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推理将棋第140回解答(3)

[2021年7月26日最終更新]
推理将棋第140回出題の140-3の解答、第140回出題の当選者(飯山修さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


140-3 上級  渡辺秀行 作   ちょこまか        12手

「昨日の12手で詰んだ将棋見た?」
「うん、4筋の角が5筋に、9筋の角が8筋に移動していたね」
「それって成ったんだっけ?どっちが先だっけ?」
「覚えてないなぁ。後手の小駒が成ったけど、その駒は打った駒ではなかったね」
「そう言えば68へ指す着手はなかったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 12手で詰み
  • 4筋の角が5筋に、9筋の角が8筋に移動した
  • 打った駒でない後手の小駒が成った
  • 68への着手はなかった

出題のことば(担当 Pontamon)

 後手勝ち手順で一番多い68地点の手が無い。あなたにはヒントか苦痛か?

作者ヒント

 あ、思い出した。9筋の角を8筋に移動した方が先だったよ(渡辺秀行)

締め切り前ヒント

 4回の角の手は物理的に同じ駒。玉は78で詰みます。


推理将棋140-3 解答 担当 Pontamon

▲96歩、△84歩、▲97角、△85歩、▲86角、△同歩、
▲58金左、△48角、▲69玉、△59角成、▲78玉、△87歩成 まで12手

(条件)
・12手で詰み
・4筋の角が5筋に、9筋の角が8筋に移動した(3手目97角-5手目▲86角、8手目△48角-10手目△59角成)
・打った駒でない後手の小駒が成った(12手目△87歩成)
・68への着手はなかった

Suiri1403

Suiri1403a打った駒でない後手の小駒が成るとのことなので、それを糸口にして手順を考えてみます。
参考1図は香が走って▲19香成で先手の香を入手し、その香を▲56香と打って詰ます形ですが手数が全く足りませんでした。先手は▲96歩、▲97角、▲86角の3手を使って条件をクリアしつつ後手の攻めを待っているのが手数がかかった理由のひとつです。

後手角が△13角、△68角不成、△59角不成で移動すれば16手に縮まりますが、68地点の着手をしてしまいますし、角移動の条件もクリアできなくなります。どうやら香成は無理なようです。となると、桂がピョンピョン跳んで行っての桂成でしょうか?

参考1図:▲16歩、△14歩、▲96歩、△15歩、▲同歩、△34歩、▲97角、△66角、▲56歩、△48角不成、▲58玉、△15香、▲86角、△19香成、▲55歩、△59角不成、▲98香、△56香 まで18手

Suiri1403b参考2図は桂が跳んで行って、12手目の△57桂成で先手玉を詰めた手順になります。端の筋と真ん中の筋での角のひと筋移動もできているので正解手順のように思えますが、条件をよく見ると、真ん中の筋での角のひと筋移動は4筋から5筋への移動でした。参考2図の手順では5筋の角が4筋へ移動する△55角⇒△46角でした。

参考2図:▲96歩、△34歩、▲97角、△55角、▲86角、△46角、▲76歩、△33桂、▲58玉、△45桂、▲59角、△57桂成 まで12手

初期配置の後手の銀が先手陣まで行って成るには段移動だけで6手かかるので手数的に無理。となると残る小駒は歩しかありません。参考2図の詰み上がりの形で△57桂成の代わりに△57歩成にする手順はどうでしょう?銀とは違い、スタートが3段目なので△57歩成までの歩の着手回数は4回に減ります。指してみると
▲96歩、△54歩、▲97角、△55歩、▲86角、△34歩、▲58玉、△44角、▲76歩、△56歩、▲59角、△55角、▲95歩、△46角、▲94歩、△57歩成 まで16手
の16手必要でした。これは後手角で4筋から5筋への角移動を指したのが原因です。詰めるだけなら歩を進める4手と△34歩、△66角の2手でよいので、4筋から5筋への角移動も先手にやって貰おうとしても、
▲96歩、△54歩、▲97角、△55歩、▲86角、△56歩、▲53角不成、△34歩、▲58玉、△66角、▲44角不成、△57歩成 まで12手
では、▲55角が間に合いませんし59地点の玉退路の封鎖もできていません。

歩成で詰める最短手順の7手詰の手筋で後手が詰めるなら△87歩成までの手順になりますが、▲78玉の形にするための通過点の68地点の着手が禁じられているのでここを玉が通ることはできません。不可能な手順を消去すれば、残ったものが奇妙であってもそれが真実なはずです。要は▲68玉を指さずに▲78玉を実現すれば良いのです。

