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推理将棋第134回解答(1)

[2020年12月20日最終更新]
推理将棋第134回出題の134-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第134回出題  推理将棋第134回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第134回解説  担当 Pontamon

前回の133回は易し過ぎとの短評があり、例年、年の終わりの出題は難しくする傾向なのですが、ちょっとやり過ぎてしまったようで、全解答者が1桁の9名まで落ち込んでしまいました。
中々、手加減が定まりません。


134-1 初級 Pontamon 作  角成では詰まない   9手

「あっちの対局で、先手は3種4枚の後手駒が利いている玉腹へ着手したってね」
「9手で詰んだけど、角成では詰まないから他の駒が成ったらしいよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件) 

  • 9手で詰み
  • 先手は3種4枚の後手駒が利いている玉腹へ着手した
  • 最終手は駒成だったが角成では詰まなかった

出題のことば(担当 Pontamon)

 駒が直接利く最多は10枚。過去作を研究していれば3回目のこの類作は楽勝?

締め切り前ヒント

 すみません、おもちゃ箱では132回に続いて今回が2回目の類作/変化手順でした。


推理将棋134-1 解答

▲46歩、△34歩、▲45歩、△44角、▲同歩、△42玉、
▲52角、△51金左、▲43歩成 まで9手


(条件)
・9手で詰み
・先手は3種4枚の後手駒が利いている玉腹へ着手した(7手目▲52角)
・最終手は駒成だったが角成では詰まなかった(9手目▲43歩成)

Suiri1341

Suiri1341a角成では詰まないので他の駒が成って詰んだとのことですが、これは余詰みがありそうな怪しい条件になっています。「同じ地点への角成では詰まずに他の駒が成って詰んだ」とは言っていないので、条件をクリアできる手順が沢山ありそうな気がします。

参考1図では、余詰みチェックの際には欠かせない「はてるま手筋」で詰めてみたものです。図を見ると最終手の▲61飛成で詰んでいて、この▲61飛成の代わりに82の角が▲71角成とか▲91角成としてもそもそも王手になっていないので「角成では詰まないので他の駒が成って詰んだ」の条件をクリアしています。7手目の▲62飛は、後手の玉と銀と2枚の金の3種4枚の駒が利いている地点への着手ですが、玉の腹への着手ではないし、手数オーバーの11手でした。

参考1図:▲76歩、△74歩、▲55角、△52金左、▲82角不成、△32銀、▲62飛、△41玉、▲96歩、△42金、▲61飛成 まで11手

「3種4枚の後手駒が利いている玉腹への着手」の条件がかなりキツイようで、沢山ありそうな余詰みを消しているようです。そこで、後手の駒で3種4枚が利いている地点を作る駒配置を考えてみます。

Suiri1341b玉腹にならないいけないので、居玉の場合は横の金を動かして先手の着手場所を作る必要があります。配置としては、32銀、31金、42金、51玉の居玉の時の41地点ですが、この駒配置には4手が必要です。次に居玉の反対側だと、62飛、72銀、71金、51玉での61は3手で配置可能ですが4種4枚。

玉が2段目に上がれば玉腹を作り易そうです。51金、61金、82飛、52玉の配置では、2手だけで条件をリアする62地点を作り出せます。参考2図では△52玉と△51金左の2手で作った後手駒3種4枚が利いている62地点へ▲62角不成とした手順で、最終手▲53角成では詰まず▲53桂成なら詰む手順になっていますが手数オーバーの11手でした。

参考2図:▲76歩、△62飛、▲44角、△52玉、▲77桂、△51金左、▲65桂、△54歩、▲62角不成、△41金、▲53桂成 まで11手

しかし、この失敗手順には解図のヒントがありました。玉の退路の51地点を抑えていた角を▲53角成としてしまうと玉の退路ができてしまうので角成は出来ず、桂成が必須になっています。手数が長ければ、自分の角が動くと自玉への王手放置の反則になる場合もありますが、9手では角が動くことによって玉の退路が出来てしまうというこの仕掛けが濃厚です。

あとは参考1図や参考2図だと手数オーバーしているので手数を切り詰める工夫が必要です。後手駒の3種4枚が利いている地点を作り出すのに、参考1図のように1手で出来る配置はないものでしょうか?

