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推理将棋第128回解答(1)

[2020年6月23日最終更新]
推理将棋第128回出題の128-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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推理将棋第128回解説  担当 Pontamon

初級のけいたんさんの投稿コメントからテーマのヒントを貰い、初手76歩・26歩・96歩以外の作品を特集してみました。
今回は、自作への回答も含めて棋譜の誤記が多く見られました。


128-1 初級 けいたん 作  9筋に打った駒を動かして詰み 9手

「9筋に打った駒を動かして9手で詰みか」
「3手目と5手目は生の同じ駒の着手だったな」
「後手は2回玉を動かしたね」

(条件) 

  • 9手で詰み
  • 最終手は9筋に打った駒を動かした
  • 3手目と5手目は生の同じ駒の着手だった
  • 後手は2回玉を動かした

出題のことば(担当 Pontamon)

 5手目までに入手した駒を9筋へ打ちますが、詰みに効果的な駒と取り場所は?

締め切り前ヒント

 飛車で角を取り、96へ打った角を後手陣で成ります。


推理将棋128-1 解答

▲66歩、△34歩、▲68飛 、△66角、▲同飛 、△62玉
96角 、△72玉、▲63角成 まで9手


(条件)
・9手で詰み
・最終手は9筋に打った駒を動かした(7手目▲96角、9手目▲63角成)
・3手目と5手目は生の同じ駒の着手だった(3手目▲68飛、5手目▲66同飛)
・後手は2回玉を動かした(6手目△62玉、8手目△72玉)

Suiri1281

Suiri1281a玉着手が2回だけだと7筋へ行くのがいっぱいなので、9筋に打った駒が最終手で動いての詰みとなると9筋に打つのは飛か角のどちらかしかない。つまり、先手は5手目までに大駒を取って7手目に9筋へ打ち、最終手の9手目にその駒を動かすことになります。

先手が飛を取って9筋に打つ手順を考えてみたのが参考1図です。

参考1図:▲76歩、△74歩、▲55角、△52金右、▲82角不成、△61玉、▲92飛、△42金寄、▲71角不成、△51玉、▲62飛成 まで11手

3手目と5手目は角を動かして、5手目に82の飛を取り、7手目に▲92飛と打ちます。後手玉は△61玉、△51玉と2回動いて、▲62飛成までの詰みですが、62の龍の支えのために82で飛を取った角を71へ移動する手が入るために手数は11手になってしまい失敗です。

本命の大駒はやはり角のようです。3手目と5手目の駒が同じで、5手目までに後手の角を取る手順は幾つかあります。初手については何も言及されていないので3手目や5手目と同じ駒であっても良い条件なので、▲46歩、△34歩、▲45歩、△44角、▲同歩 で角を取ることも可能ですが、7手目に9筋へ角打ちして9手目に移動してもその駒を支える駒がありません。▲56歩、▲55歩で55の角を取るのも同様です。

Suiri1281b先手が角を動かして後手の角を取る手順だと、2枚の角で左右からの挟殺の筋がありそうです。参考2図は先手の角で後手角を取ったあとに▲23馬として41地点に利かせて、▲96角からの▲41角成を支える手順で先手玉を9手で詰ませていますが、3手目と5手目は同じ駒ではあるものの駒成した後の▲23馬なので条件を満たしていません。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△52玉、▲23馬、△42玉、▲96角、△64歩、▲41角成 まで9手

となると、何処でどの駒で後手角を取るのが正解でしょうか?9筋への角打ちは96が最有力です。95だと9手目が桂が利いている73になるし、94からだと飛が利いている83への移動になり、どちらにしても角あるいは角成した馬を支えることができません。▲96角と打つ場合は参考2図のように41地点を支え目には馬の着手が必要になるため、最終手は▲63角成が有望で、この駒を支える必要があります。初手から6筋の歩を進めて行き、△55角、△64角とした角を64地点で取れるのであればこの64の歩が63地点の支えになります。しかし、初手から▲66歩、△34歩、▲65歩、△55角 では次の▲64歩の着手前に64へ角を持っていけません。(先後を変えた10手なら25-2の作品の手順になるのですが...。)

正解は、飛で後手角を66地点で取る手順になります。初手から▲66歩、△34歩、▲68飛、△66角、▲同飛 です。66の飛が63地点を支えているので、6手目から△62玉、▲96角、△72玉、▲63角成 で詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(作者)「これは完全なら喉から手が出るほど欲しい、初手76歩以外の9手詰と思います。」

はなさかしろうさん「96角が大本命ですが、63にどうやってひもをつけるか考えているうちに92飛に惹かれて寄り道しました。「生の」という条件がなければ…など、案外易しくなかったです。」

■解説の手順も検討されていたようです。

RINTAROさん「最初、生を不成と勘違いしていました。」

■生の手なら不成の手ですが、生の駒なら成る前の駒のことですね。

ミニベロさん「飛車を世に出す基本手筋だが、通常は後手飛車が多い。後手の形(51金左)や角の打ち場所など、限定の仕方が作者の腕の見せ所。」

■▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛は鉄板手順ですが、先後逆は思いの外少ないようです。

