« 詰将棋メモ(2020年12月29日) | トップページ | 詰将棋メモ(2020年12月30日) »

推理将棋第134回解答(3)

[2020年12月30日最終更新]
推理将棋第134回出題の134-3の解答、第134回出題の当選者(小山邦明さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第134回出題  推理将棋第134回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


134-3 上級  ミニベロ 作  金と金の間     12手

「この12手目で詰みだね」
「おお、金と金の間に着手とは、お見事でした」※
「珍しい終局図だね。成る手もなかったし」
「玉の隣に指した3手目がまずかったかな」

さて、どんな将棋だったのでしょうか。
景気のいい詰め上がりを見つけてくださいね!

※12手目の駒が 前後か左右に、金に挟まれている詰め上がり

(条件) 

  • 12手で詰み
  • 最終手は、金と金の間
  • 3手目は、玉の隣
  • 成る手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 3手目条件が可能なのは16通り。どの形が詰みへ至るのか推理してください。

締め切り前ヒント

 最終手は先手の初期配置の金2枚の間の59。最終手を同で取れないケースは2つ。


推理将棋134-3 解答 担当 Pontamon

▲68玉、△34歩、▲78銀、△55角、▲36歩、△28角不成、
▲56歩、△57飛、▲46歩、△同角不成、▲79玉、△59飛不成 まで12手


(条件)
・12手で詰み
・最終手は、金と金の間(12手目△59飛不成)
・3手目は、玉の隣(初手▲68玉、3手目▲78銀)
・成る手なし

Suiri1343

Suiri1343a前後か左右の金と金の間への最終手で詰みとのことですが、金配置が前後でも左右でも最終手の駒を取られないようにするには、金2枚は後手の金である必要がありそうです。後手が先手の金を2枚とも取って打つ手順は間に合うのでしょうか?

初手の▲58玉の腹へ3手目に▲68金とすれば、最短の6手目に後手は角で金を取ることができます。続けて8手目にもう1枚の金を取れるように7手目は▲59金。取った2枚の金を打つには10手目と12手目の2手が必要なので、最終手は12手をオーバーしてしまいます。一応、その方針で詰みまで進めてみたのが参考1図ですが、金2枚の他に最終手のための飛も取る必要があり、結局、16手が必要でした。

参考1図:▲58玉、△34歩、▲68金、△77角不成、▲59金、△68角不成、▲48飛、△59角不成、▲16歩、△48角不成、▲15歩、△69金、▲14歩、△49金、▲15香、△59飛 まで16手

Suiri1343b金を2枚とも後手の駒にすることができないことが証明されてしまいました。金2枚のうちの1枚が先手の金であるならば、金の配置が前後でも左右でも、金の間への最終手の駒を同金で取られてしまうはずですが、その先手の金をピンして動けなくすれば良いことに気付きます。後手は金を1枚だけ取って、最終手の支えに使えば、参考1図よりは金を取る手と打つ手の2手は縮まりそうです。もう1枚の先手の金は動けないようにピンする詰み上がりを考えたのが参考2図の手順です。57の先手の金は46の角でピンされているので、最終手の△58飛を▲同金で取ることができません。玉腹への△58飛の支えは△59金です。参考2図は確かに詰んでいますが、手数が14手なので2手オーバーしましたし、3手目は玉腹の条件も満たしていませんでした。

参考2図:▲36歩、△34歩、▲38金、△55角、▲37金、△同角不成、▲68玉、△28角不成、▲58金、△59金、▲56歩、△46角不成、▲57金、△58飛 まで14手

金2枚を取ると4手オーバー、金1枚を取ると2手オーバーでしたので、後手が金を取らなければ12手になるのでないかという、根拠の無い妄想をしてしまいます。最終手の駒を▲同金で取られてしまう心配は、参考1図や参考2図のように最終手の駒で王手を掛けているからです。最終手の駒が、空き王手にするために移動した駒であれば、先手は実際に王手を掛けている駒に対処しなければいけないので最終手の駒を▲同金で取ることはありせん。角筋にない金を後手に取らせるには先手の協力が必要ですが、今回は金を動かす必要はないので、最終手の金の間は59地点になるでしょう。(もちろん3手掛けて金を縦配置にした時の48や68地点も最終手の候補地点にはなります)左右に金がある59地点への着手の両王手は59の駒の支えが必要だったり、86の玉に26の角が59へ移動して16の飛とで両王手にするなど手数が掛かるものしか無さそうです。となると、単純な空き王手なので王手を掛けているのは1枚の駒だけで、玉の逃げ場として▲59同玉ができない合い効かずの形のはずです。

