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推理将棋第139回解答(1)

[2021年6月21日最終更新]
推理将棋第139回出題の139-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第139回出題  推理将棋第139回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第139回解説  担当 Pontamon

第139回の推理将棋出題に対して、19名から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。


139-1 初級 ミニベロ 作   桂頭に成る手が2回     9手

「2度までも 桂馬の頭に 駒が成る」
「何それ?」
「今9手で詰んだ将棋の話」
「余裕で勝った感じだけど」
「6手目の 歩の手が今は 悔やまれる」
「どうやら負けたみたいだな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 9手詰
  • 桂頭に成る手が2回あった
  • 6手目は歩

出題のことば(担当 Pontamon)

 どちらの駒が何処の桂頭で成るのかを推理しましょう。

作者ヒント

 玉頭にも着手します(ミニベロ)

締め切り前ヒント

 2回の桂頭の駒成はどちらも先手の角が同じ桂の頭で成る。


推理将棋139-1 解答

▲76歩、△34歩、▲22角成、△33桂、▲52角、△44歩
34角成、△42玉、▲33馬引 まで9手

(条件)
・9手詰
・桂頭に成る手が2回あった(3手目▲22角成、△33桂に7手目▲34角成)
・6手目は歩(6手目△44歩)

Suiri1391

Suiri1391a桂頭での駒成が2回となれば、先手と後手が相手の桂の頭で角成する手がまず思い浮かぶ。参考1図はこの方針で、先手の▲82角成と後手の△88角成で先手と後手が1回ずつ桂頭での角成をする手順になります。▲82角成した馬で桂を取れば、飛車の横利きと43での吊るし桂で後手玉を詰ますことができますが、手数オーバーの11手でした。

参考1図:▲76歩、△34歩、▲55角、△74歩、▲82角成、△64歩、▲92飛、△88角成、▲81馬、△22馬、▲63桂 まで11手

角の方向転換のための▲55角の1手が無駄な気がします。▲22角成なら3手目に桂頭の駒成を実現できるので、その取った角を使って2回目の桂頭の角成をする手順がありそうです。22の馬をよけてから、角打ちからの▲22角成では手数がかかりますが、桂頭の駒成は相手の桂の頭である必要はないので▲33角と打ってから▲88角成の自陣の桂頭で角成することができます。

しかし、▲76歩、△34歩、▲22角成、△52金左、▲33角、△41玉、▲88角成、△32銀、▲33馬上、△14歩、▲32馬寄 ならこちらも11手掛かってしまいます。角を打って、成って、戻ってくると3手掛かってしまいますが、角を打って、桂頭で成るだけなら2手で済みます。

Suiri1391bそこで考えた手順が参考2図の手順です。3手目の▲22角成で取った角を12地点へ打ち、後手の桂は33へ跳ねて、▲34角成が2回目の桂頭の駒成にする方針です。先後の桂頭ではなく、ひとつの桂頭で2回の駒成をする構想です。

参考2図の手順で後手玉を詰めたかと思いましたが52地点が空いていました。△52飛などの協力手が間に合えば詰むのですが、この手順では失敗でした。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△33桂、▲12角、△24歩、▲34角成、△42玉、▲33馬引 まで9手

参考2図を眺めてみると、▲12角の角が34地点へ行けるようにするための後手の協力手△24歩がありました。この△24歩の代わりに後手は△44歩と突けば、▲34角成ができる角打ち地点として52が見えます。つまり、34角成した馬は52地点へ利いているので、参考2図では間に合わなかった△52飛などの協力手が不要になり、9手で詰めることができるはずです。

初手から、▲76歩、△34歩、▲22角成で1回目の桂頭での駒成。その21の桂が4手目に△33桂と跳ね、▲52角と打って6手目の歩の手は△44歩の協力手で▲34角成が2回目の桂頭での角成。続いて、8手目の△42玉に▲33馬引で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「相当古い作品で、当時としては、「肝心の桂馬が移動している」という小ネタでも通用したが、現在では5分持たない。その桂馬が最後消えているのが救い。」

■5分持たないということは無かったと思います。少なくとも上級の11手よりも持ったと思います。

RINTAROさん「初級にしては骨のある問題でした。33桂に気付くかどうか。」

■級分けの基本が手数なもんで....。

のくせにさん「無駄のない駆け引きで好手連発。」

■▲52角に金を逃げずに歩を逃がしたのが敗因。

飯山修さん「最初に誰でもが思いつく成場所で推理したらあっさり。82や88を考えなくてよかった」

■▲76歩、△34歩、▲55角、△74歩、▲82角成、△88角成の後、困って欲しかった。(笑)

NAOさん「馬2枚を縦に並べる詰み形。"6手目歩"が角打場所を限定するだけでなく紛れ筋も解消。」

■歩突きの手なのに6手目で限定された条件として存在していると何かありそうだと疑います。

小山邦明さん「「6手目が歩の手」という事でうまく手順前後が避けられていると思いました。」

■2手目と4手目の手順前後(たとえば玉移動と歩突き)の場合はよく「2手目は歩」の条件を見掛けますが今回は6手目。後手の最初の歩の手が6手目だと勘違いすると大変なことになります。

諏訪冬葉さん「最初3手はノータイム。22の馬をどかすのが面倒だったので桂馬に動いてもらいました。」

■どかさずに▲33角から▲88角成してから馬を戻す手順がありそうですが▲33角を王手しないで打つ難題が...。

ジェシーさん「駒成が2回とも先手だったら9手で間に合うわけがない、と思い込んでしまっていました。」

■先手と後手で駒成が1回ずつと推理されましたか。成る場所の指定がなければ先手の2回駒成は簡単なのですが...。

ほっとさん「2回目の桂頭が33とは。」

■△33桂は意外な手でした。

DJカートンさん「桂馬を跳ねて「桂頭」の位置を変えてしまう、というからくりに気づくかが鍵。」

■解説もそのストーリーでした。

けいたんさん「はじめ角を1筋に打つのかと思いました。 なかなか味わい深い詰上がり。」

■▲11角や▲13角からの2度目の▲22角成のことでしょうか?

べべ&ぺぺさん「12角かと思ったら、52角でした。この桂に狙いを定めると、意外と楽に解けました。」

■解説の参考2図の手順ですね。

占魚亭さん「6手目は歩」が大ヒントでした。」

■何か怪しい条件なのですが...。大ヒントだったと言っても解図の糸口では無いですよね。

原岡望さん「桂を跳ねるのがミソ。これだけは自力。」

■僕の頭で成って貰うという桂の思いがあると△33桂は自力の手ですね

中村丈志さん「2二へ角成2回という先入観の呪縛から、なかなか逃れることができませんでした。」

■他の呪縛は▲88角成して▲33馬上で戻ってくる手順でしょうか。

神在月生さん「角成に 追われて桂馬 捕獲され」

■桂頭条件2回と最終手で取られる3つのミッションが課せられた桂の大活躍。

はなさかしろうさん「詰み形が良いですね。条件もコンパクトで楽しかったです。」

■角(馬)2枚を横並びや縦並びにする詰み形は綺麗ですね。

緑衾さん「シンプルな条件で限定されている問題でした」

■1条件、2条件の作品は貴重な存在です。


正解:19名

  RINTAROさん  ミニベロさん  のくせにさん  飯山修さん
  NAOさん  小山邦明さん  諏訪冬葉さん  ジェシーさん
  ほっとさん  DJカートンさん  けいたんさん  べべ&ぺぺさん
  占魚亭さん  原岡望さん  中村丈志さん  神在月生さん
  はなさかしろうさん  テイエムガンバさん  緑衾さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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