推理将棋第132回解答(4)
[2020年10月26日最終更新]
推理将棋第132回出題の132-4の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
132-4 中級 NAO 作 高飛車くん 9手
「見たかい。俺の5段飛車」
「得意の高飛車戦法だね。たったの9手で詰みか。5段目の飛車より後の4筋の角が勝負を分けたね」(条件)
- 9手で詰んだ
- 5段目の飛の手より後に4筋の角の手を指した
出題のことば(担当 Pontamon)
高飛車(5段目の飛着手)はどちらが指した手なのか推理しましょう。
締め切り前ヒント
7手目に飛を5段目へ打ちます。その後の角の手は8手目か最終手になります。
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推理将棋132-4 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△42飛、▲33角不成、△52金左、▲42角不成、△41玉、 |
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高飛車の手と言えば、飛先の歩を交換して5段目に▲25飛とするのが最速なので手を進めてみたのが参考1図。詰みなのですが11手掛かっています。8手目△62金上の後に▲31龍なら9手で詰みですが角を打つ暇が無くて失敗です。
参考1図:▲26歩、△24歩、▲25歩、△同歩、▲同飛、△52金左、▲22飛成、△32銀、▲42角、△41玉、▲31龍 まで11手
会話からすると高飛車の手は先手が指したように読めますが、得意の高飛車を指したけど負けた後手の会話の可能性がゼロではありません。(後手と観戦者の会話だとすれば)
2手目△32飛なら6手目に△35飛が可能ですが詰み形が見えないので4筋から飛が出て行く手順を考えてみたのが参考2図です。
参考2図:▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲33角不成、△52金左、▲22角成、△45飛、▲42角、△41玉、▲31馬 まで11手
詰んでいるのですが、こちらも11手掛かってしまいました。
先手も後手も自陣の飛を5段目へ移動させる手順では9手では詰みそうにありません。となると、最短の5手目に後手の飛を取って、7手目に5段目へ打ち、8手目が後手の角の手で9手目で詰ますか、7手目に5段目へ飛を打って、9手目に飛の利きへの角着手で詰ますことになりそうです。
△42飛を▲42角不成で取ると7手目の▲45飛と打ったあとの最終手で4筋の角着手はできません。3筋の△32飛を取るには▲33角成から▲32馬なので、最終手で角の着手は指せません。つまり、5段目の飛の後の4筋の角の手は後手の着手のはずです。
つまり8手目は△44角のはずなので序で先手は後手角を取ることはできませんし、後手の角道が開いている必要があります。初手から▲76歩、△42飛、▲33角不成、△何か、▲42角不成 で飛を取って7手目に5段目へ飛を打つことになりますが、▲42角が利いている筋の▲35飛になるでしょう。最終手は▲31角成か▲31飛成になるはずですが、参考1図の攻め方の駒配置が有望です。となると4手目は△52金左で6手目△41玉の後▲35飛、△44角、▲31飛成で詰みになります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「5段飛車1条件の感触はいかがだったでしょうか。高飛車くん続編をお楽しみに。」
■6題中の最難問だったようです。次回の「高飛車くん」は易しくなるのか?
飯山修さん「相当昔のパラの問題は6段目の手が3つという条件だった」
■須川卓二さん作の詰パラ17番ですね。9手詰め/最終手は1段目への飛成/6段目への着手が3回
RINTAROさん「最後に解けた問題。」
■皆さんの感想でも本問が一番の難問だったようです。
渡辺さん「飛と角のパターンを結構試しました。」
■5段目の飛着手があるのが分かっているので、詰めるなら角との連動になる予想は付くのですが、それからが大変。
ほっとさん「相手の飛を取って打ったのを高飛車戦法と呼べるのだろうか。」
■本作では5段目の飛の手なので解図には関係しない会話部分ですが、ネットで調べるといろんな説明がされていました。
ミニベロさん「なぜか見えないこの9手。知ってる順なのになぁ。4筋角がいい条件。」
■4筋角が先手の攻め手にも見えます。
ジェシーさん「今回一番の難問でした。打った飛車が一段目まで成り込むというのが盲点でした。
それにしても「4筋の角」は絶妙な条件ですね。」
■着手地点を限定する条件になりますが、先手の着手の可能性もあってうまい条件付けでした。
小山邦明さん「「5段目の飛の手より後に4筋の角の手を指した」の条件を「5段目の飛の手の前に4筋の角の手は指せない」と思い込んで、3手目を角成の手順で考えていたので解くのに大苦戦しました。」
■痛い勘違いでしたね。5手目の▲42角不成を指せないと解なしになりますが、5段目の飛の手より前の4筋の角の手については何も言及されていないので指すことができます。
はなさかしろうさん「手順は31角成までの7手に似ているけれど、条件から想像がなかなか働きませんでした。今回は同時に手を出したのですが、本問が解けるまで煮詰まっておりました。」
■今回一番の難問も、他作品と同時に解図していると、検討済みの序が参考になります。
諏訪冬葉さん「ヒントを見るまで飛車を打つ手は全く考えていませんでした」
■過去作では後手の飛が2段目の利きを外す目的で5段目へ浮く手筋があったので惑わされます。
原岡望さん「最後まで残りました。4手目から52玉 42角生 55角 55飛 46角 などと馬鹿ことを考えてしまいました。パソコンの盤駒をいじってようやく解決。暗算では無理。つい高飛車を取りに行ったのが敗因ですね。」
■なるほど、5段目の飛の手の後の4筋の角条件なので△46角ですか。△44角だと▲53飛成を同で取られてしまうし△48角だと王手になってしまう。△45角でも良さそうですが、角を持ち駒にしているのは先手ですね。
山下誠さん「5段目の飛車と4筋の角の組み合わせが全く思い浮かびませんでした。」
■攻め手の4筋角を予想してしまいます。後手の角を4筋へ移動させるのは31地点への利きを外すためでした。
神在月生さん「期待した 直前ヒント 役立たず」
■「角の手は8手目か最終手」では役立たずのヒント。「8手目に4筋の角着手」でしたか。
正解:12名
飯山修さん NAOさん RINTAROさん 渡辺さん
ほっとさん ミニベロさん ジェシーさん 小山邦明さん
はなさかしろうさん 諏訪冬葉さん テイエムガンバさん
原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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