推理将棋第131回解答(1)
[2020年9月21日最終更新]
推理将棋第131回出題の131-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第131回解説 担当 Pontamon
担当になって2年目に入った第131回は15名の方から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
131-1 初級 Pontamon 作 98飛があった 8手
「たった8手で詰まされたよ」
「どんな将棋だった?」
「同種の大駒が同じ筋に居る局面があったし、98飛という手もあったよ」(条件)
- 8手で詰み
- 98飛の着手があった(5手目▲98飛)
- 同じ筋に同種の大駒が居た(4手目△66同角、6手目△68角)
出題のことば(担当 Pontamon)
98飛はどちらが指した手でしょうか?
締め切り前ヒント
同じ筋の同種の大駒は9筋の先後の飛ではありません。(9筋でも、先後でも、飛でも)
推理将棋131-1 解答 ▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲98飛、△68角、 |
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98飛を指したのは先手なのか後手なのかを考えてみます。8手詰なので先手も後手も4手ずつの着手になります。後手が自陣の飛を98地点へ移動するには手数が足りないので、98飛を後手が指すとすると、6手目に飛を取って、最終手の8手目に△98飛と指すことになります。
参考1図は、△88角成から△78馬で飛を取って、8手目に98飛と打った場面です。△69飛と打てば詰んでいたのですが、「98飛の着手があった」という条件があるため折角の詰みを逃してしまいました。
参考1図:▲76歩、△34歩、▲78飛、△88角成、▲58金左、△78馬、▲48金上、△98飛 まで8手
どうやら、98飛の着手は先手の着手のようです。
次にもう一つの条件の「同じ筋に同種の大駒が居た」を検討してみます。同じ筋に同種の大駒とのことなので、先手の▲98飛の着手があるのはほぼ確定したので同種の大駒は後手の飛で△92飛の着手をすれば同じ筋に同種の大駒の飛が居る状態にはなります。しかし、後手の着手4手のうちにこの余分な△92飛を指していると実質の着手は3手になり、最短の詰め手数の7手を下回る6手詰手順が存在することになってしまい矛盾が生じます。となると同種の大駒は飛ではなく角になりそうです。角2枚が同じ筋とか同じ段にいる詰み形と言えば、筋違いの角との2枚角の形でしょうか?
参考2図は2枚の馬で8手で詰んだ場面ですが、手順中に▲98飛を指す暇はありませんでした。4手目の△77同角成が王手になるので玉が上がると飛を98へ移動することができなくなったのが原因です。
また、6手目に△78角と打った時、77の大駒は角が成った馬になっています。一枚の駒の連続着手であれば駒の表裏は不問になりますが、77の馬と78の角は同種の駒ではあるものの2枚の大駒なので、馬と角が同種の大駒とは言えません。
参考2図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲58玉、△78角、▲48金、△67角成 まで8手
これらの失敗を踏まえて考えると、
- 先手は角を移動して、飛が8段目を9筋まで動けるようにすること。
- 先手が角を後手に渡す地点は77ではいけない。(△同角(成)が王手になるため)
- 馬と角の2枚の駒は同種の大駒とは言えないので、後手が先手角を取る時に、もし成れるとしても成ってはいけない。
以上の条件を念頭に入れると、初手から▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲98飛 の5手目までは必然となります。7手詰や8手詰で多いのは、銀を最終手で53や57へ打つ形です。銀の代わりに66に居る後手角が57で成れば銀の代わりになり、それを支えるのは48か68の角になります。同じ筋に同種の大駒の条件なので、角打ちは王手で△68角として先手は▲58玉と逃げてから最終手は66の角が57で成る手なので棋譜は△57角上成になります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
はなさかしろうさん「8手ならではの66での角交換。上級の伏線でもあるでしょうか。」
■たまたま同回での出題になっただけで、上級の77での角取りとは関係ありませんでした。
NAOさん「攻方4手+受方3手も7手詰にはない筋。遊び手の1手で98に飛を寄る。」
■角入手のタイミングが邪魔して攻方4手+受方3手なのに7手詰では存在しない形になってますね。
ミニベロさん「この条件で、いきなりその大駒を取らせる順は、心理的に読みにくい。8手もまだまだ開拓できる。」
■3手目に▲66角と角捨てに行く手は見えにくいですね。</ p>
渡辺さん「98飛を指すなら5手目まで必然ですね。」
■残り3手での光速の寄せ。
小山邦明さん「先手が98飛を実現するには88角の移動が必要と推理しました。」
■88の角の移動は必須になりますが、66が見えるかどうかが解図のカギ。
RINTAROさん「手数的に先手の98飛しかありえない。」
■後手が先手の飛を取れるのは6手目。8手詰なのに8手目に△98飛では詰みませんね。
ほっとさん「やはり98飛は先手の着手。」
■先手角がどいてからの▲98飛しかありませんね。
波多野賢太郎さん「9八飛は後手が指すのは無理だと気づいたら、6六角の筋がすぐ閃きました。」
■58の玉に対して△68角と△57銀での形は多いので、銀の代わりに成駒を57へ配置できれば詰みの形になるので△68角の筋が閃いたのだと思います。
飯山修さん「8手詰は3420通り全検されているけど2年位前に調べた時は遊び手のない未発表の詰上がりが結構ありました」
■是非、条件をつけての投稿をお願いします。
けいたんさん「98飛が大ヒント先手角が動くと言っているようなもの。」
■はい、先手角が動かないと▲98飛を指せません。
神在月生さん「担当者の気遣いで初級者用に纏められたと考えるが、98飛(遊び手)が他条件であったら中級以上になったかも?(具体的な条件を思い浮かべた訳ではありません)」
■「98飛の手があった」の代わりに「78飛の手があった」でも、初手や3手目▲78飛での余詰は無さそうで、5手目▲78飛で限定されるみたいです。
諏訪冬葉さん「ヒントを見て先に筋違い角による詰みを考えたのはさすがに筋悪だったと思います。」
■▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲58玉、△78角、▲48金、△67角成 でしょうか。△同角成が王手になるので▲98飛を指すチャンスがありませんね。それと、77の馬と△78角は同種の大駒とは言えないでしょう。
変寝夢さん「締め切り前ヒントの『先後でも』でピクッとなった。それまでは先後の駒が向かい合ってる図しか、浮かんでませんでした。」
■「98飛があった」の対として△92飛でしょうか?先後ともに無駄手があると6手詰が存在することになってしまいます。
原岡望さん「これは割に簡単。98飛のタイミングが問題。」
■▲58玉の前でないと▲98飛が指せません。
占魚亭さん「98飛は先手の着手と決め打ちして解図(笑)。」
■正しい決め打ちでした。
正解:15名
はなさかしろうさん NAOさん ミニベロさん 渡辺さん
小山邦明さん RINTAROさん ほっとさん 波多野賢太郎さん
飯山修さん けいたんさん 神在月生さん 諏訪冬葉さん
変寝夢さん 原岡望さん 占魚亭さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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