推理将棋第131回解答(2)
[2020年9月23日最終更新]
推理将棋第131回出題の131-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第131回出題 推理将棋第131回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
131-2 中級 けいたん 作 飛成があった 9手
「9手目の駒打ちで詰みか。これが初王手だったね」
「飛成があったな」(条件)
- 9手目の駒打ちの初王手で詰み
- 飛成があった
出題のことば(担当 Pontamon)
飛成はどちらが指した手でしょうか?
締め切り前ヒント
最終手は駒打ちなので9手目の先手飛成ではない。あの手筋だと6手目が最短だが…
推理将棋131-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△42飛、▲33角成、△32金、▲43馬、△41玉、 |
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飛車成があって、初王手で詰むとなると頭に浮かぶのは「はてるま手筋」の1間龍の合い効かずの形。参考1図は、初手▲26歩から7手目に▲22飛成してから9手目の▲31龍までの1間龍で詰めた図ですが、条件をよくよく見ると最終手は駒打ちとのことなので不正解でした。
参考1図:▲26歩、△24歩、▲25歩、△同歩、▲同飛、△52金左、▲22飛成、△62金上、▲31龍 まで9手
この参考1図の手順を少し変更して、▲26歩、△24歩、▲25歩、△同歩、▲同飛、△42玉、▲22飛成、△32銀、▲31角 と9手目に角を打っても詰んでいないので別の序を考えないといけません。
参考2図は先手の飛が6筋から7手目に後手陣へ成り込む手筋を使います。この後、▲61龍とすれば詰みなのですが手数オーバーで失敗です。
参考2図:▲66歩、△34歩、▲68飛、△66角、▲同飛、△44歩、▲63飛成、△42銀、▲43角 まで9手
先手の飛成では手数が足りないようです。実は、飛成の手は先手の最短が7手目であるのに対して後手は6手目で飛を成ることができます。後手勝ちの作品だと3筋か4筋から飛が出て行く手順(下記A、B)が知られています。
A:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲何か、△37飛成
B:▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲53角成など、△47飛成
Aの手順だと3手目が王手になるので、後手の飛が成る手順としてはBの手筋になるでしょう。ただし、Bの手順のままでは53に馬を作っただけですので、先手の残り2手で71か31の銀を取って、9手目にその銀を打つ形を考えてみても詰み形がありません。42に居る飛は△47飛成で2段目から居なくなるとして、先手は駒の補充や詰みに持っていけるのでしょうか?
5手目に▲53角成とはしないで、▲33角成としてると、王手放置の反則になるので後手は6手目に△47飛成とはできないので、△32金、▲同馬、△47飛成と進めてみても、金1枚と32の馬では詰み形にはなっていません。もちろん22の角を取っても詰み形はありません。
何処かに見落としがあったようです。41の金を32で取っても4筋に龍がいるので詰み形にはならなかったのですが、61の金を馬で取れば後手玉の右側からの攻めができそうです。馬で61の金を取るにはBの手順の後に▲43馬から▲61馬では金を取る手が9手目になってしまうで駄目です。そこで角は3手目に33で成って、5手目▲43馬、7手目▲61馬とすれば9手目に取った金を打っての詰みに期待が持てます。この手順では△47飛成は最短の6手目ではなく、7手目▲61馬で4筋が通った後の8手目に△47飛成とします。
また、3手目の▲33角成が王手にならないように2手目は△42飛です。初手から▲76歩、△42飛、▲33角成、△何か、▲43馬、△何か、▲61馬、△47飛成、▲〇〇金 で詰めることになりますが、7手目の▲61馬が王手になっていると△47飛成を実行することができないので、4手目と6手目の2手で先に玉を移動させておく必要があります。もちろん最終手の金打ちで詰む地点に玉が居ることになります。61の馬の支えで▲51金が最終手なら42地点が空くことになりそうなので、玉は41に居て、最終手は▲52金になります。△41玉とするためには4手目△32金で41地点を空けて6手目が△41玉です。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
けいたんさん(作者)「飛成が無駄手かどうか微妙」
■短評を拾ってみると、無駄手ではないけど成っている場合ではない自滅の一手とのことです。
はなさかしろうさん「条件がぴったりですね。馬で61の金を取る形は詰みやすい印象があったので、この簡素な条件で限定できることに驚きました。」
■作者の投稿時のコメントでは、41飛までの手順を研究していて見つけた手順とのことでした。
NAOさん「初手42で3手目王手を回避。結局飛成が自滅の一手。」
■王手回避のためには4筋から飛が出て行く必要がありますが、いつもの順ではないので悩まれる方が居たかも。
ミニベロさん「9手王手1回で飛車が成れるのはこの順しかないんですね。知っているはずなのに、苦戦しました。9手もまだまだ開拓できる。」
■はてるま手筋も飛が成れて王手1回ですが、本問は最終手が駒打ちでした。
渡辺さん「飛を成っている場合ではない。」
■飛は2段目から居なくなってくれたので▲52金で詰めることが出来ました。
小山邦明さん「最後の着手が駒打ちでなければ「26歩、24歩、25歩、同歩、同飛、52金左、22飛成、62金上、31龍まで」のような手順がありますね。飛成が後手の手と気付くのがポイントでした。」
■解説の参考1図の手順ですね。その他、飛成までの手順、▲76歩、△74歩、▲75歩、△同歩、▲78飛、△52金右、▲75飛、△42金上、▲71飛成 もあります。
RINTAROさん「4手目32金の発見で解決。」
■41玉のための場所を明けつつ、32の退路封鎖の一石二鳥の協力手。
ほっとさん「「9手目駒打ち」の条件がいろいろ余詰を消している。」
■手順内での手順前後や非限定のチェックの次に調べる「はてるま手筋」での余詰みがいつも付きまといます。
波多野賢太郎さん「飛成は後手の手としてまず考えたのは4四歩を角で取る手順でした。王手ができないので結構手は限られてきますね。」
■解説のBの手順で行けそうな感じがするのですが...。
飯山修さん「飛車成(縦移動)は無駄手ではないところがいいですね」
■2段目に居座っていられたら最終手を打ち込めません。
神在月生さん「飛成は、先手でないことはすぐわかったが、早く済ませたいという心理が働き、なかなか詰み直前まで待てなかった。」
■「じっと我慢の子であった」。ちょっと古いフレーズ。
諏訪冬葉さん「3手目▲33角成は2手目が△42飛しかなく飛車成りに手数がかかりそうだったので最後に考えました。」
■後手の飛成と予想しても、この罠があって手応えがあったことでしょう。
原岡望さん「玉頭の金打と思い込んで往生しました。」
■初期配置の金は角筋にないので22の角を取ってからの▲52角、▲61角不成、▲52金では4筋の歩が残り、△47飛成ができなくて苦労されたようですね。
正解:12名
はなさかしろうさん NAOさん ミニベロさん 渡辺さん
小山邦明さん RINTAROさん ほっとさん 波多野賢太郎さん
飯山修さん 神在月生さん 諏訪冬葉さん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
飛車が動かなければ51金で詰み。51飛までの作は採用になるかどうか。
投稿: けいたん | 2020.09.24 15:50