78地点への玉移動経路は、▲58玉、▲67玉、▲78玉の経路か▲69玉、▲78玉の経路の可能性があります。どちらの経路でも初期配置の駒がある地点を通過することになるので、その駒を移動する手も必要になります。となると可能性が高いのは玉移動の手数が少ない後者の手順なので、初期配置69の金の移動が必要です。玉の移動先である78地点へ移動する▲78金では元も子もないので▲58金左でしょう。その後▲69玉、▲78玉なので計3手必要です。

9筋の角が8筋へ移動する条件がありますがこれは先手の役割なのは一目瞭然です。つまり、▲96歩、▲97角、▲86角/▲88角の2通りでそれぞれ3手が必要。▲78玉への移動3手と合わせて先手の手数6手の割り振りがこれらの手の組み合わせになります。

後手の手は、83の歩を△87歩成まで進める4手の他には2手しかありません。実現しなければいけないミッションで残っているのは4筋の角を5筋へ移動する手ですが、後手が△34歩、△44角、△55角の3手を指すことはできません。2手で4筋から5筋への角移動をするには、4筋への角打ちからの5筋への移動になります。後手は8筋の歩を前進させる手を指し続ける際に先手の角を入手すれば4筋への角打ちができます。

初手から▲96歩、△84歩、▲97角、△85歩、▲86角、△同歩 の手順がピッタリ。7手目は▲58金左で9手目▲69玉、11手目▲78玉が先手着手になります。78の玉ですが、この状態だと△87歩成の王手に対して逃げ場所として68と69の2地点がある状態になっています。先手の協力手は手数的に無理ですし、先後とも68地点へ着手して68地点を塞ぐことはできません。残っている手は後手の4筋への角打ちと5筋への角移動の手の2手です。68と69の地点をカバーするには△59角成した馬で抑えることができるので8手目は△48角で10手目が△59角成が確定し、正解手順の完成となります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

渡辺さん(作者)「87歩成を難しくしてみましたが如何でしょうか?」

■歩成までの手筋は検討から忘れがちなのに、ダメ押しの68禁条件との相乗効果が効いたようです。

けいたんさん「成った小駒が桂と思い難儀しました。9筋から8筋の角の条件で歩がひらめきました。」

■妥当なところで桂成は考えてしまいますね。

のくせにさん「打った駒でない後手の小駒が成った→桂香は手数不足、87歩成しかない、68への着手はなかった→玉が69、78と移動後に68,69を4-5筋の角で後手が封鎖→9-8筋の角を先手が差し出す。理詰めで解ける問題はすっきりします。」

■桂成は微妙な手順があるので中々抜け出せない。桂だと手数不足だと判定するまでが早かったのですね。

小山邦明さん「「68の着手がない」という条件は、上記の正解手順の9手目を限定にするだけでなく、以下のような後手でよくみかける勝ち手順を、うまく排除できていると思いました。
96歩、34歩、97角、77角不成、58玉、68角不成、88角、33桂、44角、45桂、55角、57桂成 まで」

■解説の参考3図にしたい手順。

NAOさん「関係のなさそうな4,5筋と8,9筋の角の手が見事に融合。68の手を封じられて87歩成はないと思い込み大苦戦でした。」

■7手詰手筋に手順前後なしで追加された5手が見事。

山下誠さん「6八玉を否定するだけで後半の手順を限定しているのはうまいですね。」

■▲68金を除外するだけでは無く、この条件の効果は各方面へ。

ほっとさん「解ける直前までどうにも手数が足りずに苦戦。8筋の歩が間に合うとは。」

■桂成を中心に検討されたようですね。

RINTAROさん「「68への着手はなかった」が左辺への玉移動を制限する上手い条件。」

■戦場は右辺だと思わせる効果有り。

ミニベロさん「この形は、77角生とセットが多いので、69の穴ふさぎの59角成が見えずに、この順を捨てたのが敗因。
どの順も成り生が限定できないので、93角や53角なども早く捨てればいいのに。
今日は6月28日。何日考えたのだろう。
氏の作風とは違う手順だった、という言い訳はだめかな。」

■「〇〇の後に〇〇」が多い印象だけど、本作では「どっちが先だっけ?」になってたことでしょうか。手順を変えた両方の検討が必要ですね。

はなさかしろうさん「歩ずんずんの7手が12手になるんですね。とりとめない条件で、だいぶ迷いました。68なしを見て、敢えて78玉を一目散に目指せなくなっているあたり、我ながら随分素直になってしまったようです。」