△42玉とした時の玉腹の52地点は、玉、飛、2枚の金が利いている地点になります。角成では詰まないという条件があるので、この3種4枚の駒が利いている焦点には先手の角の着手をするということで詰み形を考えてみます。

角で玉の退路を抑えている配置にするには、▲52角の後で△51金左とすれば、玉尻の41地点が空き、そこを52の角が抑えている形になります。ということは、玉頭の43地点で52の角を支えにして角以外の駒を成る必要があります。また、52地点は角筋ではないので、先手は角を取ってから▲52角と打つことになります。43地点で成れる駒は何でしょう?通常なら、9手では5手目に角以外の駒を取って、7手目に43で成れるような地点へその駒を打って、最終手で成るという手順ですが、先手は角を取ってから打つ手も必要なので手数的に無理です。そうなると盤上の駒の利用が必要になりますが、飛車が出て行くのも手数が掛かりますし、桂の3段跳ねでは43ではなく53地点なので駄目です。となると歩の遅早でお馴染みの歩しかありません。

先手は4筋の歩を突き進めて行く途中で後手の角を取って、▲52角と打ちます。初手から、▲46歩、△34歩、▲45歩、△44角、▲同歩、△42玉、▲52角となり、前述のように玉の退路を作る△51金左が8手目になり▲43角成での詰みを外します。最終手は▲43歩成での詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん「自分でも出題しているはずなのに、またしてもこの順に気がつかない。76歩からでは際どく詰まないとは、うまくできてる。」

■「玉腹」が無い、後手の3種4枚の条件だけでは別手順がいくつかありました。

NAOさん「「角成では詰まないから他の駒が成った」が絶妙。"角成"で詰む紛れが多く難しかった。初手76歩と突くとドボン。」

■角と他の駒との連携で詰む形をあれこれ考えて行くと解くのが難しくなったでしょう。

ほっとさん「歩を突いていって角を取るのは前例がいくつかあるが、それらと比較すると条件が多くてシンプルさに欠けるか。」
https://open.mixi.jp/user/10857363/diary/1965803664
http://toybox.tea-nifty.com/memo/2016/06/post-722d.html

■最初のURLで紹介されているページに記載がある川上和秀さんの詰パラ作品が原型で、角位置違いがおもゃ箱の132-5。本作は角成では詰まない別の詰み上がりになっています。

RINTAROさん「忘れた頃に出題されたら、悩んだでしょう。」

■2ヶ月前出題の132-5ですが、それに繋げることができた勘の良さ。

飯山修さん「銀や飛車を取る順が全てダメなところが凄い。52角発見の喜びに気をとられウッカリ51金右としそう」

■132-5と後手配置が同じだと角成でも詰んでしまいます。最後の罠がありました。

はなさかしろうさん「今回の最難関。9手の攻め方のバリエーションを一通り思い出せるかですし、4筋歩突きは確かに初見ではないのですが…132回を浚うまで、この条件とは繋がりませんでした。参りました。」

■出題のことばではヒントにもならないことが書かれていることが多々あります。3回目(実は132-5に続いて2回目だった)の形と言われても132-5には繋がらなかったでしょう。

小山邦明さん「今回の3問の中で一番苦戦しました。76歩からスタートしたため、どうどう巡りをして締め切り直前の解答になりました。」

■締め切り前ヒントは132回の6題の見直し。132-5は角成でも詰む形なので直球ヒントにはならなかったでしょう。

諏訪冬葉さん「△42玉に▲52角と打つ手はすぐ浮かんだのですが最後に成る駒が見つかりませんでした。」

■△42玉に▲52角の形ができていても、歩突きが中々見えなかったようですね。


正解:8名

  ミニベロさん  NAOさん  ほっとさん  RINTAROさん
  飯山修さん  はなさかしろうさん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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