推理将棋第129回解答(2)
[2020年7月23日最終更新]
推理将棋第129回出題の129-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第129回出題 推理将棋第129回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
129-2 中級 NAO 作 隅と端の攻防 10手
「さっきの将棋、10手目の初王手で詰んだって?」
「19地点の手より後に、1筋の手を指したよ」
「なるほど。隅と端の攻防で勝負が決した訳か」(条件)
- 8手で詰んだ10手目の初王手で詰んだ
- 19地点への着手より後に1筋に着手した
出題のことば(担当 Pontamon)
19地点の着手は先手か後手か?その駒は何かを推理しましょう。
締め切り前ヒント
後手が銀を19へ打ちます。他条件から、それは何手目なのかは判明します。
推理将棋129-2 解答 担当 Pontamon ▲48玉、△34歩、▲38玉、△66角、▲56歩、△39角不成、 |
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19に限らず隅の着手がある時に最初に考えるのは角で香を取って使う手順でしょう。参考1図は、後手が19角成で香を取って、△47香までの10手詰手順になります。
参考1図手順:▲58飛、△34歩、▲48玉、△55角、▲36歩、△19角成、▲59金左、△29馬、▲46歩、△47香 まで10手
ところがこの手順では19地点の着手の後に1筋着手がありません。
▲76歩、△34歩、▲55角、△同角、▲18香、△19角 だと6手目に19地点の着手が出来、先手は△58飛、△68玉等を指す間に後手は1筋着手が可能で、最後は▲37桂、△同角上成 で仕留めることができますがこの筋だと14手掛かってしまいます。
角が19へ行く途中にある飛を取って、先手の▲18香の協力によって△19飛と打ってからの一間龍の手筋はどうでしょう。参考2図では、△19飛の後に▲16歩の手も入って良さそうなのですが68の退路が空いていて失敗です。
参考2図の手順:▲58金右、△34歩、▲36歩、△55角、▲18香、△28角不成、▲37桂、△19飛、▲16歩、△39飛成 まで10手
先手は19地点を空けて、後手が角で取った駒を19へ打つ手筋だと駒取りは6手目で19への駒打ちが8手目なので、残っている後手着手は1手しかありません。となると、駒を取った角と19へ打った駒の連携で何か1手で詰む形にする必要があります。
39の銀を角で取って、△19銀と打つと28地点が角と銀が利いているので△28銀成か△28角成であれば相互が支えになっているので形としては良さそうです。この時、成駒は28地点に居るので玉は38あたりのはずです。
初手から、▲48玉、△34歩、▲38玉、△66角、▲56歩 とすると次に△39角不成で銀を取れます。6手目から△39角不成、▲18香、△19銀、▲16歩、△28銀成 までの10手で詰みとなります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAO(作者)「投稿時には気づかなかった「受方に遊び手があるのに9手では詰まない10手詰」作品。投稿したのが昨年だったので手順を忘れていました。攻方5手+受方5手に受方の遊び手が入ることだけは覚えていたため9手詰+1手の筋を追って思わぬ苦戦を強いられました。9手では詰まない筋に気づき納得した次第。」
■推理将棋再開の際にお願いして投稿いただいた作品でしたが、掲載が延び延びになってました。
ミニベロさん「詰みに関する事や、細かい条件ほとんどなしで綺麗に限定されている。待ち手も手順の重要な一部として溶け込んでいて、好作だと思う。」
■条件文に「着手より後に」の表記があると、別の作者を思い浮かべるのは私だけではないはず。
はなさかしろうさん「シンプルな難問でしびれました。初王手条件で56歩が5手目に限定できるんですね。詰め上りは簡潔なのに推理将棋では見たことがなかったもので、素晴らしいです。」
■作品投稿時のコメントでも、この形は見たことがないはずという自信作。担当なら日常のことですが、手順を忘れてしまったそうです。
渡辺さん「この筋後手で出来るんですね。自分が先手で何度か作ろうとして出来なかったことを実現した作。作者が自分でないのが悔しい!!」
■確かに、9手では91銀ができないし11手だと後手が2手余るのでまとめるのが難しそう。
ほっとさん「8手目19飛だと、「19地点への着手より後に1筋に着手」の条件が満たせない。」
■解説の参考2図の手順で、▲16歩の代わりに▲68銀等で68地点を埋める手順ですね。
RINTAROさん「全くこの手順は浮かびませんでした。作者に脱帽です。」
■ヒントの出し過ぎでしたでしょうか。
リ-グ戦ファンさん「「19の手」条件は私が「複数の純粋無駄手を1つの条件で表現」する際の芋筋候補として昔考えてた筋。今回は残念ながら?ちゃんと意味がある手でした(^^ こういう筋があるなら19って無駄手には使いにくいんですね残念。」
■詰まされる側の「自陣の隅への着手」だと純粋無駄手の可能性はあるのかなぁ?飛車側の隅なら最低でも3手が必要だけど、先後の必要手の差が3手ある手順を探すのが大変そう。
飯山修さん「19銀の後の1筋着手が先手でもいいと気付くのに時間がかかった」
■△19銀は最短で8手目なので、その後の1筋着手が後手なら最終手しかないので、詰み形が見えてこなかったことでしょう。
山下誠さん「ヒントを見るまで1九銀打は全く浮かびませんでした。初王手もうまい条件。」
■初王手条件によって▲56歩の手順前後が解消されています。「初手は玉」や「初手は小駒ではない」よりもずっと洗練されている条件付けですね。
原岡望さん「美しい詰上がり」
■詰ます駒とそれを支える駒の2枚だけのシンブルさ。
諏訪冬葉さん「まさか1筋の手が無駄手とは」
■△19銀があるのでこれしか指せないという先手の無駄手!
神在月生さん「全体手順・限定・条件とからめて、遊び手をどう設定するかが作者の個性・創意。」
■何かの回数条件に紛れ込ませたり、手のタイミングを計るために一手控えた地点へ指させる無駄手や棋譜指定での直球条件等々。
正解:12名
ミニベロさん NAOさん はなさかしろうさん 渡辺さん
ほっとさん RINTAROさん リ-グ戦ファンさん 飯山修さん
山下誠さん 原岡望さん 諏訪冬葉さん 神在月生さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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