■68地点は△77角の合いだったり、飛、金、銀を後手に渡すために使われることが多い地点。それらを使えないのなら右側の筋が戦場だと思ったのかな。

諏訪冬葉さん「「打った駒でない後手の小駒が成った」は57桂成をメインに読んでました。」

■△57桂成は皆さん読まれたようです。

ジェシーさん「面妖な条件の難問。あの「飛車先歩突型」の応用でこんな設定もできるんですね。」

■いかにも角の手が主役で詰める手順だと思わせる好条件。

占魚亭さん「「68地点への着手なし」条件が肝ですね。」

■これに引っ掛かると解後感というより「やられた感」があって、解けた時に気が抜けてしまいます。すんなり解かれたとのことなので解後感を満喫されたことでしょう。

飯山修さん「基本の7手詰に4手の角と1手の歩を加えたような作品。ちょこまかという表現が行ったり来たりではなく1マスずつしか動いてないという意味だったのか」

■大駒なのに1マスずつの移動をあらわしたタイトルでした。

原岡望さん「68着手なしをうまく使っています」

■妙手と言いたいところだけど、着手無しの条件なので好条件としか言いようがない。もっと賞賛する言葉が思い浮かびません。

べべ&ぺぺさん「残念ながら、手も足も出ません。何かが盲点になっているみたいです。」

■どうやっても解けそうにないときは両王手とこの歩成までの手筋を疑ってみることですね。

神在月生さん「まいりました。直前ヒントから、玉移動3手(68通過なしのための通過箇所空けを含む)・角移動5手(初期位置から該当筋のみ)・小駒成1手(香の直行としても)の計9手が最低限必要となり、残り3手でお膳立てや詰み形構築ができるのか!?」

■78で玉が詰むので筋が近い9筋の香成を考えられたようですね。残り3手は小駒(歩)が成れるように前進する手でした。

緑衾さん「68禁止は8筋の歩成で詰む余詰を消すためと思い込んで苦労しました。おそらく23歩成までの詰みを42禁止でできないかというのがスタートだと思うのですが、なるほどこうまとめるんですね。」

■条件設定の裏読みは作図者あるあるですね。ベテラン作者が軒並みに翻弄されていた条件でした。


正解:16名

  渡辺さん  けいたんさん  のくせにさん  小山邦明さん
  NAOさん  山下誠さんさん  ほっとさん  RINTAROさん
  ミニベロさん  はなさかしろうさん  諏訪冬葉さん  ジェシーさん
  占魚亭さん  飯山修さん  原岡望さん  緑衾さん


総評

渡辺さん「自作以外は一桁だったので当日解答できました。」

■難問作者が解図時は有利になりますね。

けいたんさん「今月はわりと易しかったと思います。」

■超易問が入っている効果でしょうか。

ほっとさん「今回は140-3が難しくて参りました。」

■解答時期はいつも通りでしたが、今回は全問が解けて即送付だったということですね。

RINTAROさん「今月も親切設計。来月が怖いです。」

■141回出題は予定変更で、40手越えではありませんので大丈夫でしょう。

ミニベロさん「上級が難問だったのでこれでいいのかな。」

■難問、易問、超易問で平均化。

占魚亭さん「1・3はすんなり解けたものの、2に時間がかかったのでまだまだですね……。」

■難問との評価が多かった上級をすんなり解かれたのですね。

飯山修さん「難しそうな問題があった時はあまり考えずヒントが出るのを待つという軟弱な解答者でした」

■もちろん、易しい問題は解いた上でのヒント待ちですよね。

原岡望さん「今回も2と3はヒント頼みでした。余談ですが最近詰パラの小学校に苦戦しています。推理将棋の副作用でしょうか。」

■推理将棋は通常以上の手も読む必要があるので、詰め将棋では不要な手まで読む癖がついてしまったということでしょうか。

べべ&ぺぺさん「上級がどうしても解けません。悔しいです。」

■解けた時の解後感は次回に持ち越しですね。

緑衾さん「3問目で苦労しましたがなんとか全問ヒント無しでできました。」

■2月から5か月間連続のトリの解答継続中。


推理将棋第140回出題全解答者: 19名

  渡辺さん  けいたんさん  のくせにさん  小山邦明さん
  NAOさん  山下誠さん  ほっとさん  RINTAROさん
  ミニベロさん  はなさかしろうさん  諏訪冬葉さん  ジェシーさん
  占魚亭さん  飯山修さん  原岡望さん  中村丈志さん
  べべ&ぺぺさん  神在月生さん  緑衾さん

当選: 飯山修さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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