始め、与えられた条件を満たす手順を見つけてください。
《推理将棋用語》
誤解が起きやすい用語について簡単に説明しておきます。
成について
駒を成る手を指した場合、その着手は成る前の駒種になります。つまり、棋譜に記載される駒種になります。
「33への角の着手で王手を掛けた」では、着手したのは角だと明記されていますが角成したのか角不成だったのかは限定されませんので思い込みは失敗のもとになります。不成・成の回数条件との組み合わせやその後の手順によって不成・成が限定されることになります。
回数・個数等について
王手、駒成、不成、駒取りなどの回数に関して手番が示されていない場合はその対局を通して実行された回数になります。
大は小を兼ねません。「2回だった」の解釈で「3回なら2回が含まれる」との解釈は間違いです。ちょうどの数になります。また、「初」は対局開始から1回目の意味です。対局者にとっての「初」の場合は手番を指定する必要があります。初王手ではなく対局を通して2回目の王手だけど先手にとっての初めて王手で詰ませたのであれば、「先手の初めての王手で詰んだ」や「2回目の王手で詰んだ」の表現になります。後者の文章の先頭に「先手の」を付けると修飾は「先手の⇒2回目の⇒王手」になるので意味が違ってしまいます。詰みまでの手数で先手が詰めたのかは分かりますので、丁寧に説明しようとして間違いを起こさないように作家の方は気を付けましょう。
一枚の駒
一枚の歩を5連続で指したという条件の場合、4手目に歩成をして5手目が成った「と金」の着手も可能です。つまり、駒成があっても物理的に一枚の駒であれば、駒の表裏は不問になります。
通常は駒が取られた時点で「一枚の駒」の効力は失われることが多いですが、状況によっては駒を取られても一枚の駒であることが論理的に成立する場合はあります。
たとえば、「一枚の角で不成・成・打の付く着手があった」では取った相手の角を「打」「不成」「成」の順で指すことができます。
空き王手と開き王手について
ウィキペディア(Wikipedia)での「王手」の説明では、「空き王手・開き王手(あきおうて)」の項目の記載があります。ネットで調べても「あきおうて」の漢字はどちらが正しいというものではなく両方が使われているようです。
担当(Pontamon)は、「開き」だと「ひらき」と読んでしまうので、「空き王手」に統一して使っています。出題は作者の原文のまま出題していますが、結果稿では「空き王手」になっているのはこのような理由からでした。
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