推理将棋第138回解答(2)
[2021年5月24日最終更新]
推理将棋第138回出題の138-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第138回出題 推理将棋第138回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
138-2 中級 NAO 作 高飛車くん(その3) 10手
「7段目への金の手より後に5段目への飛車の手を指してやったぜ」
「お得意の高飛車戦法かい。同の付く手があって10手で詰んだね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰んだ
- 7段目への金の手より後に5段目への飛の手を指した
- 同の付く手を指した
出題のことば(担当 Pontamon)
2回連続で高飛車くんは先手でした。今回はどちらでしょうか?
作者ヒント
高飛車くんの負け(NAO)
締め切り前ヒント
67の金を取って9段目への金打ちで詰み。端角では同が出来ません。
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推理将棋138-2 解答 担当 Pontamon ▲58金右、△34歩、▲66歩、△同角 、▲67金 、△57角成、 (条件) |
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7段目の金の手があるのなら、それは先手の金の手で、後手はその金を取ってからの頭金での詰み形が思い浮かびます。
▲57金を△同角成で取ってからの△58金の手順が参考1図ですが、8手で詰んでいるものの、この手順では5段目の飛の手を追加する余地がなくて失敗です。
参考1図:▲58金左、△34歩、▲56歩、△66角、▲57金、△同角成、▲38金、△58金 まで8手
5段目の飛の着手を実現するために、今度は後手飛を世に出す例の手筋を使ってみたのが参考2図の手順です。▲33角不成で3筋の歩が切れたので飛を5段目へ進出させることも出来、取った角を打って7段目の金を取ってからの玉腹の金打ちで詰んでいますが、手数オーバーの12手でした。
参考2図:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲68金、△66角、▲77金、△同角成、▲69玉、△35飛、▲38金、△59金 まで12手
57の金を取る手順と77の金を取る手順では失敗しましたが、他の筋の7段目の金を取る手順はどうでしょう?参考1図の手順では57の金を角成で取りましたが47の金を57で成った馬で取るとどうでしょうか?8手だった手順ですが、57の馬が△47馬と動いて金を取って10手詰のペースにして、参考2図のように7段目の馬を支えにして△69金で詰ます形がありそうです。この場合、先手は歩が切れる5筋から▲55飛を指せます。手順は。▲58金左、△34歩、▲46歩、△66角、▲47金、△57角成、▲58飛、△47馬、▲55飛、△69金 になりますが、同の手がありません。▲47金を△同馬で取れるようにタイミングを合わせるため、先に▲58飛を指せればいいのですが58には金が居るので▲58飛はできません。かと言って、先に▲58飛を指してから右金を▲48金、▲47金の手順にすると、▲58飛、△34歩、▲46歩、△66角、▲48金、△57角成、▲47金、△同馬、▲55飛になり腹金を打てません。
となると、腹金は逆位置で右金を▲67金へ上がって△同馬と取れるのか?
▲58金右、△14歩、▲66歩、△13角、▲67金、△57角成 では▲67金を△同馬で取るのが間に合いません。同で取る駒のターゲットを金にしていたのが間違いで、▲58金右、△34歩、▲66歩だと△同角が可能になります。以後、▲67金、△57角成、▲58飛、△67馬、▲55飛に△49金で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「同の手を発見できるかかが鍵。高飛車くんの続編をお楽しみに。」
■今回は高飛車くんの負けでしたが10手だったので、また先手着手でした。
小山邦明さん「高飛車くんは今回も先手側でした。「同の付く手を指した」という条件で、1手目と3手目の手順がうまく限定できていると思いました。」
■4手目の同でなくてもできそうな気がする⇒左右型での余詰になるのですが限定されてました。
RINTAROさん「初手78飛が一目なあたり、未熟ですね。」
■飛が5段目へ出て行く最速経路は後手の3筋か4筋なので、先後を変えると▲78飛が浮かんでしまいます。
はなさかしろうさん「悩みました。主条件が厳しいので手段は限られていたのですが、7段目の2ヶ所に穴をあけ、条件の金と飛の手を両方とも先手が指す、というところまで思い切るまでが大変。
解けて爽快、プルーフゲーム的で面白かったです。」
■2箇所の穴開けは余分な手数を掛けるようで指し難い。
飯山修さん「左右どちらでも成立するから余詰かなと思ったら同が入るのはこちらだけ。」
■左右型での余詰が解消される重要な同の条件でした。
ミニベロさん「早く77を捨てないから、難問になってしまった。結局二つのミッションはすべて先手側。
特筆すべきは「同の手」の条件。これ一発で、手順前後・左右逆形、さらに13からの攻撃も完封する魔法の条件。
要するに、中飛車は高美濃には組みにくい、ということ?」
■4手目の△77角を▲同金で取ってしまう訳にはいかないので、先手が自分だけで7段目の金着手をするには3手係り、残りの2手で飛を振って5段目へ出るミッションも先手がするとは考え難い。
べべ&ぺぺさん「飛車は7筋だと思い込んで苦労しました。」
■▲78飛から▲75飛を考えられた方が多かったようです。
けいたんさん「6筋に飛を振るものだと思ったので、難儀しました。これもヒントが絶妙です。」
■▲78飛が多かったようですが、▲68飛、△34歩、▲66歩、△同角の序ですね。
諏訪冬葉さん「金は後手が打つとばかり思ってました。」
■7段目金と5段目飛の両ミッションを担当分けする際の推定ですね。▲68金を角や馬で取る手順では玉の退路が残ってしまいます。
ほっとさん「9手目を指したせいで詰まされてるし。」
■推理将棋らしいお手伝いの9手目。
山下誠さん「6七金のヒントがなければ永久に解けませんでした。」
■「67の金を取る」と分かっても67の金は69に居た金ではないので大甘ヒントではなかったと思います。
ジェシーさん「金を奪いながら飛車の外出しに協力する後手馬の活躍ぶりが楽しい。」
■この馬の手が見え難い。
原岡望さん「トレードマークの高飛車が敗因とは」
■△49金が打てるようになってしまいました。
占魚亭さん「条件から後手の高飛車は無理と決め打ちして解図。」
■後手なら6手目の△35飛か△45飛が最速。残り2手しかないので、飛移動と角打ちでは詰ませられません。
緑衾さん「ヒントを見るまで金の手と飛の手を同じ指し手が指すとは思いませんでした。
ありそうな筋がいっぱいあっていい問題でした。」
■心理的ミスディレクションとでも言うのでしょうか、思考を操られてしまうと解けなくなります。
正解:16名
小山邦明さん NAOさん RINTAROさん はなさかしろうさん
飯山修さん ミニベロさん べべ&ぺぺさん けいたんさん
諏訪冬葉さん ほっとさん 山下誠さん ジェシーさん
原岡望さん 占魚亭さん テイエムガンバさん 緑衾さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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