NAOさん「第一感は合い効かずの角の筋だったけど外れ。俗に角成か。」

■9手だとあまり凝った詰み上がりは難しいようです。

ほっとさん「複数の解釈ができる条件が多くて難儀した。」

■どの辺りのことだろう?「玉を動かしたのは後手の2回だけ」とはなっていないので先手も玉を動かせる。後手が9筋へ駒を打つのも禁止されていない。諸々の行間を解釈すると検討しなければいけない手の範囲は拡大しますね。

リーグ戦ファンさん「今回この問題に一番時間がかかりました。「生の手」がうまくて、当然に先手角の成・不成を縛る目的と思い込むじゃないですか。主目的は手順前後の限定だったとは。これは巧みな叙述トリック。」

■「初手(3手目)は飛」では手順前後回避がバレバレ。桂の二段跳ねの可能性もあるけど、角や桂の着手ならわざわざ3手目と5手目と言う必要はないとの裏読みもありそうです。でもその裏読みも正しくはなく、5手目と7手目の桂・角の連続着手を除外する目的の可能性もあります。

飯山修さん「5手目同○ では余詰があるのかな」

■作意順の初手と3手目を入れ替えると3手目から▲66歩、△同角、▲同飛になるので、「3手目と5手目は生の同じ駒の着手」の代わりに「5手目は同の手」では余詰みます。

べべ&ぺぺさん「6筋に飛車を持ってきて、66角という手順はたまにありますね。」

■解図の時には考える手筋かもしれませんが、6筋に飛を振って4手目の△66角の作品は少なく、殆どは後手が先手玉を詰める偶数手の作品です。最近の作品だと緑衾さん作122-3上級です。唯一先手が後手玉を詰める作品は、奥野眞さん作の詰パラ#71(2010/4)の11手詰だけのようです。

山下誠さん「角を取る駒が飛車と気づかなければ超難問。」

■上記コメントのように、過去作での経験が無い手順なので気付き難かったでしょう。

原岡望さん「ヒント前は角を角で取ると思いこんでいました。」

■3手目で角を取って、5手目は取った角を打つのは同じ駒ではない(同種の駒ではあるが)ので、▲22角不成としておいてから5手目はこの22の角が連続で動く。そう考えるのは正常な論理的思考です。

波多野賢太郎さん「かなり悩みました。というのも、3手目、5手目が生なのでやはり角が後手陣で駒取りをすると思ったからです。4二で飛車を取る順はずいぶん考えてしまいました。」

■攻め駒として強い飛を取りたい気持ちは分かります。その後9筋に打って最終手で動かし飛成で詰めれそうな気がするのですが

S.Kimuraさん「「生=不成」と思っていたので,ヒントを見るまで唖然としました.コメントに気付かなかったのが悪いのでしょうが,がっかりしました.」

■「生の着手」と誤解されたのですね。「生の」が掛かっているのは「同じ駒」で、「生の同じ駒の」が掛かっているのが「着手」です。助詞の「の」はその次に来る名詞(体言)に掛かります。漢の委の奴の国王印も然り。しかし、「綺麗なお姉さんの服」だと「奇麗」なのは「お姉さん」なのか「服」なのかが確定していません。こちらは複数の解釈が可能な表現になるので、一意にするには読点を付けたり括弧が必要になります。

諏訪冬葉さん「角を角で取るのは連携が難しそうなので、飛車を取る手を先に考えていました」

■なんせ9筋へ打たないといけないので後手陣で取る角や飛では連携が難しいです。

変寝夢さん「3、5手目は角しかないと思っていたのだが。飛車を活用する筋は、これっぽっちも考えなかった」

■滅多にない序の順なので仕方なかったと思います。

占魚亭さん「普通に考えれば9筋に打つ駒は角しかないので、詰み形の予想は容易でした。」

■角を取ってからの▲31角不成に最終手▲42角成で玉を詰めようとしても97へ角を打てないのでNG。となると角成の場所と支えになる駒が何になるかを考えると角を取る場所が浮かんできます。

神在月生さん「角を使おうとすると迷宮入り。」

■9筋ではなく「端」だったら1筋へ角を打つ手順が一杯あるので、序で角で角を取る手順はありそうな気がするのです。

緑衾さん「ほぼ同じ筋の問題を送っていた(余詰修正中)のですがこっちの方がいいですね。」

■条件が違えば別作品というのが推理将棋ですので同じ詰み上がりや似た図は問題ありません。


正解:18名

  はなさかしろうさん  RINTAROさん  ミニベロさん  NAOさん
  ほっとさん  リーグ戦ファンさん  飯山修さん  べべ&ぺぺさん
  けいたんさん  山下誠さん  原岡望さん  波多野賢太郎さん
  S.Kimuraさん  諏訪冬葉さん  変寝夢さん  占魚亭さん
  神在月生さん  緑衾さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

より分かりやすい表現を考えるべきで、それをしないのであれば会話調での出題をやめるべきだと思います

投稿: asdsa | 2020.06.24 03:15

会話文だから分かりにくいという訳ではないと思います。生の同じ手という解釈が難しい。馬の手は角成の手ではない等、慣れないと難しい表現があります。このコメント欄を積極的に使って質問するのが良い思います。

投稿: マツダ | 2020.06.25 12:39

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