推理将棋第135回解答(2)
[2021年2月20日最終更新]
推理将棋第135回出題の135-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
135-2 初級 Pontamon 作 十ノ一 10手
「指し初めの「くノ一」対決は、棋譜に同角成2回と馬寄1回がある10手で詰めました」
「2021年に相応しく、2と1か」
「推理将棋風に言えば、10手詰1条件ですし、今年の十二支にもなる「十ノ一」です」
「馬の条件があるし「十ノ一」は午のことだね。でもそれだと5年早いよ」
「えぇ~「十ノ一」と言えば牛でしょ」さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰み
- 棋譜に同角成2回と馬寄1回
出題のことば(担当 Pontamon)
馬寄の棋譜を実現できるように馬2枚を配置する必要があります。
作者ヒント
馬2枚を作ったら最終手(Pontamon)
締め切り前ヒント
寄が付く手を指せる馬2枚の配置はいくつかあるが、今回は77と78の馬。
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推理将棋135-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲68金、△69角、 |
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馬寄の手を指すためには馬を2枚作る必要があり、後手は△34歩で角道を開けたら、4手目の角成で先手角を取って1枚目の馬を作り、6手目に取った角を打って、8手目に成って2枚目の馬作成。最終手は"馬寄"の手を指すことになるので、解図は簡単そうです。
参考1図はこの方針で指し進めて10手で詰ました図になります。最終手が△78同馬上では詰みにならず、馬寄が必須の手順になっているので「なるほど」と納得してしまうと誤答になります。同の手は2回なので合っていそうですが、同は2回とも角成の時というのが条件でした。
参考1図:▲76歩、△34歩、▲58金左、△88角成、▲69玉、△68角、▲77桂、△同角成、▲78銀、△同馬寄 まで10手
4手目の1回目の角成の時に"同"が付く手は、▲77角、△同角成しかないので、あとは6手目に角を打って、7手目の先手着手で動いた駒を同角成で取ればいいだけです。そこで、▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成で進めてみると、4手目の△77同角成が王手になっているため、玉が逃げるか68地点で合い駒することになります。(▲同桂で馬を取ってしまうと馬寄の手が指せなくなります)どれにしようかと考えてみると、8手目に同角成の手を指す手順が中々見つからないことに気付きます。5手目から▲56玉、△59角、▲68銀、△同角成では王手になるので▲48玉で逃げれると詰みがありません。5手目が▲68飛だと角を何処へ打っても8手目に同角成ができません。参考2図では5手目を▲68銀として7手目に金移動ができるスペースを作り、6手目から△88角、▲79金、△同角成、▲48銀、△68馬引で詰ますことはできましたが最終手は△68馬引か△68馬上のどちらかになり、馬寄を実現できませんでした。
参考2図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲68銀、△88角、▲79金、△同角成、▲48銀、△68馬引 まで10手
4手目の王手の応手として玉移動、▲68飛、▲68銀はどれもうまく行かないようです。残る手は▲68金での合いです。金移動で空いた69地点へ7手目に移動できる駒は玉しかないので、6手目の角打ちはこの空いた69地点になります。そうすれば8手目の同角成を念頭に入れると7手目に可能なのは▲58金上、▲58飛、▲78銀の3手があります。しかし、△58同角成が8手目だと、その馬を取るしかないので、7手目の正解手は▲78銀で8手目に△78同角成で2枚目の馬を作ると馬は78と77の縦並びになります。先手玉は居玉のままですので、最終手▲68馬寄で詰むための9手目の協力手▲48銀を指して玉の逃げ場を塞ぎ、▲68馬寄での詰みになります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
Pontamon(作者)「「くノ一」は書き順通りで「女」、書き順なら「十ノ一」ではなく「ノ一十」で牛か午になるので、馬だらけの会話ですが無理矢理の牛の年賀条件」
NAOさん「馬寄って意外と難しい。」
■馬寄は5手でできるので9手詰でも馬寄の手はありますが、2つの馬を作る手をどちらも同が付く手にするのが少しやっかい。
ミニペロさん「十ノ一が牛とは旨い!」
■無理矢理の牛。
諏訪冬葉さん「中間ヒントどおりでした。」
■はい、馬を2つ作った次の手は最終手しか残ってません。なので最終手が馬寄の手。
飯山修さん「1回目の同角成は4手目でないと間に合わないので必然手順の連続。初級に相応しい問題」
■4手目、しかも77でしかできない1回目の同角成。
小山邦明さん「棋譜の表記だけで限定できている点がすばらしい。」
■実現し難い棋譜を複合させると限定し易くなります。
べべ&ぺぺさん「4手目までは必然。問題は2枚目の馬の作り方でした。」
■最終手の馬寄を見越して、何処に2つ目の馬を作る/作れるのかという問題でした
ほっとさん「これが1条件というのは無理がある気がするが。」
■2条件を並列記載して1文にする裏技?私はリンゴを買った。私はイチゴを買った。⇒私はリンゴとイチゴを買った。
ジェシーさん「「馬寄」という手を作るだけでも、結構大変ですね。」
■作り難い局面だからこそ条件を少なくできます。出題中の136-3が良い例。
原岡望さん「こじ開ける攻め」
■角の打ち場をこじ開けて、その駒を馬寄で取って詰みにする。
RINTAROさん「同角成は4手目8手目なので、ほぼ手が限定されている。」
■▲78銀、△79角、▲68金、△同角成では王手になってしまい、▲48玉を△78馬寄や△67馬寄では詰められない。そもそも4手目の△77同角成が王手なので5手目▲78銀はできない。
山下誠さん「2度目の角の打場所を考える問題でした。」
■6段目で同角成はできないので、8段目で2枚目の馬を作るが角の打ち場所が無い。先手の協力が必須。
はなさかしろうさん「▲6八金に△6九角がぴったりでいい感じ。」
■5手目は王手の応手なので、必然の流れの▲68金に△69角からの▲78銀、△同角成。
正解:13名
NAOさん ミニベロさん 諏訪冬葉さん 飯山修さん
小山邦明さん べべ&ぺぺさん ほっとさん ジェシーさん
神在月生さん 原岡望さん RINTAROさん 山下誠さん
はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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