象戯大矢数
[2021年8月2日最終更新]
以前、河内勲さんの「九代大橋宗桂 象戯舞玉」を紹介しました。
最後の献上図式として知られる象戯舞玉。当時はもちろん将棋ソフトはありませんから不完全作はかなり多く、本書はそのすべてに対して河内勲さんによる補正図を収録しているのが異色なところ。
今回、その第2弾として、「无住僊良 撰 象戯大矢数」が発行されました。
「大矢数」は「民間棋人による図式100番を揃えた初の作品集」(同書まとめより)という歴史的に重要な作品集で、初めての馬ノコ作品がよく知られています。作品の内容は、詰将棋博物館で見ることができます。
残念ながら、大部分が不完全で、そのためもあって、この馬ノコ作品以外はほとんど紹介されることはありません。本書は河内勲さんが「『大矢数』は不完全作が多いためあまり評価されないが、完成度が低いからといって作者の思いまで無視されて良いはずはない。300年以上前に作者が力を尽くした作品を復元させたいと考え、補正立案に取り組んだ。」もので、6題の完全作を除き、すべての不完全作の河内勲さんによる補正図があわせて収録されています。
本書は詰将棋パラダイスの2021年7月号で北村憲一さんが、そして8月号で柳田明さんが紹介しています。
柳田明さん「本書は解いて楽しむ趣旨の本ではなく、河内氏が古典詰将棋に対して真剣に取り組んだ研究成果の本で内容は少々難しいです。」
とのことで、一般向けの本ではありませんが、全詰連書籍部でも冊数限定で取り扱いしているので、興味のある方はお買い求めください。なお、前述の象戯舞玉もまだ残部があるそうです。はほぼ残部なしとのことです。
- 无住僊良撰『象戯大矢数』河内勲補正 送料とも1500円
- 九代大橋宗桂『象戯舞玉』河内勲補正 送料とも1500円
申し込みは郵便振替にて下記へ。
【口座番号】00260―1―19328
【加入者名】柳田明
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