8段目の飛が王手を掛けても2枚の金での合い駒が可能なので、最終的に王手を掛けているのは角が有力。角での王手なら、角の利きを防いでいる地点から59へ移動できるのは香か飛ですが、どちらにしても後手はその駒を取る必要があります。手数が掛からない飛が濃厚。駒成なしなので最後に王手を掛けることになる角は元々の角筋に居ることになります。

諸々のことを考慮すると、後手角は55から飛を取って46へ戻る。取った飛は57へ打って角の利きを防いでおいてから最終手で△59飛不成の空き王手にします。その飛に▲同玉と取れる68地点に玉が居ては駄目なので玉は79地点のはず。王手している46の角を▲46歩で取られては詰まないので初期配置47の歩が居座っていては困る。46の角で79の玉に王手を掛けているのなら▲68金の合いが可能かと思ったら最終手の飛が59に居て69の金をピンしているので合い利かずになりす。

先後それぞれに必要な手を書き出してみると、後手は△34歩、△55角、△28角不成、△46角不成、△57飛、△59飛不成なら丁度6手になる。先手は、55の後手角が直接28の飛を取れるようにする協力手の▲36歩、47の歩を移動する▲46歩、飛の打ち場所を作る▲56歩、玉が79へ移動する▲68玉と▲79玉、79地点を空けるための▲78銀の計6手なので手数的には先後ともに良さそう。滞りなくこれらの12手をつなげることができるかどうか。

初手から、▲68玉、△34歩、▲78銀で「3手目は、玉の隣」をクリア。4手目から△55角、▲36歩、△28角不成で飛を取る。7手目からは▲46歩、△同角不成で最終手のあとに角を取られるのを防ぎたいところですがこれだと46の角が王手になってしまうので、先に▲56歩、△57飛としておいてから9手目の▲46歩、△同角不成として、▲79玉に△59飛不成で詰みになりまます。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「角を最終手にすれば11手で作れる順だが、最終手「金と金の間」のほうが面白いとあえて12手に。これしかない収束なので、134-2より簡単かもしれない。」

■短手数だけではなく条件の妙も推理将棋の醍醐味。仕掛けを紐解く楽しみがあります。

NAOさん「受駒の利きに最終手の不成を指す謎解き。手順前後を許さない36歩~46歩が巧い。」

■流れからは▲46歩、△同角不成として角位置を決めてしまいたいところ。36歩~46歩の歩の3連発が印象的

ほっとさん「詰みの形が見えずに苦労。2枚とも先手の金だったとは。」

■手数的には2枚とも後手駒は無理だとすぐにわかるので、先後1枚ずつの金の形をいろいろ考えてしまいます。

RINTAROさん「59銀不成の筋は物理的に14手かかる。そもそも3手目玉の隣条件がきつすぎるので、別の詰上図を考えることになる。中段玉の59角不成や飛不成を考えていた時に本詰上図に辿り着いた。できればノーヒントで考えてみたかったが、ヒント有でも十分に楽しめる作品でした。」

■△59銀不成までの手順は、先手に3手の余裕がある手順、たとえば、▲68玉、△34歩、▲36歩、△55角、▲48銀、△28角不成、▲37銀、△同角不成、▲16歩、△48銀、▲15歩、△28飛、▲14歩、△59銀不成 でしょうか。この形で3手目条件をクリアすると16手になりますね。

飯山修さん「わかりません。とりあえず2問出来たので送ります」

■解答ありがとうございます。

はなさかしろうさん「59に角は3手目条件と合わないので、仮に飛車だとして…と動かしてみたら、、詰んでいました。素晴らしい詰み形で、ヒントなしでは絶対に解けませんでした。」

■解答のあつまりが悪かったので、ヒントでは59地点を明かしました。

小山邦明さん「最終手での詰ませ方は、「両王手」か「合駒きかず」のどちらかだと考えて両王手の方は詰方の駒が多く必要そうなので、合駒きかずを考えたらすぐに解けました。」

■非常に効率の良い推理だったようです。

諏訪冬葉さん「上級は時間がなくて諦めました。」

■今回は2020年最後ということで少し難しくするつもりが難しくし過ぎました。


正解:6名

  ミニベロさん  NAOさん  ほっとさん  RINTAROさん
  はなさかしろうさん  小山邦明さん


総評

ミニベロさん「どうやら新年を迎えられそうな推理将棋。
でも、作者の数が少ないのが気がかり。
解答者の中に、作れる人が相当数いるとふんでいるのだが・・・。」

■他の作者さんの作品在庫が少しあります。16手以上特集なら出題できるのですが...。

NAOさん「解答順3番以内に入ればと毎回3日以内の解答を目指していますが、1週間でようやく解答します。
年末の力試し問題なのか上級問題を3問揃えた印象。狙い直球の上級3は解きやすかったが、初級1と中級2は裏手順を探るようで大苦戦でした。」

■少しだけ難しくするつもりが....。匙加減が難しいです。

RINTAROさん「3は閃けば簡単ですが、条件が上手すぎて、まず閃かないです。」

■金2枚とも先手の駒でしかも不動とは意外でした。

飯山修さん「今回は全く1番から解らなかったので早々とヒント待ちを決め込んだのですが正解でした。ヒントを見ても難しい。」

■解答のあつまりが悪かったのでヒントは甘めにしたつもりでしたがまだ辛くて解答者1桁でした。年賀推理では作者からの中間ヒントもあります。(作者からのヒントなので甘くはならないでしょう。逆に惑わすことになるかも)

小山邦明さん「今回の3作は、どれも簡単な条件で面白い手順になっていて大変良かったです。」

■楽しんでいただけたようで幸いです。

原岡望さん「詰パラに悪戦苦闘しているうちこちらを忘れてしました。今月は絶不調です」

■2020年のことは忘れて、年賀推理をお楽しみください。

担当から:

2020年の推理将棋はいかがでしたでしょうか?元日出題予定の年賀推理の解答を送られる際、2020年の記憶に残る作品とか私が選ぶベスト〇などを記載していただけると幸いです。
2020年を振り返ると、担当になって2年目に入る辺りからようやく余詰作を出題しないようになれたのを嬉しく思っています。解答者数は担当が代わってから減少傾向です。解説が長くて読む気がしなくて離れて行くのか、難度設定が悪いのか...。
年賀推理出題と同様に、通常出題でも出題後2週間での作者ヒント投入を定常化してみようかな。解図意欲が湧くことが期待できそう。
2020年に投稿や解答をいただいた皆さんに感謝いたします。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。


推理将棋第134回出題全解答者: 9名

  ミニベロさん  NAOさん  ほっとさん  RINTAROさん
  飯山修さん  はなさかしろうさん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん
  原岡望さん

当選: 小山邦明さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

|

« 詰将棋メモ(2020年12月29日) | トップページ | 詰将棋メモ(2020年12月30日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

本年もよろしくお願いします。
134-3のコンセプト、なるほど空き王手でなければ11手で実現できるんですね。
両王手タイプの「金の間」は▲7六歩△3四歩▲7七桂△同角生▲6八飛△同角生▲4八玉△7八飛▲6六歩△6七桂▲***△5九角生までで、攻方6手玉方5手なんですが11手にはできずに待ちが1手入ってしまうなーーと考えていました。11手12手あたりは相当いろいろありそうですが、本問は3手目条件が見た目以上に厳しかった。作者がミニベロさんで、「景気のいい詰め上がり」という出題コメントも大ヒントなのですが、思いつかなかったです。


投稿: はなさかしろう | 2021.01.01 00:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 詰将棋メモ(2020年12月29日) | トップページ | 詰将棋メモ(2020年12月30日) »